今回の旅でどうしても足を伸ばしておきたかった佐渡島にある磨崖石仏です。
東北裏日本の取っ掛かり、新潟に行ったら必ず寄ろうとしていた佐渡島、予想以上に大きく思ってたよりは活気にあふれた島でした。
出かける前に島での移動手段のレンタカーを予約、前日には長岡に宿を取り、郊外の寺泊港より高速船で約1時間佐渡島南部の赤泊港に到着。
頼んでおいたレンタカーにて海沿い道を約1時間、島南端部の宿根木(しゅくねぎ)集落に入る。
宿根木は、佐渡金山繁栄期の江戸寛文期(1661~1678)に回船業の集落として発展した「千石船と船大工の里」、入り江の狭い地形に家屋が密集する町並みは独特な景観を残し、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されている。
県道45号線が宿根木集落にぶち当たる少し手前、道路脇にそれと解る案内板がありその通り右折山側に走れば直ぐに斜面へと延びる参道の前に着く。
竹藪と杉木立に囲まれた石段の参道を10分足らず・・・・、目の前に曰く有りげな木組みを掛けられた洞窟が口を開け、入口近くには四国八十八ヶ所の小石仏が並べられ、ここは今でも信仰篤い場所だと知らされる。
多分、山門に当たる木組みを潜ると・・・
左手壁面には岩面を階段状に穿ち、小石仏がところ狭しと並び建てられ怪しい雰囲気を醸し出しています。
窟内に庇をを掛け、岩谷堂として現在も篤い信仰の中にあり、中央には囲炉裏が切られ真新しい燃えカスも残っていた。
暗い堂内はその煤のおかげで尚更暗く、奥壁などは真っ暗闇で何も見えないほど。
向かって左壁面には柱が立ち須弥壇が設けられ、その奥壁に三体の如来形だと思われる磨崖仏。
これらの像を地元では弘法大師の作と伝えているが・・・・、像高約1、5m、全て坐像ですが周りが暗いのと、煤がこびり付いて殆ど何が何やら状態。
中央は結跏趺坐した定印の阿弥陀坐像の様に見えます。
凝灰岩の軟岩で風化摩耗が激しく、おまけに煤だらけ。
向かって右側にはやっぱり両手を膝の上に置いたこんな石仏。
中央のものより1段と風化摩耗が激しく如来形だとさえ確定できない有様ですが、肩張り肘張には力が強さが感じ取れます。
この2体はどう枠内に有って対をなして居る様に見えます。
向かって左手には別枠で仕切ったようなこんな石仏。
やっぱり膝の上に両手を置いて居ますが何様やら??
庇屋内右側壁、高さ約2mの突き出した岩を彫り窪めた中に像高約70cm、中肉彫りで、二体の地蔵坐像だとされる磨崖仏。
右側は両手を膝に置き宝珠を持っているようにも見える・・・・。
一方左手の像は右手に錫杖、左手に宝珠を持ち椅座しているようにも見えるが・・・、どうも地蔵だとは俄には信じがたいような像容です。
それにしても額の絆創膏(ばんそうこう)でも貼ったかの様に見える白いものが気にかかる。
こちらも体躯にそれなりの力強さが感じられ室町期以前の息吹が感じられる。
撮影2012.9.14