

今日の草履は、横浜市青葉区のおばさまのオーダー草履です。茨城県にお住いのご友人へ贈るプレゼントで、ご希望配色は「紫がとっても好きな人なのよ!」。そして出来上がったのがこちらになります。届いたばかりの新柄から、「招き猫」と「富士山」のプリントを使ってみました。縁起物としてこれ以上はないでしょう。すでに到着しているはずですから、早速履いてほしいですね。平生地はこちらです。

東京都江戸川区からお越しのおばさまひとり旅。一度お見えの際に試し履きをしていただき、履き心地や健康効果をご理解くださいました。そのときはオーダーまでの結論に至らず、ネット通販が出来ることをご確認してお帰りでした。それから30分ほども経ったでしょうか、『やっぱり注文して帰ります~』。実演席でよくある「おかえりなさい」ですね。
ご自分用をオーダーされたおばさまは、続けてご主人用もご注文です。ただサイズにちょっと悩みました。靴のサイズは26cmで、種類によってもそれを超えるサイズは履かないとのこと。では25cm草履がベストサイズとアドバイスしたところ、かつてセッタ草履をお求めの際に小さすぎて踵が痛い思いをしたんだそうです。『ウチの主人ってうるさい人だから、やっぱり26cmで作ってもらうわっ』。
ご主人を例えるおばさまの口調がとても可笑しくて、『そんなにうるさいんですか?』と訊いてみると、『そっ、なんでもかんでも細かいことにうるさいのよ~』。
今度はご夫婦でお訪ねくださるよう話すと、『ウチのお義母さん認知症でね、二人で留守はできないのよ。今回は気分転換に主人が行ってこいって言うもんだから、あたしひとりで旅行してるの』。
『うるさいって言ったって、結局優しい人なんじゃないですか!?』と言うと、それまでより一層の笑顔になって『そう? 知らないわよ』。
「うるさい」は即ち関心高く接している証しです。なんだかんだ言っても「善きご夫婦」なんだと、ご自身が一番分かっているんですよね。