我が国最古の六地蔵六面石幢(せきとう)が、先日から紹介の「三谷坂」からそう遠くない場所に在ると言うので序でに訪ねた。
石幢のある橋本市高野口町は「三谷坂」のかつらぎ町からは隣町、「紀ノ川」を挟んで右岸、金剛山系の斜面に拓けた山間棚田集落。
山全体が杉林に変わることなく、秋の終わり色に染められ素晴らしい景観を見せて呉れていた。
集落奥の辻に新しく造られたブロック基壇が設えられ、多分墓地に在ったで有ろう小石仏や石造物が並べられて居る。
その中央にずんぐりむっくり、大きな六角形の傘を持つ幢身だけの六地蔵六面石憧が安置されて居る。
六地蔵六面石憧は高さ約90cm、幢身は六角柱でその幅約40cm足らず・・・
各面に舟形を彫り沈め、中に蓮座に立つ、像高38cmの六体地蔵を中肉彫りで刻み出す。
正面の錫杖を持つ地蔵立像は、厳しい中に優しさの滲む尊顔は、小さいながら素晴らしい出来栄え。
地蔵側面縁には貞和5年(1349年)の銘が残され南北朝時代の造立。
惜しいかな、それ以下の側面縁は欠落しています。
我が国最古の六地蔵石仏も、日の当たらない裏側日陰部分は地衣類の繁殖が酷く、気の毒な程でした。
撮影2012.11.25