Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

岩峰に立つフリードリッヒ

2012-05-26 | アウトドーア・環境
水曜日は午前中の雷雨や午後の30度になろうかととする気温上昇に拘らず早めに南プファルツの奇岩地帯へと出かけた。森の中は湿っていたが陽射しと温度と風のお陰で岩肌で手が濡れるようなことはなかった。

なによりも夕方の太陽が高い霧におぼろげな薄暮の風景はカスパーフリードリッヒのそれ以上に詩情豊かであった。誰も他のパーティーの居ない岩山の上では誰もが詩人となれた。カスパーフリードリッヒのザクセンアルプスの岩山も南プファルツの岩山も同じ砂岩で色が違うだけなのである。

相棒のザイルを率いる練習であったからノーマルルートしか登っておらず紺何度は全く無いながらも、腕に疲れを感じた。一つには全く中間確保支点が無いのにも拘らずそれ以外にもあまり十分な支点が取れないような場所があって、力が入っていたのだろう。特に二つ目の岩山への頂上岩壁はオーバーハングの上にある岩の背を登るので、手掛かりがある角に近づけば近づくほど真下の30Mの奈落が目に入るのだ。その上にまともな支点が無いのでうっかりすると奈落へと落ちてしまう。

なるほど技術的には困難さは無いものの度胸もいり、更に高所恐怖症を思い起こさせてくれるので、どうしても手掛かりの悪い方へと向かってしまう。するとどんどんと難しくなるのである。つまりやはり奈落へと近づくしかない。そして、そこを超えてやっと砂時計と呼ばれる岩の窪みに出来ている細い柱に支点を掛けるのである。

全体で四回ほどザイルで懸垂下降をしなければいけなかったぐらいで、直ぐに時間が経ってしまって、その大きなオーヴァーハングは試せなかったが、やりがいを起こさせる岩頭群である。細い柱状の岩頭も確保支点が取れないので有名で度胸が要りそうだが登攀意欲を湧かせるには十分である。

相棒の医者もアルプス風の登る練習が出来たので、若干意識が変わってくるだろうか。五感を全て使ってのクライミングは、やはり石切り場やクライミングホールのそれとは違って体験の深さや大きさが異なる。兎に角、僅か六時間の中でとても素晴らしいときを過ごせたのである。


写真:向かって左の二つの岩頭を攀じ登った。話題のエッジは右の岩頭の付け根の影と夕日の角の部分である。



参照:
切手の図柄に思いを馳せる 2011-02-27 | 雑感

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