Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

第二回ユングヴァイン試飲会

2016-03-10 | 試飲百景
VDPの第二回ユングヴァインプローベに出かけた。最初はミュラーカトワール醸造所に行って、ビュルガーガルテンを買い足すつもりでいたが、事前に自宅で開けてみると酸が突出していて、その他が引っ込んでいたので今回は止めにした。瓶熟成が始まるまでどうしようもない。要するにMCは酸の突出で苦みを抑えていたのだろう。ドイツトップクラスの酸であった。

そこで久しぶりに会長のクリストマン醸造所に出かけることにした。昨年ナーヘのシーェンレーバー醸造所で2014年産の評判を聞いたからだ。2014年も比較で試飲できた。樽試飲の2015年のグーツリースリングの色目の黄色さは異常なほどだった。漬け込みが強いのか分からないが、それでもまだ瓶詰めされていない分、新鮮さと酸が際立って重みは全くなかった。この点でも若干醸造法で変化があるようだ。比較すれば、2014年の蜂蜜香のような明らかな葡萄の健康度と2015年のそれでは後者に明らかに長所があった。ヴァイスブルグンダーも万人向きに出来上がっていた。それ以上のものは試さずに赤に移った。

2013年の標準シュペートブルグンダーは可成り酸が立っていて、赤としては駄目だった。それに比較すると2012年のギメルディンガーと称する嘗てのSCは中々香味が面白かった。十分なミネラルもあり、若干石灰土壌も感じられる。17ユーロならばフランスもののフィクサンなどと比較して、これはこれでよいと思う。フランス独特のベリー系の香りはないが薬草風のそれは決して悪いものではない。都会的な繊細さがクリストマンのシュペートブルグンダーの良さである。

序に聞いてみると買いそびれていた2011年物のオェールベルクもあるということで一本貰ってきておいた。2009年に似ているようなので試飲しなくても大体分かる。2009年産を開けてから飲み時を考えればよいが、あと二年ほどが良さそうだ。

その足でこれまた久しぶりにフォルストのゲオルク・モスバッハ―醸造所に向かった。そこでも新酒と樽試飲をしたが、流石にグーツリースリング程度では価格は安くとも全く楽しめなくなってきた。新し過ぎることもあるのだろうが、落ち着いてくると今度はそのミネラルや深みに欠けるということで、我々にはもはやあまり楽しめない。更にかなり甘く感じるので、お婿さんに尋ねると酸が弱い分そのように感じるだけでなにも糖を残したわけではないと言った。2015年はやはり酸が弱い。それでも上位のリースリングになるとなかなか酸が効いている。健康度で2015年の方が2014年より良い分、間違いなく悪くはない年度のようだ。

バッサーマン・ヨルダン醸造所の親方がやって来て挨拶して、更に外回りのケラー氏夫婦まで来ていた。ウンゲホイヤー機械摘みの話をしてやろうかと思ったが、基本的にはお忍びであり喧嘩になってはいけないと思って遠慮した。そして耳を澄ましているとムーゼンハングに評価が集まっていた。柑橘類のその強さは最近この地所が温暖化だけでなく注目されてきている所以である。嘗てのヘアゴットザッカーに求めていたものの上のものがここにある。瓶詰めされたらもう一度試飲しなければいけないものだ。

そして2015年は赤ワインが期待である。2003年、2005年、2009年、2011年と並ぶかどうか?二年後が楽しみである。



参照:
スローフードの塩辛さ 2015-03-09 | 試飲百景
神の膝元のリースリング 2015-06-02 | 試飲百景

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