角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

孫手当て。

2010年01月31日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤基調の和柄プリントをベースに、合わせは紺基調の女の子プリントです。
和柄同士の組み合わせ、赤系と紺系の組み合わせも定番のひとつですね。綺麗にお洒落に決まったと思います。

岩手県からお越しのおじさまひとり旅。関心高く実演をご覧のうえ、4歳になるという男のお孫さんへお土産にお買い上げくださいました。
『今日のところは孫の分だけにしとくよっ』。当ブログにもよくあるお孫さんネタ、ほんとにおじいちゃんやおばあちゃんというのは孫が可愛くて仕方がないものですよね。この真冬の1月に、Sグループの草履が10足以上も売れています。そのほとんどが「お孫さんだけ」へのお買い上げでした。

昨晩は丁内のおじさんたちの新年会でした。1月もおしまいになってから新年会というのも、なんとなく間の抜けた感じです。まぁ、酒が好きなおじさんたちばかりですから、集まりの名前なんてどうでもイイんですけどね。
話題は「子ども手当て」。メンバーの中では、子ども手当ての恩恵を受けるのがすでに私ひとりだけになっていました。それも辛うじて、半額の一年間だけですけどね。

それでも子ども手当てに対しては、ほぼ反対意見はなかったですよ。それもそのはず、対象の「子ども」はいなくとも、「孫」のいるおじさんが何人もいるんです。息子や娘が手当てで少しでも助かるなら、そりゃあ爺さんだって嬉しいわけでしょ。子ども手当てならぬ「孫手当て」みたいなもんですかね。

でもみんな気にしているのは、この手当てがいつまで続くのかでした。草履職人に孫ができる頃は、「過去の制度」になっている気もします。

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寄り道場所。

2010年01月28日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
紺基調の女の子プリントをベースに、合わせは金です。
紺のベースには、どんな色を組み合わせても無難にまとまりますね。中でも金は、お洒落だでなく厳かさが感じられます。やはりどちらかと言えば中高年の女性向きでしょうか。

ここのところ雨がとても多くなってきました。このまま雪が消えて春になってくれればイイのですが、まだそうも行かないようです。夜には雪に変わり、明日も一定量が降り続くと言います。
先ごろの三ヶ月予報を見てみると、3月~4月は比較的暖かく推移するようですね。これでまた心配になるのは桜の開花。もう角館の桜がゴールデンウィークまで残ることは、期待しないほうがイイんでしょうか。

朝一番にお越しはおばあちゃんお二方。『ははぁ~、ここだ、ここだっ』と言いながら入って見えたので、どうやら角館草履にご用の向きがあったようです。聞いてみるとおふたりは旧西木村にお住まいで、角館草履が紹介された昨年暮れの新聞を読んでお訪ねと言います。
『オラだぢも布草履どご少しばかり編んででよぉ、一度こごサ来てみでがったものなぁ』。
新聞に掲載されてから複数がお見えでしたが、こちらのおばあちゃんたちが見学時間トップでしょうか。

『いやぁ~、たまげだぁ。こんた綺麗な草履だば見だごどねぇ』と、ちょっと過剰とも思えるリアクションのおふたり。でもそう言われるとこちらも嬉しいものです。見学中何人かのお客様が立ち止まられましたが、このときばかりはおふたりのおばあちゃんに集中しました。
おひとりは草履台に関心が高く、もうおひとりは春に転勤が決まった息子さんへ草履をプレゼントとおっしゃいます。『靴何センチだが訊いで、来月中にまた来るんシぃ』。

お買い上げはともかく、こうしてご高齢のおばあちゃんたちの「寄り道場所」となってくれるのが嬉しいと思うんです。角館町内のご高齢者でも、散歩の途中にちょくちょく寄ってくださる方がずいぶんいます。
真冬の公開実演には、いろんな意義があってイイでしょう。

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酒の国秋田。

2010年01月26日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ21cm土踏まず付き〔四阡円〕
薄茶基調の龍プリントをベースに、合わせは紺基調の花柄プリントです。
比較的シブ目の配色ながら、見る人によってはきっとお洒落に映ると思います。足の小さなおばあちゃんといった印象でしょうか。もしかしたら稀にある、小学生くらいの男の子が選ぶかも知れませんね。

今朝の地元紙に、大手旅行会社が行ったアンケート結果が掲載されていました。テーマは「お酒にちなんだ場所は…」。いろんなアルコール飲料がある中で、お酒と土地の連想を訊いたものです。
一位はワインで山梨県、二位は灘の銘酒で兵庫県、三位は伏見の酒で京都府、四位はビールで北海道、そして堂々の五位が米の秋田は酒の国で秋田県だそうです。回答者の11%、10人に1人以上が「酒と言えば秋田県」をイメージしているのですから、これはなかなか面白い結果と思いました。

ただしなんですが、兵庫の灘や京都の伏見と異なるのは、秋田県内産地や銘柄はほとんど思い浮かばないそうですよ。つまり「米が有名だからきっと酒も旨いだろう」とか、「旅行で飲んだとき確かに旨かった。でも銘柄までは知らないなぁ」とか、「秋田県は日本酒消費量全国一と聞いたから…」という具合に、抽象的というか漠然とした印象なんでしょうね。

二十代前半にはじめて知った酒に、「飛良泉」という銘柄があります。秋田県の日本海側、山形県庄内地方に近い「にかほ市」にある蔵なんですが、この酒は旨いですね。県内どの酒造メーカーも、金額の高い酒はほんとに旨いですよ。でもこの飛良泉は、比較的安価なラベルでも旨いと思うんです。

わが家に一本貰い物の飛良泉があります。今朝の記事を読んだところで、今日の晩酌は日本酒にしましょうかね。

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ワラジ効果。

2010年01月25日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤基調の南国プリントをベースに、合わせはピンク基調の南国プリントです。
同柄色違いを組み合わせたこちら、なんとも明るい「夏」のイメージですね。フラダンスを踊る女性にお勧めの一品でしょうか。
秋田市に拠点を置くフラダンスチームと若干の接点があるのですが、こちらの先生とお弟子さんが角館草履のご愛用者です。こんな草履も見ていただきたいものですね。

今日の角館は大寒以来の雨になりました。朝から降り続いた雨は午後雪に変わり、暗くなった今もたくさんの水分を含んだまま降り続いています。
知人のひとりは、今季屋根の雪下ろしを二度したそうです。近年当地の雪はとても重いので、心配しているよりは下ろしたほうがイイでしょう。ただ雪下ろしはなかなか危険な作業ですから、特にご高齢の方は充分な注意が必要です。

どちらからお越しか聞き漏らしてしまいましたが、お孫さんへ16cm草履をお買い上げくださったおじさま。実演を眺めながら、『昔子どもの頃、川へ入るのにワラジを履いたよなぁ』。
このお話はこれまで何度か聞いています。ワラジを履いて川へ入るのは、「スベリ止め」の意味なんですね。
小魚を捕まえようと川に入り、コケの生えた石にすべって転んだ。中高年の男性であれば思い出にあると思います。そんなときワラジを履くと、スベリ止めになるというわけです。

そう言えば屋根の雪下ろしをするとき、長靴にワラを巻いているお父さんたちって見なくなりましたね。これもスベリ止め効果で、長靴の甲の部分にワラをグルグル巻きつけているものでした。
そういう高齢者が屋根に上がらなくなったのか、ワラそのものがなくなったのか。川で遊ぶ子どもがいなくなったように、これも時代と共に消えて行ったんでしょうね。

スベリ止めと言えば「入学試験」。ゲン担ぎで試験会場にワラジを履いてくる人なんていませんよね。履かないまでもおまじないに持っている人がいたら、それは消え行く祖父母の知恵でしょう。

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外貨を稼ぐ。

2010年01月24日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤の唐草をベースに、合わせは赤基調の半纏プリントです。
和と和の組み合わせはよくするのですが、この手の赤だと男性色に見えますね。足が小さめの男性にお勧めできるよう、24cmにしてみました。これがいきなり功を奏します。

長野県上田市からお越しのご夫婦旅。ご主人が先に草履コーナーで立ち止まり、簡単なご挨拶のあとしばし実演をご覧でした。そこへ奥様が追いつき、おふたり揃ったところで角館草履のご説明です。ご夫婦共に気に入ってくださり、あとは配色選び。そこで私がご主人へお勧めしたのが「今日の草履」でした。
『なんかお祭りみたいじゃないっ!?』とおっしゃるご主人のお顔は、満面の笑みでしたね。ご夫婦で早速履いてくださいね~。

いまさらながら、角館は観光地です。日々のブログに綴る通り、県外からのお客様との出逢いは日常にあるわけです。すると角館草履をお買い上げくださる方も、必然的に県外の方が多くなります。秋田県内でも仙北市以外と考えると、おそらくその比率は90%をゆっくり超えるでしょう。

先日の地元紙ではじめて知ったのですが、秋田県出身で首都圏を中心にご活躍されている大先輩たちが、ふるさと秋田を元気にするためいろんな活動をされているんですね。その代表者が交代するにあたり、県民に向けてのメッセージが紹介されていました。その要旨は、『限られた秋田県内のお金を奪い合うのではなく、県外のお金、つまり外貨を稼ぐことに執着して欲しい』といった内容でした。これに私は深く共感するわけです。

私がかつて勤務していた会社は、角館の伝統工芸樺細工の製造卸売りが中心でした。当時私たちは、この「外貨を稼ぐ」にひとつのポリシーを持っていて、とにかく県外へ出かけて樺細工を売り歩くことに執念を燃やしていたんですね。樺細工を取り扱ってくれそうな業種には、片っ端からアクションを起こしていました。秋田県の産物で外貨を稼ぐについては、お米の「あきたこまち」に準ずる思いでしたよ。

それが結果的に必ずしも良策でなかったのは、樺細工が全国どこでも手に入る品物になってしまったことです。全国各地の百貨店やギフト店、あるいはお茶屋さんでも買えるモノとなり、やがて希少性は失せました。
もしかしたらの話なんですが、角館がここまで観光地として著名になるならば、樺細工を「角館に行かなければなかなか手に入らない存在」とするのが、案外ベストだったのかも知れませんね。

角館草履は、角館西宮家以外で実物をご覧いただくことが叶いません。それくらいの生産量しかないというのが一番の理由ですが、私はそれがむしろベストじゃないかと思っているんです。
さらに県外からのお客様にお買い上げいただければ、「外貨を稼ぐ」にも適います。あとはそのお金を角館でバンバン使うのが良策なんですが、まだまだそういう余裕はありませんなぁ。

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色白のワケ。

2010年01月23日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
紫基調の花柄プリントをベースに、合わせはエンジ基調の和柄プリントです。
ベース色は若干シブ目ながら、組み合わせのエンジで可愛らしくなりました。こちらであれば、お若い女性でもご年配の女性でもお勧めできるでしょう。

今日も一日雪が降り続いた角館、新雪10cmといったところでしょうか。大寒の雨をはさんで連日の雪よせに、特にご年配者の間から悲鳴に近い声が漏れています。当地も独居老人世帯がかなり多いですから、こういうときは周囲の援助が不可欠でしょう。わが丁内にもそんな動きが出始めています。

横浜市からお越しのおばさまひとり旅。『今年の雪はいつもより多いんですか?』とお訊ねでしたので、『まずここまでで平年並みですかねぇ』とお応えしました。おそらく現在の角館で100cmくらいと思います。大寒の雨がなければもっと積もっていたでしょう。
これからまだ一ヶ月は降雪がありますから、明日あたりから「平年より多目」とお応えしましょうか。

こちらのおばさまは40年ほど前、一度角館を訪れたそうです。そのときの印象は、『角館の人は色白が多いですよね。それと顔の輪郭がみなさん近いように思います。昔は他地域との交流が少なかったからでしょうか』。
他地域との交流と顔の輪郭は私に不案内ですが、確かに色白は多いと思います。かつてサラリーマン時代に全国各地を訪れましたが、比率として秋田県に色白が多いのは気のせいじゃないと思うんです。世に言う「秋田美人」も、きっとこの“七難隠す”が影響しているんでしょう。

ただし、ここ数日の角館人に色白を見かけたら、それは雪よせの疲労で生気が失せているからかも知れませんなぁ。
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変わり者と草履。

2010年01月22日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
紺基調の和柄プリントをベースに、合わせは金です。
シックな和柄に金が良く映えますね。こちらであれば、おばあちゃんと云われる年代でも似合いそうです。足が小さめの、お洒落なおばあちゃんにいかがでしょう。

一昨日の雨から雪へと変わり、今日もほぼ一日降り続きました。雨ではっきり積雪が減ったのは一日限り、今日の雪でまた見事な雪化粧が出来上がっています。
仙台市からお越しの母娘ペアさんは、『こんな雪を見たのははじめてですよっ』と喜んでおられました。『非日常を愉しんでくださいねっ』と言った私の言葉に、ウソはありませんよ~。

長野県松本市からお越しのおじさま7~8名グループ。草履コーナーに立ち止まると、『ほぅ~、立派な草履だねぇ』。ワラ草履世代と思しきおじさまもいらしたので、そのときはワラ草履と比較されたのかと思いました。その後の言葉は、『やっぱりこういう草履は、鳩山さんとか小沢さんみたいな人のために編んでるの?』。
どうやら草履の見た目と同時に、値段の意味もあったようです。

おじさまが言わんとしたのは、かねてからマスコミで騒がれている「政治とカネ」でしょう。つまり角館草履はそうした一部の「お金持ち」が対象という、ちょっとした皮肉なんですね。
私がお答えしたのは、『とんでもないですよっ。この草履は一般庶民、主に働く主婦のみなさんのために編んでるんですっ』。
その後角館草履のご説明をすると、うちのおひとりは奥様へ、もうおひとりはお孫さんへのお土産にお買い上げくださいました。結局は気持ちの優しいおじさまたちなんですね。

それにしても民主党のツートップは、ここのところお金の話題でタイヘンです。私は鳩山さんという人を、「究極の変わり者」と思っています。自他共に認める「変人」を標榜したのは小泉さんでしたが、鳩山さんはどうも質が違いますね。
すいぶん前のテレビで、幸夫人を妻に決めたときのエピソードを話していました。『みなさんは妻を選ぶとき、未婚の女性から探すでしょ。僕は世界中のすべての女性が対象なんです』。
情熱的で男の耳にも羨ましい言葉に聞こえますが、これを言う男はアチコチにいませんね。

実母からの巨額献金について、『まったく知りませんでした』を繰り返しています。金銭的に裕福な家庭で育つ子どもは、案外バカが付くくらい真面目な場合があります。一直線に進む頑固さがある反面、世の中を上手く渡る器用さに欠ける感じでしょうか。
ですから鳩山さんが繰り返し答弁する通り、ほんとに実母からの献金を知らなかったんじゃないですかね。もちろんそんなことが一般社会であろうはずがありません。だから究極の変わり者と思うわけです。

人様の前で草履を編みながら日々暮らす草履職人。これもある意味「変わり者」かも知れません。鳩山さんが政界から引退したとき、ぜひ角館草履を履いてくれませんかね。「鳩山ソーリ」よりも、「鳩山ゾーリ」のほうが似合うかも知れませんよ。お代はもちろん、庶民的な正価で結構です。

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雨も良し、雪もまた良し。

2010年01月20日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
茶の唐草をベースに、合わせは薄茶基調の木目プリントです。
同系色合わせの典型例なんですが、やっぱり茶色というのはなかなかお洒落ですね。木目プリントが「逞しさ」を連想させますから、男気のある勇敢なお父さんにいかがでしょう。

予報通り昼から雨になりました。夜を迎えた今も降り続いてますから、結構な雨量になるでしょう。道路の凍結した部分が雨に濡れると、滑りやすくなって徒歩も危険です。屋根からは解けた雪がツララと共に落ちてきて、ときに驚くような音をたてていました。
そして明日はまた真冬日に近いそうです。この寒暖の差が結構イヤなんですよねぇ。

角館歴史案内人と共にお越しは、60歳代前半と思しきご夫婦です。奥様は片足が不自由なようで、杖をご利用でした。前述の通り今日の角館は徒歩も難儀ですから、『あいにくの雨になってしまいましたねぇ』と私が言うと、優しい笑みをたたえた奥様の言葉は、『雨も良し、雪もまた良し。天気なんてさほどのことはないですよっ』。
二行にも満たない言葉なれど、草履職人の心にしっかりと響いたものです。

私の推論なんですが、奥様の言葉をもっと広げるとこんな感じじゃないでしょうか。
『私は角館という土地を訪ねて、今その町を散策することがすべてなんです。そのときの天気が雨であろうと雪であろうと、目的さえしっかりしていればそれがなにほどのものでしょうか』。

以前のブログにも書いたことがありますが、『変えられるものは変えよう。変えられないものはそのまま受け入れよう』の言葉は、今も私の心に刻まれています。自らの人生において、「変えれば良くなる」はいっぱいあります。でもそれは手を尽くして成し遂げられるものと、そうでないものとがあるわけです。そうでない場合は、そのままを受け入れて且つその中で最善を見つけるというのが、この言葉の趣旨ですね。

これも私の推論でしかないのですが、奥様は片足が不自由であるが故に、「雨も良し、雪もまた良し」の心境にいられるんじゃないでしょうか。
冬は寒い、夏は暑いと言ったところで、人間がこれを変えるなんてことが出来るはずもありません。であれば、寒さの中に喜びを見つけ、暑さの中に楽しさを見出すことが人として賢明でしょう。

公開実演は、ときに「人生」を教えられます。

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北東北仲間。

2010年01月19日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤基調の半纏プリントをベースに、合わせは紺の絣風プリントです。
男性でも女性でもいけるように24cmにしてみました。赤と紺の相性は、使う赤によってむしろ男性色になりますね。「今日の草履」もまさにそんな配色と思います。

当地もようやく暖気に入りました。午前から青空が広がり気温も上がりだすと、ホッとした気分になりますよ。昨日までは冷蔵庫の中より低い気温でしたから、シロクマとは違う生身の人間にはなかなかキツいものがありました。
そして明日の気温がまた高いですね。最高予想が8℃で天気は雨だそうです。これまで積もった雪がこの気温と雨でどうなるか、ちょっと怖い大寒になりそうです。

青森県弘前市からお越しのおじさまひとり旅。東京に暮らす息子さんと娘さんを訪ねた帰り道、途中下車で角館へ降り立ったそうです。『車では何度も通ってるんだけど、角館を歩くのははじめてなんですよ。イイ機会だから、内陸鉄道で鷹巣へ出て弘前へ帰ります』。
これまでのブログでときに登場する「途中下車」。角館が目的地ではない旅で、『ちょっと寄ってみようかなっ』がこうしたタイプですね。私はむしろこちらのほうに「縁」を感じます。

おじさまがふらりと草履コーナーに立ち止まると、ふと思い出したように、『あれっ、このあいだテレビに出てませんでしたか?』。先のブログでご紹介した「週刊ことばマガジン」をご覧だったようです。おじさまは『いや~、これもなにかの縁ですねぇ』と、ご自分用に草履をお買い上げくださいました。

おじさまとのおしゃべりは、北東北の社会事情に及びました。
『子どもが少ないって言ったって、それは結婚してない人が多すぎるからですよ。近所の保育園に来るお母さんは、3人も子どもを連れてる人が何人もいますよ』。
この話題は1月7日のブログで私が書いた話、そのものです。たった数日で同じ話をする方と出逢うなんていうのも、また縁を感じますね。おじさまは、『私なんかになんの力もないんですけどね、結婚したい人同士が出逢える場を作るのは、ちょっと関心があるんですよ』。

さらに北東北の職場事情です。
『息子も娘も東京の学校へ出したら、もう帰って来ませんよ。まぁ、帰って来たところで仕事も少ないですしねぇ』。
先ごろの新聞に、都道府県別の平均給与が掲載されていました。青森県と秋田県は僅かの差で、共に下から数えて何番目といった感じです。首都圏でも仕事に就けない人が溢れているのに、われわれ北東北は推して知るべしでしょう。

私が、『東京でいっぱい稼いで、定年を迎えたら弘前に戻って東京のお金を使ってもらうっていうのはどうです?』と言うと、『はははっ、さぁて嫁さんが付いて来るかどうかでしょ』。
ふたり大笑いしながらおしゃべりしていましたが、実際深刻な問題と思いますよ。わが家の娘たちはひとまず地元での進学を目指してますが、その後仕事に就けるかは別問題ですからね。

お帰り際、『いや~、長居してしまいましたね。私も縁は大事にするほうですから、次はカミさんも連れて来ますよっ』。
真冬の縁は、深刻な話題と裏腹に楽しいひとときでした。

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青年と少年。

2010年01月18日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
淡いブルー基調の花柄プリントをベースに、合わせは金です。
今日も思ったより寒かった角館、花柄の草履で少しは暖かく感じるでしょうか。金を合わせたことで年代も落ち着きますね。可愛いおばあちゃんにいかがでしょう。

先ごろのテレビで、各地の成人式が報道されていました。これを「風物詩」と呼んでイイのか分かりませんが、またどこぞの会場では若者たちが荒れていました。秋田県でこういう無礼は無縁と思っていたら、秋田市の会場でも目立ちたがり屋がステージに上がったそうです。ちょうどステージ上には、小学生が祝福のため並んでいました。

秋田市教育委員会は暴力的行為が伴わなかったという理由で、この件を穏便に処理するつもりだったようです。これに異議を唱えた県民や市議会議員がいて、秋田市長も再考の余地有りを表明しました。
被害届そのものがどうこうより、まずステージ上にいた小学生ひとりひとりに謝って欲しいですね。「若気の至り」とは思いながら、礼を失した言動はまず謝罪でしょう。

昨晩も大河ドラマを観ました。日本の歴史の中でも幕末期が好きで、当時に名を遺した人の名前くらいはずいぶん知っているつもりです。「岡田以蔵」を演じている若者がわが家の娘たちに人気で、訊かれたのが『岡田以蔵って最期どうなる?』。
「人斬り以蔵」の異名を持つほど人を殺した人物というのは知っていましたが、最期どうなるかまでは知りませんでした。こういうことが知識を増やすきっかけになりますね。

岡田以蔵ばかりでなく、この機会に龍馬や関連する人物を少し調べてみようと思っています。今はケータイでもかなりのことが分かりますから、寸暇もムダになりません。
昨晩のあらすじは、龍馬が江戸へ剣術修行に出発するところです。まずここで気になったのが、このときの龍馬の年齢でした。この程度ならすぐに調べられます。龍馬がはじめて江戸へ発ったのは17歳なんですね。まさにわが家の長女と次女の年齢ですよ。

17歳の“青年”が夢を追って江戸へ発つのが1853年、それから157年が経った今、20歳の“少年”が晴れのステージで暴れています。平和を喜ぶべきとは思うのですが…。

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