西紀寺町『珹寺(れんじょうじ)』に残されて居る2体の地蔵石仏。
珹寺のある西紀寺町は市街中央部「奈良町」の道路を挟んで南側、崇道天皇社の南隣に位置する行基菩薩が開基した古刹、古くは「紀寺(きでら)」と呼ばれ紀氏(紀貫之など)の氏寺として栄えた。
現在狭い境内に庫裏、更に白壁土塀の奥に小さな本堂を残すのみ・・・・。
本堂への入口右側、白壁土塀を背に二体の地蔵石仏と小さな双仏石。
中央には基礎石の上に建つ、総高約150cm程の地蔵石仏。
荒削りな舟形光背の中、蓮華座に立つ地蔵立像が刻み出されて居る。
像高約1m足らず、錫杖宝珠の定形地蔵だが、像容は古風で室町初期の作風・・・
戦火にでも遇ったのだろうか??風化摩耗共に激しく像容も詳らかで無い。
ぐっと脇から眺めて見ると、かなり深い彫りなのだが・・・このツンツルテンの尊顔では如何ともし難い。
向かって左手脇には室町後期の定形地蔵。
錫杖の頭が重そうなほど大きい。
撮影2012.9.3