角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

今年の開花。

2006年02月28日 | 地域の話
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm〔写真〕
薄いグレーの浴衣がベースです。シンプルだナ~と思いながらも、こういうベースには紺の鼻緒を使ってしまいます。私自身がシンプルだからかもしれません。


いよいよ2月も今日でおしまいです。3月の実演開始まであと四日と迫りました。
今日西宮家の前を通ったら、駐車場がほぼ満車でした。一般に、冬場と月末はお客様が少ないと云われてきましたが、なんかそういうのも当てはまらなくなってきた感じです。
ときどきブログ内を「角館」で検索してみるんですが、この冬に遊びにいらした方が結構いらっしゃいます。もちろんブログをやってる人はその中の一掴みでしょうから、全体では相当の人数じゃないでしょうか。

今朝の朝刊で桜の開花予想第一弾が出てました。ほぼ平年並みから少し早いくらいだそうです。角館で4月20日~25日くらいでしょうか。やはり2月下旬からの気温が大きく影響するようですから、これからの気象状況でまた変わるのかもしれません。今年は頑張って開花状況をお伝えしたいと思います。

角館の桜にご関心のあるみなさま、このブログと同時に角館ライブカメラをご参考にしてください。
ちょうど武家屋敷通りの中心付近に設置されています。左手が「樺細工伝承館」で、右手が日ごろからお世話になっている「須江商店」というお土産品屋さんです。シーズンになると、この須江さんの門に「人力車」が陣取ります。
このカメラで見られる桜は「枝垂桜」です。この桜が満開を迎えた三日後くらいに、檜木内川堤防の「染井吉野」が満開を迎えます。徒歩3分くらいでお互いを行き来できますから、どちらも見頃の三日間くらいが人出のピークですね。

さて、今年のその「三日間」はいつになるんでしょう。
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意外な副産物。

2006年02月27日 | 地域の話
23日と24日のブログで取り上げた、「夢の職業はクロネコヤマトの運転手」。
その後この話題は、全県の支店ネットで伝えられたそうです。各営業所長から角館営業所へ送られてくるメールには、感謝の言葉がズラリ。
なににそんなに感謝しているのかと言うと・・・

『従業員にハッパを掛けなければならない場面がたびたびの毎日で、所長も従業員も笑顔で働く姿が激減している。そんな中で、自らの職場を「夢」と語る少年がいると聞かされ、従業員の笑顔とやる気がハッキリ違う。やっぱり、人は叱ってでは動かない・・・』

つまり各営業所の所長さんが、管理職としての心得を再認識できたことへの「感謝」だったわけです。スタッフのみなさんが気分を良くしただけでなく、意外な副産物もありました。むしろ副産物のほうが大きいのかもしれません。

またまた子育ての極意を思い出しました。『三つ叱ったら五つ誉めよ』。
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修学旅行。

2006年02月27日 | 地域の話
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm〔写真〕
紫基調に花柄模様の着物がベースです。これに赤い鼻緒を付けると、いかにも「春真っ盛り」という感じになります。
外に目をやれば、またすっかり白一色になっちゃいました。昨日の雨が雪に変わり、今日は一日中吹雪の真冬日です。


先日の三女の授業参観に続いて、今日は長女と二女の中学校の授業参観でした。今日もわが家はカミさんが出席です。
参観後の懇談会で、修学旅行について現在までの説明があったそうです。3年生に進級したとたんの4月が修学旅行ですから、この間入学したばかりなのにもうこの話題なんですね。
旅行先は東京。昨年まで2年続けた沖縄ではありませんでした。3泊から2泊に減らすことも、ほぼ決まりとのことです。

私たちの時代は、中学では北海道が定番でした。函館から札幌の道南コースです。それがいつからか東京になって、最近沖縄が2年続いてまた東京に戻るんですね。
最初の頃は、どうして東京なんだろうと思ってました。大学だとか、おとなになってからも東京に行く機会なんかなんぼでもあるのに、それよりは北海道を見せてあげたいとずっと思ってました。

実際私がおとなになったら、東京も北海道も行く機会は同じくらいありました。
今はこう思います、『稚内・北見・帯広・釧路を見せてあげたい』。
函館や札幌だけを旅行して、『北海道へ行って来た~』ではダメなんです。本当の北海道は、道東・道北にあるんです。欲を言えば、季節は真冬がイイです。夜ホテルを抜け出すヤツなんざー、ひとりもいません。

最近都会の中学が、修学旅行で田沢湖スキー場へ来ています。娘の担任に、『そういう中学って結構多いの?』と尋ねてみると、『それほどではないですけど、こういう山だとメリットがあるみたいですヨ』。
この「メリット」、まさに『夜ホテルを抜け出すヤツなんざー、ひとりもいません』。
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常識、じゃない場合も・・・。

2006年02月26日 | 地域の話
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ22.0cm〔写真〕
配色のご説明はというと・・・ナンと言いましょうか・・・そうそう、個性的な草履ですね
はじめて5色も使ってしまいました。一度こういうことをしてしまうと、タガが外れるとでも言いましょうか、もっと面白いことをしたくなります。


「いつでも行けるところにはなかなか行かない」。日常にも割と多いです。観光客の方々がたくさん訪れる施設やお店で、私がまだ一度も入ったことのないところが結構あります。周囲の人たちに訊いてみても、「樺細工伝承館」や「平福記念美術館」、それに「西宮家」だって入ったことのない人が一杯います。
地元にいながら地元を知らない、いや地元にいるからこそ敢えて地元を知ろうとしないのかもしれません。

最近角館へ観光に見えた方のブログで、ちょうどそんなことが書かれていました。
車でお越しになった方なんですが、武家屋敷通りを何度走っても「駐車場」が見つかりません。仕方なく近くにいた人に『有料駐車場はありませんか?』と尋ねたところ、『駐車場ですか~、そこに置いたらどうですか?』と言われたそうです。「そこ」と言うのは、仙北市役所角館庁舎。ちょうど日曜日だし、構わないでしょうということでした。
そのブログを書かれている方は、『観光地として名高い角館に、ひとつの駐車場もなくてどうすんの???』と、真剣にご心配くださってました。

もちろん駐車場はあります。それも武家屋敷通りから徒歩1~2分の場所です。市役所からも確かに近いですが、正規の駐車場はもっと近いところにあるんです。
この駐車場を知っていて教えないというのは不自然ですから、おそらくその尋ねられた住民は知らなかったんじゃないでしょうか。

そのブログへコメントを寄せて“誤解”は解けたんですが、観光シーズンは毎日行列ができる駐車場も、住民のすべてが知っているとは思わないほうが良いかもしれません。
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朝まで生草履。

2006年02月25日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ22.0cm〔写真〕
白地に紺で花模様が描かれた浴衣がベースです。これに同系の紺で鼻緒を付けると、夏場にとても好まれる配色になります。
少しでも白が含まれると、『汚れが目立つとイヤだしね~』という理由で敬遠されがちですが、梅雨時から盛夏にかけては『涼しそうでこれイイね~』に変わります。
さすが日本人、常に季節感を持って暮らしています。


『何時くらいまでやってるんですか?』。

時計を見ると、深夜2時を過ぎています。半分は面白そうに、半分は怪訝そうに尋ねて来るお客様に、『はいっ、朝まで生草履です!』。
ときは2005年8月28日、ところは角館のお隣り旧中仙町にある道の駅。実はこの日は、全国に名高い「大曲全国花火競技会」の日でした。

知人からのお誘いで、一昨年から花火競技会の日に道の駅へ出店しています。一回目は一般的なお土産ものと子ども向けの玩具を販売したのですが、せっかく県外からもたくさんの見物客がお越しになるので、昨年は草履実演を取り入れました。

花火競技会当日の午前6時に開店し、翌日午後2時までのぶっ通し32時間営業。24時間テレビなんてもんじゃありません。その間一睡もできないんですから。
午後10時頃に花火が終わると、60万人とも云われる見物客が一斉に帰路に就きます。旧中仙町を通過するのは主に青森・岩手方面からのお客様ですが、それでも数万人規模です。休憩・食事・仮眠等で、道の駅は一夜だけの「不夜城」と化すわけです。
お客様が入って見える時間を見計らってスタートさせた草履実演。朝6時で用意した材料が尽きました。

夜通し屋外テントで草履を編むのは、これが最初で最後になるかもしれません。深夜に草履をお買い上げくださったみなさま、そういう意味でも記念になって欲しいものです。
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子どものたった一言が・・・。

2006年02月24日 | 地域の話
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ25.0cm〔写真〕
シンプルな配色ですが、形よく仕上がりました。比較的ご年配の男性に喜んでいただけそうです。

昨日のブログ、夢の職業は「クロネコヤマトの運転手」。
わが家へ来るドライバーさんが、早速営業所スタッフ全員へこのことを話したそうです。みなさんの反応はと言うと・・・

『えっ、なんで???』
『どこが良く見えるの???』
『ユニフォームのこと???』

最初はこんな感じながら、すぐに照れ笑いに変わったそうです。そりゃあそうです、自分の職業を「夢」と語る少年がいるんですから。今朝の出発はいつになく元気だったとか。

この話題は角館営業所にとどまらず、直ちに大曲営業所へ報告され、そして県北の営業所までメールが送られたとのこと。おそらくそこから先にも伝えられることでしょう。

ひとりの少年のたった一言が、数百人のおとなを元気にしました。私もその中のひとりです。
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夢の職業。

2006年02月23日 | 地域の話
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ21.0cm〔写真〕
青の着物をベースに紫の鼻緒なんですが、なぜかかかとだけ黄色になっています。普通こういう配色はしません。実は、青の着物が足りなくなりそうで、急きょかかとだけ別の布にしました。こんなときに面白い草履が出来たりします。

今日は三女の小学校の授業参観日。わが家はカミさんが出席しました。
いつ頃からはじまったのか分かりませんが、毎年の小学四年で「二分の一成人式」という授業が行われています。今日の参観授業もこれがテーマでした。
「将来どんな仕事に就きたいか」、子ども時代によくあるテーマです。今日の授業でも四年生全員がこれを発表したそうです。
「プロ野球選手」「サッカー選手」「保育士」「学校の先生」・・・ありがちと言っては失礼ですが、だいたいこういうのが並ぶ中で、ひとりの男児の夢の職業は「クロネコヤマトの運転手」。

毎日の夕方集荷に訪れるヤマトさんに、このことを話しました。照れ笑いしながら、『営業所サ戻ったら、みんなサ教えるんす!』。今日は荷物がひとつもなかったんですが、ヤマトさんはにこやかに帰って行きました。

『将来は草履職人になりたいです!』。こんな子どもが現れませんかね~。
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選挙と桜。

2006年02月22日 | 地域の話
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm〔写真〕
赤基調の着物をベースに、オレンジの帯二本と黄色の帯一本を入れてみました。賑やかさが面白い草履になったと思います。

ここ数日の高温と日照で、雪解けが思いのほか進んでいます。2月下旬に10度なんていう気温が続くと、今度心配になるのが桜の開花です。大雪に反して一昨年のような状態(4月24日満開)になると、またそれはそれで大変なんです。

この春、当地の市議会議員選挙があります。4月9日告示、16日投開票です。仮に15日の土曜日から観桜会がスタートすれば、候補者のみなさまがもっとも力の入る最終日と重なるわけです。それはもう、「今日の草履」のように賑やかなことでしょう。

民主国家で選挙は避けられませんから、そのときに仙北市にお越しになる予定のみなさま、気分を害されることのありませんように・・・。
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フクの素性と結末。

2006年02月21日 | 家族の話
『イヤだ、ぜーったいイヤだ!』。

迷い犬としてわが家で保護している犬、「フク」。首輪が付いていないというだけで、どこかの飼い犬でないとは言い切れません。さらに不安にさせたのが、痩せていないこととヒドくは汚れていないことでした。「どこかで必死に探している飼い主がいたとしたら・・・」。これが頭から離れなかった私は、昨晩三女に相談しました。

『可愛がってた犬を、一生懸命探している人がいるかもしれない。出会った場所の近くをもう一度探してみよう。それでも飼い主が分からなかったら、そのときは家で面倒をみよう』。

三女の口から出た言葉が冒頭です。もちろん予測はしていました。予測はしていましたが、最後は理解してくれるとも思っていました。ほどなく三女は、ポロポロと涙をこぼしながら小さく頷きました。

今朝一番で、カミさんとフクを乗せて遭遇場所へ向かいました。一度尋ねた家から少し離れた家へ行ってみると、一軒目でフクの飼い主が分かりました。このお宅のおばあちゃんに、飼い主である友人から電話があったばかりでした。
住所を訊き、1キロほど離れたその家に着くと、フクとそっくりの犬が一匹。一瞬でこの家と分かりました。
飼い主は白髪交じりの老紳士。事情を聞くと、散歩中道路で排便をはじめたフクを、車が通るので危ないからとチェーンを強く引いたところ、首輪ごとスポっと脱げたそうです。そして気の向くままの散歩に出掛けてしまったということでした。

可愛がっていたそのお宅のおばあちゃんは、涙を流してフクの帰宅を喜んでくれました。
さて、三女の涙はどうしましょうか・・・。
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母娘は仲良し。

2006年02月20日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ22.0cmとSサイズ17.0cm〔写真〕
ピンクの梅柄模様の着物がベースです。同じベースで鼻緒を替えた「大小」を作ってみました。母と娘のペアなんかどうでしょう。

実演でご家族連れのお客様とよくお会いします。複数(ペア)の草履をお買い上げいただく場合、ご夫婦ペアが多いです。つい最近、秋田市在住の友人からも夫婦ペアのご注文をいただきました。

実は、ご夫婦より多いのが「母娘ペア」なんです。年齢的には、母50歳代娘30歳代といった感じでしょうか。
ご夫婦で草履を品定めするときは、ご主人のほうに多少の気恥ずかしさがあるせいか、比較的静かに淡々とお選びになります。一方母娘ペアの場合は、終始とてもハイテンションです。

『お母さんはこっちが似合うって~』
『ナニ言ってんの~、そんな地味なの履かす気~!?』
『まーたくっ、いくつだと思ってんの!?』
『自分で好きなの選ぶんだからイイじゃな~い!』

いつもじゃないですが、だいたいこんな会話が展開されます。それはもう、とっても楽しそうです。
オヤジと息子ではちょっと想像できない関係が母娘にはありますね。私の母親と姉も同様、カミさんと母親もまた然りです。お互いを熟知して、言いたいことを言い合える関係って、他人であっても見ていて笑みがこぼれます。

他方、昨今は実の母親がわが子を虐待し、ときには死に至らしめる事件が起こります。これらについては私の頭では解説できませんので、あしからず・・・。
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