愛しきものたち

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慶州 南山塔谷磨崖彫像群

2010年10月24日 | 韓国 石仏:史跡他

南山の北端キョンジュ市街に近い東斜面の古寺脇に有る大岩に彫られた磨崖彫像群で、この様な類のものは日本では見かけない。

小さな集落の奥から谷筋に沿って延びる車が1台通るかどうかのような山道を行くと、結構大きな空き地が有って其の奥に民家のような建物。

車をこの空き地に置き建物の奥に進むと小さな崩れかけたような玉龍庵が有り其の左脇手斜面に直立する黒っぽい大岩におびただしい数の仏像や塔などが彫られていて驚かされる。

高さ約10m、幅約30mの大きな岩壁と周囲の岩に仏像・菩薩像・塔をはじめ飛天像や樹木など合計34点が絵画のごとくに描写、彫刻されていて、其の一つ一つを克明捉える事もできないし、まして詳しい説明など僕には出来かねる。

ただ何と云っても圧巻は正面両脇に彫られた七重と九重の塔と、其の中央に座す天蓋をもった如来形石仏。

薄肉レリーフですが痛みも少なく、塔の下には雌雄一対の獅子像が刻まれている。

正面は北面になるそうですが、斜面を右手、東面に廻れば仏像と菩薩像をはじめ、木の下で禅を組む僧侶像と神将像・飛天像など、最も多くの彫刻が配置されている。

斜面を登りきると岩の頂上付近、岩から少し離れて三重石塔、南面になる岩には少し荒削りで彩色跡の残る三尊仏坐像と菩提樹。

少し斜め右前方に別石で如来形立像と思われる丸彫り石仏、頭部から顔半面が欠損、左手を腹部においているので女性からは、お産のカミサマと信仰されているらしい。

最後斜面を下り西面には如来坐像を中心に左右にそれぞれ樹木が彫刻され、上部には飛天も見える。

南山の数多く有る石仏としてはちょっと異例な石仏のようです。

此処は南山石仏でもラクショウだった。

 撮影2010.10.15

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