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少し肩の張りが弱く、体躯のひ弱さが目立ち頭デッカチに感じますが、それはそれなりの磨崖の阿弥陀さんです。
殆ど人知れず今は廃道となり、全く利用されなくなった古道の傍らに有りますが、地域の方によって整備され「みろく地蔵さん」と呼ばれ祀られています。
一台峠は奈良市の裏山、春日原生林を越えた大和高原入り口に有る長閑な里山、田原地区から旧都祁村杣ノ川間を隔てる峠、往時、東大寺二月堂お水取りに使う松明板を赤目から運んでくるのに通る古道の峠だという。
現在は県道47号線として車一台やっと通れるが、殆ど地元の山仕事車が通るくらいです。
石仏は一台峠のすぐ近く、都祁側に古道と思しき東面斜面を少し下ったところ、斜面から突き出した岩に刻まれています。
ちょっと大雨が降ればすぐに土砂崩れでも起こして、岩ごと埋まりそうな危うさですが・・・
岩の中央に舟形光背を薄く彫り沈め、線彫りの蓮台に座す、薄肉彫りの定印の阿弥陀坐像を刻み出している。
像高約70cmばかりか?少し略式化された衣文や蓮弁の様子から南北朝~室町期の像立か??
少年を思わすような涼しげで、きりっとした表情はどこか幼さが残って親しみやすい。
こんな磨崖石仏がまだまだ大和高原の、今は廃道となってしまった古道脇には、まだまだたくさん残って居るのだなあと、確信させてくれた石仏さんでした。
僕も石友さんから教えて貰うまでは全く未知の石仏でした。
撮影2011.4.2
あのまま三十年忘れ去られて居たら
きっと完全に埋もれていた事でしょう・・・
石仏さんたちを探し出すために地元で聞こうにも
知っている人は殆んど八十歳以上になり
「よく知っている人はいたけど最近亡くなった」と言われることが多くなり
ますます見つけ出すのが困難になって行きます・・・
これからはますますその傾向が強くなるんでしょうね・・・。