映画「わたしは貝になりたい」は、反戦映画の名作である。
特にフランキー堺主演、新藤兼人監督のものを観て感動したクアトロの父だ。
太平洋戦争も終盤。田舎で床屋を営み家族で幸せにくらしていた主人公は、ついに徴兵される。
軍隊で上官の命令でしかたなく捕虜の米兵を銃剣で突く。
上官の命令は絶対であった。
しかし、終戦後の戦犯裁判で彼はこの事件のために絞首刑を言い渡される。
処刑の直前に、お坊さんに諭される。
「何年生きようと死ぬときはだれもが悔いが残る、次に生まれ変わることを信じるしかないんだ」
そして、主人公は遺書に書き残す。
「生まれ変わらなくてはならないのならば、もう人間はいやだ」
「人間達のかってで、いじめられるのはいやだ」
「次に生まれ変わるときは、深い海の底にひっそりと暮らす貝になりたい」
「そうだ、わたしは貝になりたい」
戦争がもたらす不条理を描いた感動の名作だ。
実話をもとにしている。
こんなまじめな話を書いておいて、今日のクアトロのおすすめは、たホッキ貝の和風スパゲッティである。
静かな深い海の底から人間の勝手で引き上げられたホッキ貝である。
甘みと旨みが濃厚である。
映画に感動したあとでも、ホッキ貝美味しそうと思ってしまうクアトロの父はまったく不条理である。
※このホッキ貝を丸ごと使ったパスタ「青森産ホッキ貝の和風スパゲッティ」¥1300でリバイバル公開中。