ここは、桜井市吉隠(よなばり)、国道165号線で橿原方面から東進すると全国的に有名な長谷寺の参道をかすめて道なりに五分も進むと「吉隠」の集落につく。
「吉隠」をヨナバリと読める人は少ないだろうが、三重県の名張は古来「隠」と書いて居たようで、山間に隠れる様に在る土地と言う意味であったらしい。
その名の通り国道や鉄道の開通する前は山間の隠れ里であっただろうことは想像するに難くない。
この辺り近鉄本線とR165号が平行して走り其の間の斜面は棚田で埋め尽くされている。
集落の大部分は国道の左側、大和高原南端部、南面斜面の山襞部分にあって国道右手沿いの棚田と続いて山襞の奥の方にと伸びている。
集落奥から見下ろすと、棚田越しに民家の屋根、其の屋根の向こうにかすんで見え隠れする棚田がなんとも静かで美しい。
吉隠の地名が意味するものを彷彿とさせるようなひっそり静かな佇まいがたまらない魅力です。
一方、吉隠集落の東端からわき道で棚田を越え、近鉄軌道の下を潜ればそこは宇陀市柳の小さな集落。
小さな谷間のちいさな棚田に囲まれるようにひっそりと隠れんばかしに佇んでいる。
集落最奥から見降ろす棚田が素晴らしく吉隠の棚田も遠くに見え隠れする。
大和の棚田の大和棟はなんとも点景として良く似合う。
撮影2010.6.5~2008.3.02