滋賀県、湖南のの交通の要所、栗東市街の東外れ、旧東海道の一角に豪壮な構えを持つ屋敷が有る。
栗東市役所付近より東に約2km、県道と在所道がちょうど岐れる六地蔵の地に、「旧和中散本舗」と刻まれた大きな石柱の建つ「大角家住宅」。
屋根の造りが独特で、上部本瓦、下部は棧瓦葺きの二段構え、両端に防火用の卯建壁(うだつかべ)を建てた高塀造りと言う重厚さ。
建物は、間口67尺(約20m)、奥行62尺(約16m)と大規模なもので 内部は店舗、製薬場、住居部に分かれている。
慶長16年(1611)近江永原の陣屋(現 野洲市)に滞在中であった徳川家康の腹痛を治したことで、一躍名を馳せ「和中散」の名は家康が報奨として自ら名付けたと言う。
街道に面した正面は商いをしていた頃の面影を残しているが、戸板は固く閉じられ中を窺う事は出来ない。
この建物は寛永年間(1624~1640)に建てられたもので、国の重要文化財に指定され、内部の庭や屋敷全体は国の史跡に指定されていると言う。
撮影2010.2.20