Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

国内ツアーのその意味

2020-09-24 | 文化一般
零時前から構えていた。11月のフランクフルトの公演の券が発売されるからだ。そもそも同じ日の券は3月に購入していた。そして減員でそれが無効になった。お知らせも無いのである。とんでもない。二度手間で、本当に熱心な人でないと買い替えなどに気が付かない。しかし最初は私は偶々気が付いて37ユーロの席を購入しておいた。半分も売れていないのでそのまま席替えで対応できるかとも思っていた。しかし実際には異なった。

個人的な関心は、ベルリンのフィルハーモニーでの様な劣悪な環境ではなく、安全な環境でマスクも無しに気持ちよくという事に尽きたので、減員半数では安全性も快適性も保てなくなっていた。そこで四分の一以下収容の予想で挑んだ。

ここのネットサイドで今までそれほど狙い撃ちした覚えが無かった。理由は会場のアルテオパーは興業屋が纏めた後での発券が多く、それ以外はそれほど問題なく入券可能だったからだ。二月に譲って貰った席の隣のバルコン最前列ど真ん中に座った人も年初ぐらいに購入したといっていた。その向こう側は当然半額で来ていた中共からの音楽学生らしきだった。更に結構空いていた。スポンサーのドイツェバンクの人達は平土間に、プレス席も平土間となると、あとの常連さんなども好みの席があって、定期会に入っていない演奏会でこその券だった。

今回も編成が60人ぐらいという事で天井桟敷は避けたかった。音が暈けるのと音量が足りないのは厳しいからだ。そこで平土間の視界の効かなさを、又サイドの音響の悪そうなのを考慮して中央バルコンを狙った。価格は最高価格で150ユーロである。

さて零時には窓口は開かなかった。仕方が無いので未明の四時過ぎに目覚ましで覗いてみた。やはり閉じたままだった。ホットラインが通じるのは午前十時なので、一時間毎に目覚ましを掛けてちょこちょこと見た。起床してから九時過ぎに開けると、一か所写真が変わっているのに気が付いた。11月5日過ぎに開催されるアンサムブルモデルンの指揮者の写真が変わっていた。来たと思った。要するに作業に入っている。案の定、予め調べていたバックドア―から入ると窓口が出来ていて入れた。フロントドーアが開いたのは一時間後だった。

そして座席表を見た。一般発売買い一番乗りである。予想通りシングル席は限られていた。しかし想定していたよりも減員していて、恐らく五分の一から六分の一だと思う。400人ぐらいだろう。金額関係なく一通り見たが、選択は殆ど無かった。

手数料込みで154,35ユーロ、安くはない。ザルツブルク音楽祭では同じプログラムで90ユーロほどで出ていた。宿泊料が無くても燃料代120ユーロとして、どれほど安く付いたか高くついたか。何よりも異なるのは間隔である。安全性であり、安心感と気持ちよさだ。流石にペアー席で300ユーロ支払う心算は無かったので、それに比較すればこれで良いかとも思う。

寝不足になったが、結果には満足で、このような催し物があるだけで幾らでも払いたい気持ちにさせてくれる。自分自身は10月にフォアアールベルクでペトレンコ指揮の演奏会に行くが、やはり今回は二月に協調作業の最高到達地点を聴かせてくれたベルリナーフィルハーモニカーとの演奏という事でとても感慨深い演奏会になると思う。この間の事を考えると、お互いに無事でようこそという気持ちになるだろう。今回の企画がアメリカ旅行の前にという事だったが、多くの人は同じような気持ちのリピーターだと思う。恐らくそれはケルンでもハムブルクでも同じだろう。そしてバーデンバーデンではまた更なる気持ちが募ると思う。

そのような演奏者と聴衆の新たな繋がりと語ったイゴール・レヴィットではないが、キリル・ペトレンコもその聴衆の集中をして成果だとしている。こうしてマスに語り掛けるのではなく熱心な人が集うところで必ずや新しい局面へと進むと思う。少なくともクナッパーツブッシュ指揮などでベルリナーフィルハーモニカーが独国内を慰問のように回っていた戦時中や、プロバガンダに使われたフルトヴェングラー指揮の演奏会の雰囲気がもう手に取るように分かるようになって来た。作られたものの裏にある社会心理である。そして今傷痍軍人の代りにマスクをした聴衆が集う。



参照:
2023年以降の計画の発表 2020-04-25 | 音
音楽会マスク着用様々 2020-09-20 | 雑感

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