晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ディーン・クーンツ 『ライトニング』

2009-10-11 | 海外作家 カ
文春文庫のディーン・クーンツシリーズでは最初のタイトル
となるこの作品、『ライトニング』とは閃光のことで、ある女性
の身の回りに危険な出来事が起こると閃光がひらめいて、
命を救ってもらう、といった話なのですが、物語序盤あたりで
想像する話の流れは、読み進むにつれて、気持ちいいくらい
に裏切られる大どんでん返し。

売れっ子作家ローラは、誕生の瞬間から、父親の死ぬ時、さ
らにその後孤児院で生活するその時々、守護天使と名乗る男
に危険から身を守ってもらいます。その男が現れるのは、きま
ってあたりに閃光がひらめき突然登場し、そして突然去ってゆ
くのです。
孤児院を出てからローラは大学に入り、幼いころから興味が
あった文学の才能により磨きがかかり、のちに結婚することに
なる男との出会いをきっかけに、作家デビューを果たします。

やがて子どもが生まれ、ローラ家族はカリフォルニアから田舎
の山奥に引っ越します。しかし、そこで突然殺し屋が家に来て
夫は殺されてしまうのです。そしてそこには閃光が・・・

はたして、子どものころに見た守護天使とは何者なのか、閃光
の意味とは、生き残ったローラと子どもは無事殺し屋の手から
逃げおおせることができるのか・・・

ローラの孤児院時代の仲良しで、のちに有名コメディエンヌと
なるセルマが物語の要所に登場し、ときに清涼剤的ユーモア
をふりまき、ときに話をきりっと引き締めます。

物語の後半、ある歴史上の大人物とローラの守護天使が対峙
し、さらにもうひとりの歴史上の有名政治家と話し合うシーンが
あるのですが、ここがたまらなく面白い。
クーンツ作品はどちらかというとスリラー、サスペンス要素が強
く、ときにB級ホラー的なテイストも匂わせるのですが、こういう
展開もあるんだなあと、クーンツの間口の広さに驚かされました。
コメント
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