高千穂峡の秋 今見頃の紅葉だそうです
常緑樹の緑が多くて 私には「静かな秋」と感じました
11月26日(水)
ランチは駅弁を買うことに決めていたので、駅に着くと目星をつけていたお店に直行しました。「えびめし弁当」が人気と言うのでソレと「助六」を買いました。
高千穂に行くには鹿児島中央から宮崎まで「きりしま」で2時間、そこからは「にちりん」で延岡まで1時間、延岡からバスで1時間半やっと高千穂です。
宮崎で同じホームで「にちりん」に乗り変えました。所がです、私達の席には先客がいます。チケットを付き合わせますと、全く同じです「ダブルブッキング」という事です。私達が話していますと離れた席から若い男性が覗き込みに来ました。「???」と思っていましたが、ダブルブッキングの男性の秘書さんのようでした。席はがらがらでしたので、先客に敬意を表し、一つ後の席に座りました。
延岡に着きました。せっかちの主人はさっさと降ります。私が下車すると「帽子、帽子忘れた!」と叫びます。私は慌てて人波に逆らって車内へ…、ダブルブッキングの紳士が「やっぱりお忘れ物でしたね」と声をかけてくる「はい」と帽子を掴んで飛び降りた。すると主人が又叫ぶ「弁当も忘れた!」そのとき気づいた紳士の言った言葉は「弁当」を指していたのだと…。
元の座席を見たけれど「無い!」その時さっきの車内放送を思い出した。「次の××停車駅は1時間後です…」えらいこっちゃ、探している内に発車したら、往復2時間以上かかってしまう、弁当は諦めよう!と「弁当無かった!」と引き返したら、主人が窓を指差して「アソコに在るやん」指差すほうを窓越しに見ると、確かに弁当がぽつんと座っている、三度も私は車内に飛び込んで、弁当を引っつかんで駆け戻った。
車掌さんはと見ると、じ~っと私を見て、「にちりん」は動き始めた。主人曰く「車掌さんも『如何したんですか?』と近寄って聞けばいいのに、木偶の坊みたいに突っ立って」「お父さんのほうが『忘れ物を取に行っていますので…』と言いに行くべきやろ! 発車してしまわないかと生きた心地しなかったで!」「わしも頭真っ白でうろがきててん」ローカル線で6両編成だったから、待っていてくれたけれど、都会の駅やったら窓越しの涙の別れやったで!!
そもそも誰が悪い? 荷物をばらばらに、ひとまとめにしない人が悪いんちゃう?
プラットと車中と3回も往復させられて私の心臓パクパクやったわ。そやのに言うに事欠いて「わしが窓を指差して、車掌にアピールしていたから、発車しなかったんやで~」だって。よ~言うよ! 誰が忘れ物したん? そや、お礼の言葉無かったな~。
バスまでに時間があったので、待合室でお弁当を食べました。バスは一路、高千穂を目指します。ポツンぽつんと家がある山道を、どんどん入っていきます。川の水はとても奇麗です。あゆの自然繁殖地だと言うのも肯けます。
魚の団体が幾つも幾つも泳いでいくのが見えました。高見からですので解らないのですが、アレだけ水上に頭を出して泳ぐ魚は何でしょう? 夕飯の時出た「岩魚」を見て「これかな?」と思ったのですが。
高千穂は鄙びた小さな村だと想像していました。違いました。トンネルを抜けて現れたのは一寸した「町」でした。タクシーの運転手さんに言いますと「皆さんそういわれます。来る道が山道ですから、こんな町があるとは思われないようです」「ここは高千穂市ですか?」「いいえ、臼杵郡高千穂町です。一時はもう少しで市になれると思ったんです。人口2万人で市になれるのです。でも働き場所が無いので若者が出て行くので、今は1万4千人くらいだと思います」
バス亭に荷物を預けて、バスで「高千穂峡」へ…。
眞名井の滝
高千穂峡は道路から随分と階段で降りた所にあった。そこから崖のず~っと下に水面がある。水深はまだ深いらしく、水は碧色でした。所々にある紅葉を愛でながら進むと、映像や写真で憧れていた「眞名井の滝」が現れた。「あれ?」私の想像していた滝より景色より随分小振りだった。丁度「箱庭」を見ているような感じだった。その滝は華やかさよりも静けさを私は感じた。ボートから仰ぎ見れば又違っていたかも知れない。ボートに乗る予定だったが時間がないので諦めた。
もと来た道を引き返して、反対の視点からもう一度高千穂峡を見たい気持ちもあったが、この旅の主人公がその気がなさそうなので、後ろ髪を引かれる気持ちで、車中の人になり、ロッカーから荷物を取り、宿に急ぐつもりだったが……