都祁、藺生集落の南外れ、鄙びた田舎寺の「青龍寺」に残された石仏達。
がらんとした境内に茅葺き屋根の小ぢんまりした本堂が郷愁を誘う青龍寺は高野山真言宗に属し、藺生城主藤井氏の菩提寺であったと言われて居る。
境内への参道脇、左手空き地に、覆い屋を掛けた地蔵堂とその脇に一回り小さい庚申堂が建って居る。
地蔵堂中央には、舟形自然石に刻まれた定印を組み蓮座に座する阿弥陀坐像。
蓮華座は旧い様式を伝えており、南北朝初頭、建武(1334~1337)の銘があると言われて居ますが詳細は解りません。
もろい花崗岩質の石材のためかなり風化が進んで居ます。
左隣に立つ舟形光背、中型の定形地蔵立像・・・
洗練された、すらっとした体躯ですが・・、全体の様式から室町後期の造立??
傍ら、更新堂の青面金剛像・・・・都祁様式そのままで宝暦の年号を持って居る。
境内傍らにもすっかり苔生した小石仏や石造物の残欠がならんでいた。
なんにも増して周りの景観の素晴らしい田舎寺です。
撮影2012.2.22