国道165号線は奈良県橿原市と三重県津市とを結ぶ地方主要道で、奈良方面から進むと左手、大和高原山地と右手、宇陀室生山系の谷間を縫って走る。
沿道近くには大神神社(おおみわじんじゃ)、長谷寺、室生寺など全国的にも有名な古社寺が見られますが、何処か田舎風情を一杯残した懐かしい気分にしたれる道です。
橿原方面から最近開通したばかりのバイパスが旧165号線と合流してしばらく行くと左手に有る集落が出雲の集落。
出雲集落の中ほどには十二柱神社が鎮座しており、この境内には垂仁天皇の命を受けて出雲国の豪族だった野見宿彌(ノミノスクネ)は大和国に赴き当麻蹴速(タイマノケハヤ)と相撲を取り勝者となったのは有名な話で、この境内には野見宿彌の供養五輪塔が建つ。
境内に有る野見宿彌の五輪塔と狛犬の台座を持ち上げる相撲取り人形
また野見宿彌は、埴輪や須恵器など土器の製作に長けていたともいわれ、当時貴人とともに殉死する風習をヒトガタ埴輪に変えさせたと云われ、この出雲集落にはその流れを汲むという
出雲人形が現在でも作られ長谷寺の土産物屋で売られているようです。
当然、出雲の地名はそういう所以によることは想像に難くない。
集落の旧街道に入って直ぐUターン気味に斜面に登るわき道を行くと直ぐに棚田の広がる農道となり、上部まで登って見下ろすと全面の棚田が見渡せる。
所どころ、転作や耕作放棄は見られるが比較的良く棚田の美しさが残っている。
この日はこの棚田で急な夕立に出会って早々に車の中に身を隠した。
十二柱神社の境内はまた「武烈天皇泊瀬列城宮跡」伝承地とされていている。
撮影2010.8.14and 2008.2.2