昨晩の独日協会の月例会で、昨年の秋から今年の7月初旬まで半年間、大阪のカトリック系女学院でドイツからの交換留学生として過ごした、ティーンエージャーに紹介された。
過去にも同様の経験を持つ女の子に会ったが、この度の彼女の日本語力には驚くべきものがあった。特に、昨今の女子高生の大阪弁風の符丁を聞くのは大層愉快だった。
それは耳から入った言語であり、特に十代の若い脳にはすんなりと入り込むのだろう。敢えて言えば、関西のざっくばらんな環境は他の地域よりも、こうしたコミュニケーションの基礎がその社会にあると言っても良い。
標準語を正しく喋ろうとする地域ならば、どうしても書き言葉優先のコミュニケーションになってしまうからである。つまり、体で覚える外国語としての日本語環境としては大阪は最も優れているかもしれない。
さて、このお嬢さんに感心したのは、勉強を初めてからまだ一年も経たないうちに漢字力も読解力も結構身に付けた語学能力である。子供の頃からフランス語や英語に馴染んでいて、ラテン語の単位も取っているので、マルチリンガルのお手本のようで、欧州語以外の未知の言語をも習得するコツを身に付けているのだろう。
日本文化に対する興味はこれからかもしれないが、永い柔道経験と合気道もこなしていて、またこれにも驚かされた。小柄ながらも競泳にスポーツに勤しむ心身の健康さが宜しい。
それだけに活動的な若いお嬢さんらしく食事の話が面白かった。「ご飯がおいしい。」と言うので米のことかと言ったら、「猫飯(ねこまんま)」が好物だって。懐かしいというか、珍しい言葉を聞いて驚いたが、良く考えるとその正統「猫飯」を説明出来るほどに詳しくはない。鰹節入りと言うのは分かるのだが。
納豆が嫌いでたこ焼きが好物に挙がるのも大阪在住らしくて良いが、大阪名物塩昆布や佃煮が駄目らしい。どうせおいしい食べ方のコツを学べなかったのだろう。ご飯に何が好いのと訊ねると、「海苔」とかえってきた。何よりも「山芋が好き」には驚いた。山芋を掛けた蕎麦などと言われると、少し構えてしまう。流石に自然芋とは言わなかったので、漸く冷静さを保てた。これはドイツのヴェル・フライシュに匹敵する珍味の世界である。
偶々会合のあった寿司屋で彼女が注文した鉄火どんぶりのネタは解凍が巧くいっていて良かったのだが、ご飯に唐辛子やらなんかのたれが強くかかっていて、「めっちゃ辛いー」とか言うので一口摘まして貰って「ご飯のお替りを貰わなきゃ」と言ったものの、其処の中国人たちに通じないな思われた。四川風のもしくは南蛮風の鉄火どんぶりであった。
女学校の制服の話も出たが、これは残念ながらホームステー先のお姉さんの借り物を着ていたので、持ち帰っていないらしい。コスプレ大会に是非お姿を見せて欲しかったなどと言うのは、その辺のオジサンだろう。
彼女のなにやら弾けるような若さに絆されながらも、日本文化も結構ややこしいものだと、再確認した次第である。書籍、『あたたかな気持ちのあるところ』の次ぎの貸出先はこれで決まった。
過去にも同様の経験を持つ女の子に会ったが、この度の彼女の日本語力には驚くべきものがあった。特に、昨今の女子高生の大阪弁風の符丁を聞くのは大層愉快だった。
それは耳から入った言語であり、特に十代の若い脳にはすんなりと入り込むのだろう。敢えて言えば、関西のざっくばらんな環境は他の地域よりも、こうしたコミュニケーションの基礎がその社会にあると言っても良い。
標準語を正しく喋ろうとする地域ならば、どうしても書き言葉優先のコミュニケーションになってしまうからである。つまり、体で覚える外国語としての日本語環境としては大阪は最も優れているかもしれない。
さて、このお嬢さんに感心したのは、勉強を初めてからまだ一年も経たないうちに漢字力も読解力も結構身に付けた語学能力である。子供の頃からフランス語や英語に馴染んでいて、ラテン語の単位も取っているので、マルチリンガルのお手本のようで、欧州語以外の未知の言語をも習得するコツを身に付けているのだろう。
日本文化に対する興味はこれからかもしれないが、永い柔道経験と合気道もこなしていて、またこれにも驚かされた。小柄ながらも競泳にスポーツに勤しむ心身の健康さが宜しい。
それだけに活動的な若いお嬢さんらしく食事の話が面白かった。「ご飯がおいしい。」と言うので米のことかと言ったら、「猫飯(ねこまんま)」が好物だって。懐かしいというか、珍しい言葉を聞いて驚いたが、良く考えるとその正統「猫飯」を説明出来るほどに詳しくはない。鰹節入りと言うのは分かるのだが。
納豆が嫌いでたこ焼きが好物に挙がるのも大阪在住らしくて良いが、大阪名物塩昆布や佃煮が駄目らしい。どうせおいしい食べ方のコツを学べなかったのだろう。ご飯に何が好いのと訊ねると、「海苔」とかえってきた。何よりも「山芋が好き」には驚いた。山芋を掛けた蕎麦などと言われると、少し構えてしまう。流石に自然芋とは言わなかったので、漸く冷静さを保てた。これはドイツのヴェル・フライシュに匹敵する珍味の世界である。
偶々会合のあった寿司屋で彼女が注文した鉄火どんぶりのネタは解凍が巧くいっていて良かったのだが、ご飯に唐辛子やらなんかのたれが強くかかっていて、「めっちゃ辛いー」とか言うので一口摘まして貰って「ご飯のお替りを貰わなきゃ」と言ったものの、其処の中国人たちに通じないな思われた。四川風のもしくは南蛮風の鉄火どんぶりであった。
女学校の制服の話も出たが、これは残念ながらホームステー先のお姉さんの借り物を着ていたので、持ち帰っていないらしい。コスプレ大会に是非お姿を見せて欲しかったなどと言うのは、その辺のオジサンだろう。
彼女のなにやら弾けるような若さに絆されながらも、日本文化も結構ややこしいものだと、再確認した次第である。書籍、『あたたかな気持ちのあるところ』の次ぎの貸出先はこれで決まった。