愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

奈良県桜井市吉隠(よなばり)の棚田,他

2010年09月10日 | 棚田景観

 ここは、桜井市吉隠(よなばり)、国道165号線で橿原方面から東進すると全国的に有名な長谷寺の参道をかすめて道なりに五分も進むと「吉隠」の集落につく。


「吉隠」をヨナバリと読める人は少ないだろうが、三重県の名張は古来「隠」と書いて居たようで、山間に隠れる様に在る土地と言う意味であったらしい。


その名の通り国道や鉄道の開通する前は山間の隠れ里であっただろうことは想像するに難くない。





この辺り近鉄本線とR165号が平行して走り其の間の斜面は棚田で埋め尽くされている。


集落の大部分は国道の左側、大和高原南端部、南面斜面の山襞部分にあって国道右手沿いの棚田と続いて山襞の奥の方にと伸びている。



集落奥から見下ろすと、棚田越しに民家の屋根、其の屋根の向こうにかすんで見え隠れする棚田がなんとも静かで美しい。




吉隠の地名が意味するものを彷彿とさせるようなひっそり静かな佇まいがたまらない魅力です。



一方、吉隠集落の東端からわき道で棚田を越え、近鉄軌道の下を潜ればそこは宇陀市柳の小さな集落。


小さな谷間のちいさな棚田に囲まれるようにひっそりと隠れんばかしに佇んでいる。


集落最奥から見降ろす棚田が素晴らしく吉隠の棚田も遠くに見え隠れする。


大和の棚田の大和棟はなんとも点景として良く似合う。





 


撮影2010.6.5~2008.3.02


生駒市小平尾町の棚田

2010年09月09日 | 棚田景観

此処は以前紹介した鳴川千光寺からの帰り道グーグルアースで目星を付けて寄ってって見る事にした。



信貴フラワーロードより千光寺への進入道路に入って直ぐに左手に伸びる農道に入っていくと隘路の先の谷間一面に広がる棚田が目に飛び込んでくる。




大きく湾曲して広がり下っていく青田は、周りを完全に山の斜面に囲まれ全く外界からは閉ざされているかの様です。



この農道をどんどん下って行くと小平尾町の集落へと突き当たることになる。



奈良では何処に行っても美しい棚田にめぐり逢えるような気がする


撮影2010.7.10





京都、和束町の棚田

2010年09月08日 | 棚田景観

あの全国的に有名な「宇治茶 」ブランドの主産地のである和束町は滋賀県甲賀市と県境を接している。

 木津川市山城町のR24号線より岐れるR163で木津川沿いに遡り加茂町付近で木津川の支流、和束川沿いに府道5号線で遡ること約10分、和束町の中心部に着く。

此処まで来ると回りの山肌は天まで届けとばかりに茶畑で生め尽くされて居る景色が圧巻、集落は茶畑の中に点在していて此処はまさしく茶とともに有る里山です。

其の昔は相当部が棚田で有っただろうと思われる地形、其の大部分は茶園に変わり、現在では茶畑の間に小規模ながら棚田が見られる。

 

 棚田は今でもどんどん茶畑にとって変わって居るようです(和束町白栖)

 

こちらは和束町石寺、山一面の茶畑の前にはミニ棚田

こんな山の上にもミニ棚田、やっぱり廻りは茶畑で埋め尽くされている・・・此処は白栖小字治留美(じるみ)

 

撮影2010.6.6


京都宇治市、笠取(かさとり)の棚田

2010年09月07日 | 棚田景観

笠取は宇治市東方の山中、滋賀県との県境に接していて最近でこそ京滋バイパスが通じインターチェンジも有り便利には成っていますが、それまでは山深く辺境の小さな鄙びた集落でした。


特に東笠取は西国三十三ヶ所 霊場で名高い岩間寺の山懐に在って、戸数約10戸ばかしの棚田に囲まれた小さな集落です。


僕の住まいから東笠取には宇治田原経由、県境を越え大津市大石に入り京滋バイパス、南郷IC付近から石山内畑町を抜けまた京都府へと戻り東笠取の集落へと入る。


それはもう完全な生活道路で余所者は怪訝な目で見られてしまいそう??。




岩間寺の山裾に有る棚田




岩間寺への参詣道の通る棚田は耕作放棄田が目立つ。





棚田中段に有る称名寺付近から・・・




真夏の畦刈りは収穫の前準備かな??



 見上げて見ると棚田の最奥に民家が一軒




上の棚田の対面に有る棚田。




ここでも棚田の最奥に民家が一軒



 東笠取から西笠取へは西方へうねうね続く山道を一山越えて車で約10分弱、峠を越え西笠取へと入る寸前、奥出にも小さいながら棚田が有る。


 





ここでも最奥に民家が一軒、それぞれに立派な民家。




西笠取で見た民家、どうも人の生活している様子がなさそう・・・。


撮影2010.8.7



京田辺市、天王(てんのう)の棚田

2010年09月05日 | 棚田景観

山城にはさほど棚田は多くないが、生駒山系の最北端部の京田辺市打田や天王地域、木津川流域の木津川市や和束町、笠置町地域、もう一つは宇治川流域の上流山間部、滋賀県との県境辺りの笠取地域などに見られる。




集落内の道路から・・・勾配がかなり急なので車は余程慣れないと・・・


天王地域に入る道は大きく3ヵ所に分かれるが、いずれにせよ天王は京田辺の中心地からは車で20分ぐらいは掛かる天空の集落と言った感じです。



この集落には郷社で式内社の朱智神社が鎮座しており 祭神は迦爾米雷王命(かにめいかづちのかみ)、須佐之男命(すさのおのみこと)、天照國照彦火明命(あまてるくにてるひこほあかり)と成っていて、須佐之男命は神仏習合思想の高まりから牛頭天王と習合、往古より牛頭天王社と呼ばれていたことによって集落も天王と呼ばれるようになったらしい。


京都の八坂神社の先駆けである感神院は此処から遷座したもので、祇園祭の際には当社の榊が祇園社に移される神事「榊遷」が執り行われていたらしい。



この集落には大きく二つの棚田が有って、一つは、隣集落の高船、笠上神社付近から少し入った棚田で、此処は行政上、県境を接する奈良県生駒市高山になっているかも知れないが??いづれにせよ天王域にもまたがっている。



棚田は50枚ばかしだろうか??すっぽり山懐に空いたオアシスのようで何処の道路を通っていても見えず此処を見つけたのはグーグルアースのおかげです。


 



魚の形になった棚田にはすっかり水が枯れていた・・・




 


もう一つの棚田は集落の中心から大阪府枚方市との県境付近に抜ける道路わきの谷沿いに有る棚田で、ものものしい看板のおかげで棚田の農道に入っての撮影は憚られた。




この棚田は道路からの見通しも良く交通量もごく僅かなので道路わきに車を寄せての撮影で済ませた。






撮影2010.7.17→9.5


京都、京田辺市打田(うった)の棚田

2010年09月03日 | 棚田景観

我が山城は南に奈良市内、北には京都市内、西には大阪河内地域、滋賀県甲賀,近江、さらには三重県伊賀地域と境を接する古い歴史を秘めたいわば隠れた縁の下の力持ちと言われて居る地域です。


京田辺市三山木から奈良県生駒市に抜ける府道65号線は右手の小高い丘に同志社大学の田辺キャンパスを過ぎた辺りから長閑な田園地帯と成って生駒山系北端の山裾へと入って行く。


ちょうど山裾辺りの登りを道路がカーブを繰り返し高度を上げる事になるがその左側の斜面一面に広がる棚田を見渡すことが出来る。


この辺りが僕が勝手に名付けた打田の棚田、集落は坂を登り切って奈良県との県境付近の道沿いに軒を連ねて居る。


この道路はダンプカーや自家用車が生駒、河内方面から山城方面への抜け道として利用するため周りの景観の割には交通量は意外と多い。 


 


 登り始める第一のヘアピンカーブから南方を望む


 


 


五月の下旬棚田に水が引き込まれ田植えが始まろうとしている 





何度かのヘアピンカーブを曲がった一番上段からの棚田。




下方の農道に侵入すると棚田は田植えの時期と有って人出も多く賑やか






 


 真夏の午後は全く人っ子ひとり見かけなく、青田を渡る風だけが話しかける


 


 


 


 八月下旬厳しい残暑の中でも棚田の稲穂は黄金色に色づいて居る。


撮影2010.5.22~7.10~7.17~8.28



奈良、鳴川千光寺の棚田

2010年09月03日 | 棚田景観

大阪と奈良を隔てる生駒山の奈良県側麓の町は生駒市でその東につながる平群(へぐり)町も同じく生駒山系の裾野に広がる歴史豊かな土地だが一般的には余り知られて居ない。



平群の山間部に有って、役行者(役小角)が開いたとされる修験場で、大峰山を開く前にここで修行したといい、元山上・千光寺と呼ばれている。



この千光寺奥より発する鳴川渓谷沿いに小さな鳴川集落が肩を抱き合うように、その昔は千光寺への参道で有っただろうと思われる渓谷渕に建ち並んで居る。


国道168号線で平群に入り、信貴フラワーロードと呼ばれる広域農道から千光寺への看板どうりに進んでいくとヒヤヒヤもので千光寺の駐車場に着く。




日曜ドライバーではちょっときつい狭くて急な登り、崖淵の屋根庇すれすれの道路は勿論車が一台通るのがやっとの道幅しかないのだが・・・・・・・


近頃は便利なものでグーグルアースを眺めて居てこんな所に棚田が有ったのかと思い実地検証、勿論千光寺まではもう何度も来ているのだが、この奥の山裾の棚田が広がっていよ嘔吐は全く気づかなかった。



駐車場を超え、道なりに千光寺の門前で左折すると直ぐに棚田が見え出してくるがやっぱりここも耕作放棄田や、転作畑が目について稲作棚田は少なく成って居る。




しかし奈良は何処に行っても棚田が目につく。


鳴川集落から急な登りよちよち登って来るおばあちゃんに声をかけたら畑の豆やじゃがいもを持って帰れとたくさん頂いた、見ず知らずの僕たちにどうして」こうも親切」なんだろう。


心がホクホクしてくるのを覚えて、こっちまで気持ちが優しく成って来る。 


撮影2010.7.10



奈良市、中畑町の棚田

2010年09月01日 | 棚田景観

中畑町は前回紹介の米谷町と林を隔てて北隣に在って、同じ名阪のループ内に有る。

中畑町へは米谷町と同じく五ヶ谷インターからと県道187号線,椿尾の谷沿いに登り、名阪の中畑橋の下を潜って此処に入ってくることも出来る。

中畑町の棚田は隣の米谷町の棚田よりも規模が大きく、3箇所に分かれている。 

 集落入口付近から見る中畑集落ー八月

入り口辺りを俯瞰した棚田ー八月

集落入口にある名阪中谷橋付近ー昨年9月

集落中心部の棚田・・・上の二枚は六月、下の二枚は八月、九月

米谷側から集落を望む、周りを名阪国道が取り巻いてる事など嘘の様に静まり返っている

集落内より見下ろしてみる棚田、道路は初心者にはきついほど急坂が続く。

なだらかな尾根を隔てた棚田

集落の奥、名阪のループをはみ出した辺りにももうひとつの棚田・・・・・・。

撮影2010.6.27~8.31ー2008.9.27