まるで忘れ去られたように大和高原横断幹線道、側溝脇に追いやらてしまった磨崖の小さな石仏さん。
奈良坂の般若寺近くから柳生を経由して大和高原を横断する国道369号線は交通量も少なく、長閑な山村里山風情が楽しめる快適道で、僕にとっては馴染み深い道路です。
名阪国道針インター方面から柳生方面向けに車を走らせ、都祁馬場町を過ぎトンネルを越へ、杣ノ川町に入って暫く進むと、左手に道路が広くなっている処があり、その先の側溝脇にこの阿弥陀石仏の刻まれた岩が山裾に這うように有る。
岩は横2m足らず高さ1mぐらいの小さなもので、中心に刻まれている石仏さんには、両脇に棒を立て赤い涎掛けが掛けられ、決して忘れられた存在ではないことが窺われる。
一寸失礼して涎掛けを外させてもらいます・・・斜面から斜めに突き出た岩の表面を少し整形、舟形状の彫り窪みを造り中に像高約約40cmばかりの小さな阿弥陀立像を刻み出している。
僕はこの道を幾度と無く往復しているが、この磨崖石仏に気づくまでには相当回数、この石仏の真横を何も知らずに走っていた。
右手施無畏印(せむいいん)、左手与願印(よがんいん)の阿弥陀石仏は小さいながらも中々良く出来ています。
道路拡張工事ですっかり道がかさ上げされ、高くなって居て見逃しがちです。
撮影2011.4.2
涎掛けも時々新しくなっています。
この辺り山越えの旧道が沢山在りますので
未だ知らない石仏・磨崖仏が隠れていそうです。
あんな側溝脇でちょっと気の毒ですが道路に埋もれて仕舞うよりはましですね、