Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

石壁よりも堅い「友愛」哲学

2009-09-02 | 文化一般
合衆国で問題となっているとされる鳩山氏の原稿「私の政治哲学」を読んだ。その主旨は良く理解出来た。先日FAZ紙において、鳩山氏の紹介に密教的と書いてあったので気になっていたのだが合点が行った。

其処には元女優の奥さんがそのような書籍を出版しているのと本人自身も密教的となっていたのだ。はじめはシュタイナー信奉者かと思ったが、この小論文を読んで行くうちに推論できた。

その題名の「友愛」の意味のみならず、内容のお手本となる人物リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーについてはあまり知らなかったが、WIKI情報によるとフリーメーソンの会員とあって、なるほどと思ったのだ。

そう云えば鳩山家がその秘密結社の会員であるとかはネットの情報にある。そのようにこの小論文を読み解けば、更に良く理解出来るだろう。そのタイトルの友愛こそが博愛でなくて、謂わばカレルギーが採用したEU歌「歓喜に寄せて」のそれであり、モーツァルト「魔笛」に描かれているそれであろう。それはパシフィズムでもある。

秘密結社ゆえに会員である事を否定も肯定もしないであろうが、これはこれで日本国の首相の信条や人柄が世界的に分かり易くする。少なくとも弟氏の「日本人は情念・怨念を伝統とする」云々とひねた言い方をする政治家よりも遥かに理解され易い。

そのように考えれば、カトリック教徒であった前任者も、あのように主張の「ぶれる」分かり難い人物像であったにも拘らず、右翼の石原慎太郎や安倍元首相の体系化され得ないそれよりも、もしかするとカリスマの小泉の普遍化され得ないそれ以上にその政策は欧米で詳しく紹介されたような趣がある。

要するに、公人としての政治家と云えども、たとえそれが個人的な信条や思想や宗教観であろうともその人物像や意思判断を理解するうえで十分過ぎる手掛かりとなるのである。その点、福田子元首相の「私はあなたと違います」では、その人物の世界観を示すほどの発言となっていない事になる。

読み違いかも知れないが、日章旗切り刻み批判で鳩山氏が民主党旗を指して「神聖」とかなんとかの発言を読んでおかしな事を言う人だなと思っていたが、これで合点が行った。

真偽の程は判らないが、どのようなグループに属していようが、その人物の政治判断は必ずしも一義的ではなく、それは東ドイツ市民であり尚且つ根っからのプロテスタント信者であるメルケル首相にも当てはまる事なのである。

少なくとも先進工業国のリーダたる政治家は、確固たる世界観を持ってこそ、はじめて現実の世界像を修正しながら頭に描くことが出来るのである。



参照:
私の政治哲学~祖父に学んだ「友愛」の旗印(1)/鳩山由紀夫(民主党代表)
私の政治哲学~祖父に学んだ「友愛」の旗印(2)/鳩山由紀夫(民主党代表)
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