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非国民通信

ノーモア・コイズミ

今年も人事は平常運転

2021-03-28 21:55:05 | 雇用・経済

 さて皆様のお勤め先でも、4月からの人事が発令されたところは多いのではと思います。私の勤務先でも一部を除いて公表されているわけですが――例年通りシャッフル人事が目につくところだったりします。まぁ、とにもかくにも「変える」ということが評価に結びつく組織では、シャッフル人事も改革意欲の表れと見られるのでしょう。

 新型コロナウィルス感染者の再拡大が明白となる中、帰省や観光を控えるようにとの意見も聞こえる中ではありますが、「転勤を控えるように」みたいな声明は昨年と同様に耳にする機会がないわけです。転勤命令は神聖にして侵すべからざる雇用主の権利であり、それは帰省や観光とは次元の違うものとして扱われていることがわかります。

 弊社でも4月からは東北の人間を東京に、東京の人間を大阪に、全国各地で従業員を大移動させることが決まっています。転勤を命じられた社員は新居探しや業務の引き継ぎのために県をまたいで飛び回る日々を過ごしているわけですが、どうしたものでしょうね。頓挫したGoToトラベルの埋め合わせというものでもありませんし……

 私の会社は基本給は低いですが転勤者への手当は割と手厚いところがありまして、それは人員増以上にコストのかかりかねない部分であったりもしますが、社員を転居させることにはそれだけの価値があると判断されているようです。まぁ本当の幹部社員ともなれば各地で見聞を広める必然性もありそうですけれど、そうでない人はどうなのでしょう。

 一方で、転勤はおろか同じ部署から永遠に異動しないでいる人もいたりしまして、相変わらず人事の意図はわかりません。2年と待たずに勤務地の変わり続けるジャーニーマンもいれば、私が入社するよりずっと昔から同じポジションで働き続けている人もいて、謎は深まるばかりです。

 全国を飛び回りたいか、それとも同じ部署で働き続けたいか――そういう意向を問われたことは入社して一度もありませんので、たぶん本人の望みによるところとは関係がないものと思われます。本人の選択とは無関係に、高頻度で飛ばされる人もいれば一貫して不動の地位にいる人もいる、人事とは人知を超えたものなのでしょう。

 全国各地に飛ばされる人々が幹部候補のゼネラリストかといえば、そういう風でもありません。そして決して異動の対象にならない人が特定部署になくてはならないスペシャリストかといえば、やはりそうでもなかったりします。ずっと同じ仕事を続けているけれど、必ずしも頼れる存在ではない、ところがどうして会社の評価は低くなかったり……

 ヨソから異動してきた上司は落下傘候補よろしく部署の仕事を知らない、一方で異動とは無縁な人はローカルルールだけは知っている。そうした中で異動とは無縁な人が「リーダーシップを発揮している」かのごとく人事の目には映る場面があるのでしょうか。人事と無関係な人には、別なものが見えている気もしますけれど。

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ニッポンの技術力

2021-02-28 22:04:58 | 雇用・経済

 電化製品や半導体を始め世界市場における日本製品の優位は90年代には崩れ出し、今に至るも巻き返しの機運が皆無であることは周知のことかと思います。問題は、そうした状況に日本の経済界がどう対応してきたか、ということですね。正しく対処できていたのであれば状況は変わった、間違った対応を続けていれば事態は悪化する一方となりますが、まぁ結果は既に明らかなことでしょう。

 T型フォードは1,500万台以上が販売され、自動車を金持ちの道楽から市民の交通手段へと変化させました。もちろん自動車そのものはT型フォードが市場に出る以前から普通に販売されていましたが、売れ行きは全くの別次元だったわけです。発売当時における競合他社の製品を性能で上回るところもあったかも知れません。しかし明白な強みは、他社の同クラスの自動車よりも安価であったことです。

 日本製品も、中国や韓国の(日本製より)安価な製品に市場を奪われ続けてきました。「安い」という点はどの時代でも消費者にとって重要です。ではどうして競合国の製品は自国の製品より安いのか――その原因を正しく認識できないと、必然的に対応策もまた正しくないものを選択してしまうと言えます。

 T型フォードが安価であったのは、少なくとも「人件費が低いから」ではありませんでした。それどころかフォード社は人手を確保するために賃金水準を倍増させ、退屈な流れ作業でも従業員の離職を防ぐべく世に先駆けて8時間労働や週休2日制の導入を進めていたわけです。当然ながら、フォードは他社よりも人件費が高くなります。しかし発売される製品の価格は下がり続け……

 伝統的に日本では、日本製品が中国製品よりも割高な理由として「人件費が高いから」と説明されています。この信念に基づき日本企業は四半世紀にわたって人件費の抑制に挙国一致で取り組み、主要国中では最も賃金上昇率の小さい国であり続けてきました。その結果として日本の人件費は先進国レベルから中堅国水準へと推移したわけですが――日本製品が市場でシェアを取り戻すには至っていません。

 人件費が高いはずのフォード社が自社製品を安価で販売できたのは、「コストを下げる技術」を産み出したからです。技術があるからこそ、より良い製品をより低コストで製造できたのです。一方で技術のない会社あるいは国は、コストを下げるためには人件費を下げる以外の選択肢を持つことが出来ません。製品を安くできないのは、人件費もさることながら技術がないからだ、と言えます。

 サムスンなりファーウェイなり、技術力で日本企業を上回る会社は実のところ日本企業のそれを上回る給与水準で人を募っているわけです。人件費は、日本企業よりも中国や韓国の企業の方が高い、そう言える状況は着々と進み続けています。しかし日本企業より給与水準が高い中韓メーカーの製品は日本の同等製品よりも安価で市場に供給されており、人件費の高さは製品の価格に必ずしも比例していません。

 我が日本の技術は世界一ィィィィーーーーッ!!!! ……という信念は日本国内で幅広く共有されていますが、一方で人件費が安いにも関わらず中韓よりも割高な製品しか作れないという状況もまた続いています。まぁ日本の人件費が高いという信念もまた技術力に関する自惚れと同様に根付いていると言えるかも知れませんが、現実に向き合えない者が状況を改善することはないでしょう。

 技術力は日本が最高であるという幻想にしがみつき、製造コストが高い理由の全てを人件費に求め、賃金水準の抑制に全力を注いできた結果が今に至るわけですけれど、それに政財界が満足しているのかどうかは興味深いところです。国際市場における日本メーカーの存在感は薄れゆく一方ですが、まぁ労働者が弱い社会、雇用主優位の力関係を築いたことに精神的な喜びを見出している人もいるのかも知れません。

 例外的に「ニッチな」領域で日本企業が高いシェアを残しているものは存在しますし、それをことさらに強調したがる人もいます。ただ、こうした分野が莫大な収益をもたらし日本経済を牽引しているかと言えば、残念ながら微塵も気配がないわけです。儲かる分野ではシェアを取れず、儲からない分野での高いシェアを誇っているとしたら、それもまた悲しい話ではないでしょうか。

 以前に働いていた職場で、ある町工場が製造している部品の不足から全体の工期が遅れるなんてことがありました。ただ、全体の工期を左右しているはずの町工場の部品は、至って安価なものでもありました。ヨソの工場からは調達できない部材でもあるからには市場での優位性を発揮して価格も上昇しそうなものですが、そうはならなかったわけです。

 問題の町工場でしか作れない部品だったのならば、販売価格の上昇もあり得たかも知れません。しかし「儲からないから作る人が少ない」だけの部品であったならば話は別です。安値で買い叩かれる部品なんて大手はどこも作りたがらない、その分だけ小さな町工場でも高い市場シェアを有することが出来ていたと言えますが――シェアが高いのに全く儲からない状態もまた続いていたのです。

 日本企業が世界トップクラスのシェアを占めている領域は、探せば幾つか見つかることでしょう。しかし、それに胸を張れるのかどうかは別問題です。収益性が高く他の国が羨む領域でならば、それは自慢できるものです。しかし収益性に乏しく「日本ぐらいしかやろうとしない」領域であれば、徒にシェアを誇るのは失笑を誘う行為でしかないと言えます。

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偉い人がボトムアップと勘違いしているケース

2021-01-24 21:40:36 | 雇用・経済

 会社で、自分の意見が反映されないと感じたことのある人は多いと思います。その一方で会社の偉い人は、社員に広く意見を求めているつもりになっていることもまた多いのではないでしょうか。実際のところ「意見を出せ」と言われること自体は、末端のヒラ社員でも実は多かったりするのかも知れません。よくよく考えると、私の勤め先もそんなものであるような気がしました。

 ではどうして「意見が反映されない」と感じるのか、それは意見を求められる大元の問いがナンセンスなものであるからだと言えます。つまり「どうでもいい」事柄への意見を出すことを強いられるばかりで、当事者が本当に意見を持っている部分に関しては問われることがない、そのために上記のような乖離が生まれている、と。

 実際のところ大方針は偉い人の間だけで決定され、そこに現場を担う社員の声が反映されることはありません。一方でこの大方針をいかに達成するかという実運用の部分においては現場に丸投げされがちです。「上」の人間は現場に丸投げすることによって、その先で幅広く意見を求めているつもりになっていると言えますが、当然ながら当事者達の受け止め方は異なります。

 「できない理由を言うな」「(偉い人が決めた大方針を)いかに達成するか考えるのがお前らの仕事だ」――そんな風に言われるのは至って日常的なことですけれど、実は「できない」という現場の判断こそが真実だったりすることは珍しくありません。実態を知る人間ほど偉い人の判断に疑問を抱かざるを得ない、しかし「できない」という真実の言葉が受け入れられることはないわけです。

 組織の偉い人が、とんでもなく愚かな判断を下したとします。例えば「アメリカと開戦する」と上の人が決めたとして、そこで現場を担う人々に求められる意見とは何でしょうか? そんな愚かなことはやめておくべきだ、勝算などあるはずがない、意見は諸々あるはずです。しかし「できない理由を言うな」「いかにアメリカを倒すか考えろ」と言われたらどうでしょうか?

 このような場合、「上」の人間は「下」の人間にも意見を求めたつもりになっていると考えられます。アメリカに戦争で勝つ方法を現場から汲み上げていこうと、自分たちはボトムアップ式に組織を運営しているとすら勘違いしているのかも知れません。しかし大元である「アメリカと開戦する」という部分については、いかなる意見も許さない――そんな組織も多いように思います。

 アメリカと戦って勝つ方法については何も思いつかないし意見も何もないけれど、そもそもアメリカ相手に開戦するのが愚策では?という意見を現場が持っていたとしましょう。しかし「上」の人間が聞く耳を持つのは前者に限ってのことであり、後者を寄せ付けることは許さないとしたら、当然ながら「下」は自身の意見が反映されない純然たるトップダウン式と感じるわけです。

 かくして偉い人が社員に広く意見を求め現場の声に耳を傾けているつもりであっても、実際は許される意見が極度に限定されており、社員が本当に言いたいことに対して会社は聞く耳を持っていない……というのがよくあるパターンではないでしょうか。まぁ現場の声を真面目に聞こうとしたら、偉い人の面子が潰されるばかりですから仕方がありませんね。

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アンシャン・レジーム

2020-12-27 22:29:49 | 雇用・経済

22年卒学生に聞いた「就職人気企業ランキング」 コロナ禍で明暗、トップは3年連続で……(ITmediaビジネス)

 就職情報サービスを手掛ける学情が12月21日、2022年に大学・大学院を卒業予定の学生を対象とした「就職人気企業ランキング」を発表した。トップは3年連続で伊藤忠商事だったが、上位の顔ぶれはコロナ禍の影響で変動。巣ごもり需要を取り込む食品メーカーなどの人気が高まった一方、航空・旅行業界は順位を下げた。

 

 新卒者の就職先人気№1は3年連続で伊藤忠商事なのだそうです。今年は新型コロナウィルスの影響で世の中が大きく動いた1年でしたけれど、伊藤忠商事の就職先としての人気には影響がなかったことが分かります。では伊藤忠商事がコロナとは無関係であったかと言えば、例えば社長の以下のような発言がありました。曰く「テレワークをするための体制や機器が整っているからといって、自分たちだけ在宅勤務をしていいのだろうか」と。

 実際に伊藤忠商事はリモート勤務から出社勤務を「通常」とする方向へ戻そうとする復古派の雄と言えますけれど、学生から見てそれは良いことなのでしょうか。コロナを契機に新しく効率的な働き方を目指す企業もあれば「今まで通り」の働き方に戻すことを願う企業もある、伊藤忠商事は社長の発言を聞く限り典型的な後者に含まれますが、それで就職先人気№1を維持したということは概ね学生からは復古の方針が受け入れられているのかも知れません。

 

有働由美子アナ 若手時代に作った汁物に恥ずかしい名称「言葉の意味を知らないというのは怖い」(スポニチ)

 「初任給が17万5000円くらいだった」というNHK入局当時は、飲み会の参加費用を捻出するために食費を削る日々。近所で売っていた野菜の切れ端を50円ほどで買い、角切りにして汁物を作っていた。「その汁のことを『我慢汁』と呼んでいて。飲み会に行くために我慢していたので。月末になると朝昼晩、我慢汁にしようと」。友達からの飲み会の誘いには、「大丈夫、大丈夫、我慢汁でしのぐから」と平気で使っていたそうで、「言葉の意味を知らないというのは怖いことだな」と振り返った。

 

 この恥ずかしい名称云々はどうでも良いのですが、NHKという超一流企業の正社員にして「飲み会の参加費用を捻出するために食費を削る日々」というのは注目されるべきと思っています。私の勤務先もそうですけれど、やはり偉くなる人は飲み会を大切にするもの、飲み会への参加を最も大切な仕事として捉えているものではないでしょうか。不要不急どころか、何を差し置いても参加すべきものとして飲み会を位置づけている企業は今でも少なくないはずです。

 ただ忘年会への参加が事実上の義務化していた前年度までと異なり、今年は感染拡大対策として自粛の機運も一定の高まりを見せ、忘年会へ参加せず済ませることが可能になった職場も増えたものと推測されます。この辺は新型コロナウィルスの感染が拡大して「良かった」ことの一つに挙げられますが、一方では悪あがきしている人もいる、飲み会が減る中でもなんとかして忘年会を開催しようと奮闘している人もいたりするので何とも言えません。

 この時代にテレワークが可能であるにも関わらず敢えて従業員を出社させようとする経営者や、あれやこれやと口実を積み重ねて飲み会の開催に固執する人々は公衆衛生に対する脅威でしかありません。しかしながら我々の社会に感染症のリスクを広めるこうした人々は、コロナ以前から幅を利かせてきた人でもあります。いわばアンシャン・レジームの担い手と言ったところですね。

・・・・・

 例年、冬は風邪をうつされやすい時期でした。今年はゲヘゲヘ言ってる人と机を並べずに済むので、少し安心していたりします。唾を飛ばしながらしゃべる人やタバコの匂いを吐きかけてくる人と自然に距離を取れるようになったので、この辺もありがたいなと感じているのですが――ここに来て新型コロナウィルスの感染者増が続いていることには、流石に不安を覚えないでもありません。

 コロナ以外の感染症でも死んでいく人は多い、むしろコロナ対策の副産物としてインフルエンザ感染は0に近い状況が続いているわけで、コロナで一定の死者が出てもコロナ「以外」の感染症による死者が減った分と釣り合いが取れるなら、まぁ我が国の感染症対策は及第点だろうとこれまでは考えていました。しかし今のペースですと、コロナ「以外」の感染症の減少をコロナによる犠牲者が上回ること必至で、そうなると私も危機感を抱かざるを得ません。

 感染症対策で人の動きが減ったらインドではヒマラヤ山脈が空に浮かぶようになり、ヴェネツィアでは運河の水が透明になったそうです。ただ世の中の勢力図を塗り替えるほどの死者が出ているわけでもありません。2016年のアメリカ大統領選でトランプ氏は45.93%の得票を得ました(ヒラリー・クリントン候補は48.02%)。そして2020年の大統領選でトランプ候補は46.86%の得票を得ました(バイデン次期大統領は51.31%)。

 2016年は得票率で負けても勝者総取りの選挙制度の恩恵を受けて大統領に就任したトランプ氏ですが、2020年でも概ね同じような得票率を記録したことが分かります。自身に止まらず取り巻きも次から次へと新型コロナウィルスに感染するなど、トランプの賛同者は軒並み公衆衛生のガイドラインを守らないことでも知られるところです。ただ、その結果としてトランプ支持層がコロナでバタバタと死んでいったかと言えば、得票率に反映されるほどの規模には至っていません。

 日本でも然り、必要もないのに会社に出たがる人、夜の街に繰り出すことを好む人々、不必要に感染拡大のリスクを冒す人は絶えないですけれど、そうした人々がコロナで次々と淘汰されて世の中が変わっていくかと言えば、そこまでの状況にはないわけです。ウィルスとの戦いは当初予想されていたよりも長くなりそうですが、いずれは終わりを迎えることでしょう。そうなった時に「コロナ前」の因習がどれだけ復活してしまうのか、世の中が前に進むかどうかの分かれ道になると思います。

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人事の意図

2020-10-04 22:29:49 | 雇用・経済

 傍目には愚かな決定として知られるものが歴史上にはいくらでもあるわけですが、それは必ずしも間違った判断によるものではなく、何かしらの理由があって行われたものだったりすることも少なくありません。国家を弱体化させた大粛正も統治体制を盤石なものにするという面では合理性があったり等々、成功か失敗かは目的次第で判断が分かれます。

 「景気が回復したら、改革する意欲がなくなってしまう」と、小泉純一郎は宣いました。この小泉時代に日本経済は息の根を止められ、世界的な成長から完全に取り残されるようになったわけですが、では小泉改革は愚かな失敗だったのでしょうか? 経済成長を目標とするなら、何ら擁護の余地はありません。しかし、今に至る低成長と格差の固定化を目標にしたのであれば、意図するところは達成されたと言えます。

 そこで私が思うのは、会社の人事のことです。とかく会社の人事は不適在不適所、不適切な人材を不適切なポジションに着け、組織に混乱と停滞をもたらしているわけですが、この目的は何処にあるのでしょう? 人材の有効活用や組織の活性化という面では、失敗に見えるのが普通かも知れません。しかし別の目的があるとしたら、それは合理的なのかも知れません。

 先日は私の勤務先で、経理業務に会社発足以来ずっと携わってきたベテランが辞めました。次の就職先はもう決まっていて、異業種ではあるけれども結局は経理として勤めるとのこと。会社が変わってもやることは変わらない不思議な転職ですが――どうやら秋の人事異動で別の部署への異動を打診されていたそうです。しかし経理として働き続けることを望んだ彼は、他部署への異動ではなく他社への転職を選びました。

 どうしてウチの会社の人事は、経理担当の生き字引であった彼を異動させようとしたのでしょうか。実務上の中心メンバーであった大ベテランを失い、半期の決算業務は大混乱の模様です。仮に辞職に至らなかったとしても経理で最も頼りになる人が担当を外れてしまえば業務が滞ることは必至でした。それでも会社は異動を選ぶ、何故でしょう?

 経理の専門家は組織にとっては有為の人材ですが、「キャリアデザイン」などと言い出す人がいれば「経理しか出来ない人」はダメな人と扱われてしまうのかも知れません。そんな「経理しか出来ない人」の「キャリアを広げるため」経理とは全く無関係の別の業務に従事させる、それが本人の成長のためであると、会社の人事は信じている可能性があります。

 「仕事の幅を広げるため」との旗印があれば、むしろ「不得意な業務」にこそ人を配属させるのが正義になると言えます。得意な仕事が出来るのは当たり前⇒得意な仕事だけでは成長しない⇒「本人の成長のために」未経験な仕事をやらせよう…… かくしてその人の得意な仕事は剥奪され、興味も経験もない未知の分野に配属される、そうしてパフォーマンスを落とす人や退職する人が続出するのが弊社です。

 時には技術開発一筋だった人が営業に配属され、地位確認を巡って裁判に発展する、なんてことがあります。本人から見れば遠回しに退職を勧めるハラスメントにしか見えないでしょうし、客観的にもそう受け止められるところですが、会社の人事にとっては違う可能性があります。人事は本気で「その人の成長のため」技術職から営業所に配置換えをしているのかも知れません。

 もちろん、得意な仕事を取り上げて不得意な仕事を押しつければ、パフォーマンスもモチベーションも低下します。でも、それを「乗り越えて成長する」のが人事の思い描いているプランなのではないでしょうか。だから人事は積極的に、その人の能力が活かせる部署ではなく、その人が最も腐ってしまうであろうポジションを宛がうわけです。人事は愚かである故に適材を適所に配置できないのではなく、もっと別の目的のために不適在不適所を続けているのだと思いますね。

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悪いことばかりでもない

2020-09-27 23:19:31 | 雇用・経済

終電前倒し、背景にある深夜作業「数日でやめる若者も」(朝日新聞)

 JR西日本が来年3月から、近畿の主要な路線で終電時間を大幅に早めることに決めた。背景には、深刻な保線作業現場の人手不足がある。「休日が少ない」などの理由で離職が後を絶たず、人が足りないと仕事はきつくなり、さらに人離れが進む――。そんな悪循環に、新型コロナウイルスが拍車をかける。(古田寛也)

 

 曰く、人手不足に~新型コロナウイルスが拍車をかけるとのことですが、どうなんでしょうか。普通に考えれば逆であるように思います。景気が悪化すれば求人は減って失業者が増える、低賃金重労働の仕事でも選ばざるを得ない人が増える、それが世の常です。不人気職種ほど、人の不幸で恩恵を受けるはずですが。

 第二次安倍内閣発の初期は景気と雇用が急回復して、いわゆるブラック企業ほど人手不足に悩まされたものです。ワンオペで深夜営業が当たり前だった店舗が24時間営業の中止に追い込まれる等々、普通に考えれば好景気によってこそ人手不足が起きるのですが、記事では真逆になっています。引用できませんが、有料会員限定の部分に何かオチがあるのでしょうか。

 

首都圏の在来線、終電30分繰り上げ JR東、来春から(朝日新聞)

 JR東によると、新型コロナウイルスの感染拡大後、特に深夜帯で利用者の減少幅が大きいといい、平日午前0時台の山手線では感染拡大前から6割以上減った。一方で、線路の保守・点検に充てられる終電から始発までの時間は首都圏の在来線で200~240分程度と限られる上、ホームドア設置などの工事が以前より増える傾向にある。

 

 なおJR東では終電時間を早めるのに別の理由を挙げています。こちらの方が、新型コロナウィルスの感染拡大とは繋がって聞こえますね。通勤のピーク時間帯に関しては「コロナ前」とほとんど変わらない混雑状況に逆戻りしてしまっている一方、深夜帯に関しては6割以上の減と今なお大きな変化が続いているそうです。

 結果として、保線作業については少しだけ時間に余裕が生まれるようです。僅かながらも労働環境の改善に繋がりますから、まぁ良いことではないでしょうか。後は深夜作業の負担に見合うだけの賃金水準を設定できれば、人手不足なんて瞬く間に解決します。好況時ならいざ知らず、今は職を失う人も多い時代なのですから。

 前にも少し書きましたが、コンビニの24時間営業や小売チェーン店の無休営業は昨今ようやく批判的に見られるようになってきました。従業員の負担を考慮し、24時間営業、無休営業を取りやめるところも増えつつあります。じゃぁ飲食店の深夜営業はどうなんだろうと私などは思うところ、労働者の待遇改善のために閉店時間の繰り上げがあっても良さそうです。

 飲食店の超長時間労働は以前より知られるところでしたが、新型コロナウィルス感染拡大で期せずして閉店時間が前倒しされたことで、その労働環境はどうなったのでしょうか。どうにも店舗経営の苦境ばかりが伝えられますけれど、JR西の保線作業員も飲食店の従業員も、コロナ以前から同様の問題を抱えていたように思います。

 今年のインフルエンザ感染者数は、昨年の同時期に比べて激減しているそうです。病院に行きづらくなった人も多少はいることでしょうけれど、コロナウィルスへの感染拡大対策のために不衛生な習慣が減った、少しだけ他人との距離に気を遣われるようになった結果として、インフルエンザの感染も大幅に抑制されていることが伺われます。

 特定の業界にしわ寄せが行ってしまう辺りは不幸なことなのですが、その反面では良くなっていることも多いと感じています。これまで大半の企業ではテレワークなど制度上だけの存在、架空の概念ではなかったでしょうか。それが突如として現実に利用できる制度となったのは、新型コロナウィルスの感染拡大があって初めてのことであるはずです。

 コロナがなければ日本にテレワークなんて何年経っても実現されなかったことでしょう。コロナがなければ、深夜営業も深夜の突貫工事もそのままです。コロナがなければ、野放図にインフルエンザウィルスもまき散らされていたことでしょう。新型コロナウィルスの感染拡大は、改革派の政治家なんかよりはずっと良い仕事をしているように見えます。

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無駄が減った結果

2020-09-06 22:27:13 | 雇用・経済

 4~6月期の実質GDPは年率で27.8%減と戦後最大の減少率なのだそうです。消費税増税の負の影響が露わになるはずが、新型コロナウィルスの感染拡大に覆い隠されてしまった格好でしょうか。通勤時間帯の乗客数や地元の通行人数を見るにコロナウィルスの影響は消え去って久しいように見えないでもありませんけれど、それでも影響を大きく受けている業界はあるわけです。

 幸いにして私の勤める業界は新型コロナウィルスの影響を受けることなく、会社の業績も好調です。しかもこれまでは幹部社員が毎月お供を引き連れて全国の営業所を行脚、北の将軍様よろしく各地の社員を「指導」するという壮大な無駄遣いを繰り返していたのですが、出張自粛のためにこれが無期限延期となり、経費が劇的に削減され望外の利益が上積みされていたりします。

 高給取りの役員層はいざ知らず、それに随行する末端のヒラ社員ともなれば、交通費と宿泊費の合計が給与を上回ることも珍しくありませんでした。これだけの費用を投じて行われてきた幹部社員による「指導」がなくなったにも関わらず、会社の売上が落ちる気配は皆無というのですから、色々と考えを改めるべきものがあるように思うところ、ただ幹部社員の目下の悩みは、増えすぎた利益をどう親会社に説明するか、ということのようです。

 営業活動もまた、とりあえず客先に訪問――というスタイルは難しくなりつつあります。社員の健康への配慮もさることながら世間体もあって自社から感染者を出したくないという経営陣の思惑もあれば、自身の感染リスクを恐れる社員もいますし、客先もまた接触機会を減らしたいと考えていたりするわけです。では営業面で厳しくなるかと言えば、少なくとも売上面でマイナスの影響は出ていません。

 強引な営業をかけにくくなったところは、確かにあることでしょう。ガンガン客先に訪問して売上を伸ばすようなスタイルは厳しくなっているはずです。ただ、それは私の勤務先も競合他社も変わりません。ライバル会社の営業攻勢によって自社の顧客が奪われることが減る中では、以前ほど必死になって営業をかけずとも契約は取れるようです。客先への訪問件数は減っても売上は減らない、減ったのは他社との不毛な消耗戦だけでした。

 ただ新型コロナウィルスのおかげで我が社の無駄の何割かが明るみ出た一方で、出張費の激減はそのまま、鉄道会社と航空会社、ホテル業界と居酒屋の収入減でもあります。私の勤務先の利益が増えた分だけ、売上を下げている業界もあるわけです。毎日全員がオフィスに出社する必要がないことも明らかになりましたが、事務所を縮小すれば今度は不動産業界が困窮することでしょう。

 そして会社のお偉いさんも、その「指導」の有無と営業実績には何ら関係がないことを証明されてしまいました。末端の営業社員も他社の営業攻勢が弱まった今となっては、「そこまでの人員が必要なのか」という疑問が出てきてもおかしくありません。出張や宴会の手配、経費の精算に追われてきた事務員も幾分か手が空くようになりました。では必要なくなった人員を削減すれば――雇用情勢が悪化すなわち日本全体の景気が悪化します。

 必要性の有無にかかわらず、金が動けばGDPは増える、経済とはそういうものです。無駄もまた経済を支える要素の一つと言えますが、昨今の新型コロナウィルス感染が拡大する状況下では無駄な部分の何割かは「不要不急」として切り捨てられてしまいます。そしてこれまで無駄によって支えられてきた社会ほど、GDPに負の影響が大きく現れるのではないでしょうかね。

・・・・・

 ちなみにコンビニの24時間営業については批判的な声も少なからず聞かれるようになった昨今ですが、飲食業界の深夜営業に関してはどうなのでしょう。例によってコロナウィルスの関係で深夜営業の自粛が求められ、それを嘆く飲食業界の声はメディアを通して頻繁に伝えられるところです。はたして深夜の営業は望まれているのかどうか、コンビニと飲食店では何処まで事情が異なるのか、少しばかり気になります。

 飲食店勤務と言えば長時間労働の代表格で、過労死ラインは当たり前のブラック企業が犇めく世界です。コロナウィルスよりも先に過労死から身を守るために営業時間の短縮が望まれても良さそうに思いますけれど、いかがなものでしょうか。とかく「自粛」の悪い面がばかりが伝えられがちですが、変革を迫る黒船としての側面も大きいように私は感じています。

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会社命令で県をまたいで移動する人にも注目して欲しい

2020-08-09 22:18:47 | 雇用・経済

 通勤客は通す、転勤者も通す、帰省客は通さない……と、5月の連休前に私は書きました。3ヶ月後の今はどうでしょう。政府は帰省を制限するものではないと繰り返す一方、各自治体の首長は移動を控えるべきと主張するなど、足並みの乱れが目立ちます。そもそも自治体側の移動自粛要請にしたところで、「連休直前に言われても今さらキャンセルできない」と反応する人も多いですよね。

 日本は幸運にもSARSウィルス、MERSウィルス、そして新型インフルエンザの影響をほとんど受けてこなかったせいか、こうした新興感染症への備えが出来ていなかったように思います。その結果として「(SARSやMERSの時のように)日本は大丈夫だろう」との楽観的観測で時間を費やし、新型コロナウィルスの感染拡大への有効な手立てが遅れたところもあるのではないでしょうか。

 他の会社も似たようなものではないかと思いますが、私の勤務先では4月に大量の転勤者を出しました。東京から大阪へ、大阪から東北へ、北海道から東京へ、日本全国で大きく社員を動かしたわけです。その中に無症状のコロナウィルス感染者がいたかどうか定かではありませんが、「県をまたいだ移動」を増やす事で従業員と地域住民の双方に少なからぬ健康リスクを負わせた可能性は高いです。

 2月の時点では、「4月にはもう収まっているだろう」との楽観的観測が一般的だったと記憶しています。だから会社の人事関係者も、「大規模な配置転換で改革姿勢をアピールだ」と意気込んで全国社員の転勤を次から次へと決めていったのでしょう。ところが新型コロナウィルスの感染拡大は止まるどころか増加のペースが上がるばかり、しかし会社にとって転勤は絶対のもの、緊急事態宣言を数日後に控えたままシャッフル人事は強行されました。

 そして4月7日には主要都市を対象に緊急事態宣言が発令、政府の動向に敏感な我が社は急遽テレワークへの移行が行われたのですが――転勤して1週間を待たずにテレワークという状況に、「何のために転勤してきたのか」と疑問を感じる人も多少はいたものと思います。ついでに「転居先でインターネット回線が用意できないのでテレワーク対応できません」という人も結構いました。

 10月から、また社員を大きく動かそうとしている会社も少なくないのではないでしょうか。十中八九、2ヶ月後に新型コロナウィルスの感染拡大が収まっているとは考えられません。県をまたいだ移動がリスクを伴う状況はしばらく続くことでしょう。しかし人事の考えは人知の及ぶところではありません。再度の緊急事態宣言発令が考慮される中でも、東京から地方へ、地方から東京へと移住を余儀なくされる人は出てくるものと予想されます。

 転勤は社員を支配するための伝家の宝刀、断るものは首を斬ることすら許される代物です。転勤のために新居を離れる人もいれば、家族と離れて暮らす人もいる、配偶者の転勤のために仕事を辞める人もいれば、親の転勤のために友人と別れる子供もいる、そして昨今であれば新型コロナウィルスへの感染リスクと、それを広めてしまう二重のリスクの増大も加わりますが、果たしてこのままで良いのでしょうか?

 パワハラやセクハラと同様に、転勤命令もまた従業員の生活を侵害するハラスメントとして再考されるべき時期が来ているように思います。新型コロナウィルスの感染拡大は、非合理な労働習慣を改めさせる転機でもありました。ならばこの機会に「正社員は転勤必須」とする風習にメスが入れられても良いのではないでしょうか。このまま企業任せにしている限り、どれほどコロナウィルスの感染拡大が続いても、定期的に転勤者は産み出され、県をまたいだ移動も繰り返されます。社会を感染症のリスクから守るとの大義名分がある今こそ、企業に介入するチャンスです。

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アメリカからの評価

2020-06-28 23:38:35 | 雇用・経済

人身売買報告で日本格下げ 米国、技能実習生など問題視(朝日新聞)

 米国務省は25日、世界の人身売買に関する年次報告書を発表した。日本については、外国人技能実習制度や児童買春の問題を取り上げ、「取り組みの真剣さや継続性が前年までと比べると不十分だ」として、前年までの4段階のうち最も良い評価から、上から2番目の評価に格下げした。

 今回不十分と判断したのは、人身売買の摘発件数が前年より減ったことなどを考慮したためという。報告書ではこれまでも日本の技能実習制度を問題視してきたが、今回は「外国人の強制労働が継続して報告されているにもかかわらず、当局は一件も特定しなかった」とし、「法外な手数料を徴収する外国の仲介業者を排除するための法的措置を、十分に実施していない」と改善を求めた。

 人身売買問題を担当するリッチモンド大使は記者会見で、「技能実習制度の中での強制労働は長年懸念されてきたことで、日本政府はこの問題にもっと取り組むことができるはずだ」と指摘した。(ワシントン=大島隆)

 

 日本が絶対の信用を寄せるアメリカから、このような報告書が出たそうです。時には国際機関に背を向けることもある日本国ですが、これまでずっと宗主国であるかのような扱いを続けて来たアメリカの見解に対して、日本政府はどう向き合うのでしょうか。

 格下げの根拠は「人身売買の摘発件数が前年より減ったことなど」と伝えられています。時期的にはコロナウィルス感染拡大が起こる前を調査していると思われますので、取り締まるべき事例が減っていたわけではなかったはずです。そうした中では、「取り組みの真剣さや継続性が前年までと比べると不十分」と評価されるのは当然かも知れません。

 もっとも前年までは「4段階のうち最も良い評価」だったようですから、随分と甘い評価である印象も受けます。やはりアメリカからの評価ですから、アメリカに付き従う姿勢を鮮明にしている日本へは緩い基準で評価し、アメリカの意向に沿わない中国やロシアには厳しめの基準で評価する等々、あまり客観的でないところはありそうです。

 一方でコロナウィルス感染拡大後は各国が国境を閉ざし、技能実習生の往来も途絶えました。安価な労働力に頼って利益を上げていた業界からの悲鳴も聞かれるところですが、「輸出元」の国ではどうなのでしょうね。とりあえず私としては、騙されて日本に来る(そして恨みを抱えて帰る)人が減って良かったと思っています。

 なお技能実習生の最大の供給元であるヴェトナムは新型コロナウィルスによる死者数「0」とされています。一応は感染症対策の優等生であり、日本より経済のリスタートも早い、日本とアジア諸国の経済格差は縮まり続けていますが、この傾向は加速することでしょう。ヴェトナム人にとって日本の賃金水準が魅力的でなくなる日は決して遠くありません。他のアジア諸国も同じで、いずれ「日本なんかに行っても稼げない」というのが世界の共通認識になる日が来ます。そうなれば――技能実習生に纏わる人身売買の問題は解決する、というのが私の見立てです。

 「技能実習」という言葉からは、児童買春を「パパ活」などと呼ぶのと同様のおぞましさを感じます。名称が実態を表すものになっていない、汚い部分、暗い部分を言い換えることで塗り隠している、まだしも「徴用工」と呼んだ方が内実に近いとすら言えないでしょうか。軍隊によって強制連行されたわけではないとしても、甘い言葉で日本に誘い、自由を奪っては低賃金で過酷な労働に従事させるのなら、何かしら「罪」を連想させる言葉の方が適切です。

 なお「法外な手数料を徴収する外国の仲介業者」も、呼び方を変えた方がいい気がしますね。こういう存在は「親日派」と書くのはどうでしょうか。自国民を日本に売り渡すことで私腹を肥やす、韓国において断罪されるようになった「チンイルパ」も、現代における中国やヴェトナムのブローカーも、時代が異なるだけでやっていることは似たようなものですから。

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通勤客は通す、転勤者も通す、帰省客は通さない

2020-05-03 21:34:48 | 雇用・経済

 さて新型コロナウィルスの感染拡大は、非常事態宣言を経て漸減していくかに見えたものの、再び下げ止まる傾向を見せるところもあり、予断を許さない状況です。当初は私自身もその影響を過小評価していましたが、どうにも中国から欧米を経て感染力が強まってしまっているようで、流石に危機感を覚えないでもありません。

 世間では自粛疲れが連呼される中、勤め先でも流行に敏感な人たちが(在宅勤務)に疲れたと、しきりにアピールしています。私に言わせれば、これまでの満員電車での長距離通勤の方がよほど疲れるのですが、それは流行ではないから意識されないのでしょうか。通勤疲れは甘え、自粛疲れはファッショナブルなんだと思います。

 この連休に関して言えば、「帰省を控えるよう」随所で通達が出ています。感染拡大を防止するためには致し方ないところですけれど、「じゃあ転勤は控えなくてよかったのか」と疑問に思わないでもありません。今年も全国各地で膨大な会社員が東京から地方へ、地方から東京へと転勤になったわけですが、その中には少なからぬ無症状感染者もいたことでしょう。

 感染拡大を防ぐため「三密」を避けろとは早い段階から言われてきました。ただ満員電車に関しては黙認が続いていたのが実態でもあります。コロナウィルス感染者の年齢・性別の分布は通勤者のそれと似通っていたりもしますが、明らかに密集状態を強いられる電車通勤は、不思議とメスを入れられることなく最後まで残っていたわけです。

 帰省と転勤の違いも、そういうものなのかも知れません。日本の会社の人事にとって、正社員の転勤とは「絶対にやり遂げなければならないもの」なのでしょう。そして転勤命令は会社の権利として、このような非常事態下においても行政から制限されることなく認められているものなのだと言うことができます。意義はさておき。

 世の中には「エリア採用を取り入れている会社もある」などと言われます。もっとも私の在籍していたことのある会社ですと、「関東エリア」と称して一都六県の他に長野と新潟まで入っていたので、エリア採用であっても転勤は不可避でした。その他にもエリア限定社員は一般職枠で事実上の女性限定だったり、エリア限定社員から「総合職に昇格」させて転勤を命じたり、エリア限定社員を選べるのは制度ができた後に採用される人に限られたり等々、会社側の「転勤させたい」という欲望は尽きるところを知りません。

 そんなわけで私の今の勤め先も4月1日には日本中で社員の配置換えが行われ、帰省なんかとは比べものにならない規模で人の移動を発生させたわけです。これが感染拡大にどの程度の影響を及ぼしたかは考えて欲しいところですけれど、転勤人事で会社組織に与えた影響と同様に、誰も気にしないのかも知れません。

 しかしまぁ、転勤先でやっているのがテレワークだったりしますと、なおさら謎も深まります。知恵を絞ってテレワークでも業務が成り立つようにする人もいれば、出社しないと仕事ができない人もいる、後者ばかりであれば転勤にも正当性は出てきますが――テレワークで業務を成り立たせているのであれば、ますます以て転勤の必要性に疑問が浮かんでしまいますね。帰省さえもが許されない社会情勢なのに、全国の社員を引っかき回さねばならなかったのでしょうか……

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