前回紹介の大円下所阿弥陀磨崖と良く似た中尊を持つ阿弥陀三尊磨崖石仏。
切畑区内を縫うように走る府道109号線沿い、大円集落センターに隣接する観音堂と県道を挟んで対峙する斜面上に在る。
山裾の大きい民家の脇を失礼して斜面に登り獣道を掻き分ける様に府道側の尾根に出ると・・・・、写真のような磨崖石仏に出逢う事が出来る。
とても案内無しでは到底見つけられないような石仏さんです。
殆ど誰も訪れる事は無いのだろうか?降り積もった枯葉がふかふか・・・・ガサゴソ枯葉を踏みしめる音がするだけ。
もはや供花の痕跡すら見当たりません。
地表に頭を出した高さ高さ75cm、幅3mばかりの扁平な卵型自然石に、見た目もほのぼの小さな阿弥陀三尊が刻まれて居ます。
中尊阿弥陀は舟形光背の中、二重蓮台に坐す定印の阿弥陀如来、その像容は大円下所阿弥陀磨崖に瓜二つ、同一作者の同時期造立だと思われます。
脇侍の観音、勢至菩薩は中尊阿弥陀に寄り添うように内側向きに刻まれ、地元では「小松の横向き地蔵」と呼ばれているようです。
中肉彫り、像高30cm足らず・・・なんとも温和で優しい童顔の阿弥陀さん。
南北朝期の造立。
撮影2011.11.3