Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

舌鼓を打つ山の料理

2006-08-01 | 料理
山小屋での食事は、グルメが舌鼓を打つものではないが、決して腹を空かした連隊の為の餌でもない。アラカルトで大抵は注文出来るが、賄つきの宿泊を望む人が殆どである。十分にお得であり、そうすれば後は飲みたいだけ飲めるからである。

特に今回のドロミテでの食事は、パスタかスープが十分に前菜として振る舞われただけでも価値があった。女性の同行者などは、食べ切れないので前菜二つにした程である。量が多すぎるようだ。ドイツでは、パスタのプリモなどは通常無いからだろう。

そのパスタも大抵は、フンギ・ポロドーモ・ボロネーズと選べて、ヌードルは主にスパゲティーが使われていた。そして最も驚いたのは、低温で沸騰してしまう標高でもアルデンテを実践していたことである。圧力鍋の使い方が上手いのか?これまで、スキー場や他のイタリアの小屋ではマトモな茹で方を経験した事がなかったからである。

フンギのミックスも大変素晴らしく、乾燥した物を使ったとしても、ミラノで食した有名食材店レストランのものより風味があった。

スープ類は、団子スープがチロル風で、ミネステローナや麦スープなども定番のようである。特に間食に何度か摂ったミネストローネが豆主体でトマト仕立てでなかったのが興味深かった。

セコンドとして、最も一般的だったのはグーラッシュと称する煮込み肉である。これも強いて言えば、ハンガリー・オーストリア二重帝国の影響を受けたこの地方らしい選択かもしれない。オーストリアのそれに比べてパブリカ味が少ないのが、この地方のグーラッシュのようである。

名物料理として肉のカルパッチョが素晴らしかった。これは、明らかにチロルの干し肉文化とは違うと直感した。菜食者には、これまた名物のチーズのソテーなどが用意されている。

豚のコトレットも量感があって良かった。フルーティーなオリーヴオイルやバルサミコをおもいおもいに振りかけて食する料理は、ドイツの人工甘味料マギーセットを机に置いてあるレストランの質とは格段に優れていた。

付け合わせは、トウモロコシのポレンタの他、焼きジャガイモやコロッケ、また意外にもクラウトがポピュラーなようである。ポレンタは、この地方における秋田のきりたんぽの様な食料であろうか?ポレンタをピッツァ生地にしてピッツァとした料理も見かける。

食後もカスタードプリンやアップルケーキ以外にフルーツミックスなどもある。

移動の際、峠のホテルにも宿泊して同じようにメニューを摂ったが、量や皿が極僅かに違い、生野菜のビフュェーやジェラードがあるだけで、料理の質は必ずしも山小屋より優れているとは限らない。こうした事は、この地域以外の山小屋ではあまり経験のないことである。

最終日にはサラダを付けたヴィーナーシュニツェルを食する事が出来た。ポメスを付けあわせとしたが、ビールにも大変旨い。ドイツでは、子牛はなかなかの贅沢品である。

これらの食材の供給には、小さな資材用のロープウェーを上手く使っている。ヘリコプターで運ぶ必要がない、谷の浅いこの地域の利点なのである。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする