石山観音は西国三十三箇所観音石仏霊場の地。
江戸時代、西国三十三ヶ所観音の巡礼巡りの信仰が盛んになると、西国札所の各寺院の本尊の観音を模した観音石仏が並べられ、簡単に三十三ヶ所観音霊場の巡礼巡りができるように、三十三ヶ所観音霊場のミニチュアとして三十三ヶ所観音が多くの寺院や山につくられたものの一つです。
青岸渡寺本尊の如意輪観音
石山観音磨崖仏は大型の厚肉彫りの磨崖仏で、江戸時代の磨崖仏の秀作、第一番札所の磨崖仏の前の石水鉢に明和9(1772)年の年号があり、観音諸像はこの頃の造立と考えられています。
場所、石質によってかなり風化の程度に差が大きく、殆ど像容もわからなくなてしまった物も多く、残念である。
紀三井寺十一面観世音菩薩
聖観音磨崖石仏(像高2.52m)
これは浄蓮寺覚順が嘉永元年(1848)南都唐招提寺の聖観音を模写させ、この年の正月25日に作り始め、5月27日に開眼したという、造像来歴が記録されている唯一の像です。
この像は石山の諸像の中で最も新しいものの一つですが、石質が脆弱であるため風化が進み、顔面は尊容が溶けてしまっています。
馬の背の磨崖石仏
馬の背と呼ばれる、巨大な石山の壁面に深い舟形光背を彫りくぼめた深い半肉彫りの石仏の何体かは、完全に風化しつくしたのか、新しい小石仏でそれに変えている。
第三十三番谷汲山 華厳寺十一面観世音菩薩
場所その他前回のものに同じ。