愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

奈良、桜井市忍坂(おっさか)、倉橋の棚田

2010年10月03日 | 棚田景観

忍坂と書いて「おっさか」中々読める人が少ない難読地名のひとつです。

奈良県櫻井市忍坂の地名が始めて歴史に登場するのは「記紀」の神武東征神話の舞台として語られ、神武天皇が九州より東征のおり、熊野から吉野、宇陀を越えこの忍坂街道を通り奈良盆地へ進出したといわれ、日本最古の街道と呼ばれています。

近くには天智天皇・天武天皇の父である舒明天皇の陵墓、其の先少し奥に進むと藤原鎌足の妻、額田王の姉にあたる鏡女王(かがみのおおきみ)の押坂墓が遠い日本の歴史が凝縮されたところです。

この地を走る国道166号線は大和川の一つの源流、粟原川の谷沿いに女寄峠を越えて大宇陀にと通じている。

国道165号線から166号線に入って5分も走ると前方一杯に広がる棚田が見え、棚田の真ん中辺りにはなにやら古墳の段丘らしき森が見え、其の奥にはダムの堰堤らしきものも見える。

忍坂東の交差点より一つ先の枝道を右折、先ほど棚田の中に見えた天王山古墳の脇を通って高台に行くと小さな集落があってそこはもう忍坂ではなく倉橋、棚田の奥にあった堰堤は奈良で一番大きな溜池だと言われている倉橋溜池の堰堤、この辺りから見る棚田が美しい。

 

倉橋溜池の脇に有る小さな集落を堤込むように棚田が配されて、この小さな集落は溜池を背後に、前には山手から下って忍坂まで連なる棚田で囲まれている。この先,道成りにダムサイトを越えて通りに出るとそこは崇峻天皇陵の有る倉橋。

撮影2010.7.28