今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
どちらかと言えばシブ目の配色になるのでしょうが、優しさは感じられると思います。中高年のおばさまこそ明るい草履というのはウソじゃないですが、より控え目をご希望の方も確かにいらっしゃいます。
ここ一週間ほど気温の低さが顕著だった秋田県。県北部の鹿角市では、氷点下20℃近くを記録していました。県南部に位置する角館でもマイナスの二桁まで下がり、水道工事店がフル稼働しているそうです。それは水道の凍結なんですね。わが家も一箇所だけどうしても融けずにいますよ。
そして昨日から降り出した雪が、今日一日続きました。少し久しぶりに除雪車の音で目覚めた今朝は、ほんとに景色が変わっています。二時間ほどを費やし自宅周辺の雪かきが終わると、最初によせた玄関がまた同じくらい積もっていました。これが当地の冬のピークですね。
千葉県にお住まいのお客様から、ご注文メールを頂戴しました。「草履職人へのメッセージ欄」には…
『極寒の中、お仕事お疲れ様です。今回で四足目です。最初は、一人で履いていましたが、二足目からは、夫婦で履いています。夏は、素足で、冬は、五本指の靴下を履いてから使っています。配色はお任せしますので、宜しくお願いします。千葉県から応援してます』。
寒さと雪にテンションが下がりっぱなしのこの時季、こうしたメッセージはほんとに元気をもらえますよ。
十日ほど前でしたか、草履実演を見つけると素早く丸太椅子に腰を下ろした男性がおりました。ヘアースタイルやその風貌から、なんらかの「ものづくり」に携わっている御仁というのはすぐに分かりました。聞いてみると、北海道アイヌ工芸の木彫り職人さんなんですね。
秋田市にある県立博物館で展示会が開かれていて、その合間に角館を訪れたそうです。木彫り職人さんは、『角館っていうところを一度訪ねたいと思っていたんですよっ』。
寒い北国で「ものづくり」に励み、尚且つ角館に興味があると言われれば、もうそれだけで仲間みたいに思えますよ。
明日から2月の実演がスタートです。この寒波ですからたくさんのお客様は望めませんが、「北の職人」のひとりとしてしっかり務めてまいりましょー。