Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

分かるようになる話

2019-06-02 | 試飲百景
明日試飲会に出かける前に金曜日のそれを纏めておこう。出かける前に冊子を読んでいたように、特別な葡萄の成長過程についての話しがあった。つまり異常に地中に水分の含んだことから、葡萄の生育が遅くなって、今度が四月からの成長が通常は二月掛かるところを四週間で育ってしまったこと、そして八月に摘み取りが始まるという高級ワインを醸造する醸造所では例外的な作業になったこと。それによって集中した手摘みの作業に若い人が奮闘して、そのお蔭であったとの特別な賛辞が発せられた。

そして我々消費者にとってはその出来上がりだ。オーナーでドイツ高級ワイン協会VDPの支部長レープホルツ氏の御講話である。先ずは色の付いたロゼが出された。匂いを嗅ぐとむっとした。その通り1990年産だ。皆はこの醸造所で期待するのは白ワインでしかないが、アメリカでバカ売れしているようなので、試しにこの古いものを出してきたらしい。その心は、2018年の異常な天候からの出来上りのなかでアルコールを11.5%に抑えつつ残糖を0.4gに抑えた出来は、そんなに急いで飲まなくても30年前のものにもまだ酸が効いているので、数年は何ともないという話しである。当時は駆け出しで尖がっていて更に辛口に仕上げていたのだが、その成果である。

三本目は2009年のピノブランが出された。貝殻石灰土壌のもので、現在のそれに相当するものとしての比較試飲である。つまり2018年産は2009年産と共通点があり、ハーブの味はこうして寝かせると食事に合う旨みとなるということで、オリーヴ油のような感じとなると南欧食に合そうということになるか。

五本目はムスカテラーで2005年産であったが、完全に青臭さが落ちていて、なるほどこれぐらい置けば、食事にも合わせやすいというのが分かった。

七本目は貝殻石灰のリースリングだった。これが2005年産で、黄色く成っておらず、ぺトロール香への説明もあったが、その大事な酸は最初に駄目だと思ったら後まで変わらないということを挙げた。つまり、分解された酸でいい感じに感じなければ幾ら寝かしても駄目だということだ。獣臭とか駄目だと。

九本目は同じく今度はロートリーゲンデス土壌のもので2007年産であった。

重要な情報として、雑食砂岩リースリングが百パーセントガンツホルンの地所からのワインになったということで、正真正銘のセカンドワインとなった。

あれ程酸が弱いと思ったリースリングなどを試飲したが酸にやられて歯がガタガタになっている。それでもクールさがあるのは、こなれた酸だけで無しにミネラルの出方だとの話しになった。さて明日はどうなるだろうか?

その前に今晩は幾つもの放送がある。ミュンヘンからのストリーミングはオンデマンドがあるので、それを観ておけば十分だろう。同じような時間に重なっているが、私は真っ直ぐベルリンへと向かう。なんと言ってもユロウスキー指揮の先月16日の中継録音が楽しみだ。メンデルスゾーンのヘルブリーデン序曲からシュトラウスのヴァイオリン協奏曲を日本で人気のイブラギノーヴァのソロで、そして田園を指揮する。通常版での演奏だと思うが一体また何を口から出まかせで語るのか、フィラデルフィアのネゼセガン、ブロムシュテットの講話と同じぐらいに面白い指揮者の哲学の出まかせが楽しみである。

写真:醸造所に行く手前の踏切。何度となく通っていても初めて踏切を待った。そして多方向に遮断機がある。まるで自分の車が間違って踏切内に停車しているような不安に陥った。どこをどのように通るのか中々分からなかった。



参照:
ブロムシュテットの天命 2019-02-14 | 文化一般
トレンドは冷えた「神の雫」 2018-05-15 | 試飲百景
花火を打ち上げる奴 2019-01-01 | 暦

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