「研究の第二段階」〈「派閥・長老」と「裏金問題」〉の続きです。
テーマの「裏金問題」を、15回のシリーズで終了の予定でしたが、そうなりませんでした。
「裏金問題」ではありませんが「政治と金の問題」について、近いところでは昨年の9月に研究していました。
「ねこ庭」の基本的な考え方は、昨年9月も今も変わりませんので、以下「過去記事」から必要部分を取り出して紹介いたします。
白川の清きに魚も住みかねて
昔の田沼 今ぞ恋しき
・江戸時代の狂歌があります。
・利権政治家として悪名を残した、田沼意次を歌ったものと言われています。しかし彼は自己の利権を求めただけでなく、積極的な改革を進め、幕政の刷新に大きな力を発揮していました。
・田沼の跡を継いだ松平定信が、「クリーンな政治」を旗印に、無駄の廃止、奢侈禁止、風俗の乱れ禁止と次々に禁止令を出したため、諸大名ばかりでなく庶民の暮らしまで活気を失ってしまいました。
・「世の中は綺麗事ばかりでは、うまくいきませんぞ」という皮肉を込めて、狂歌が流行ったのだと聞いています。
・従って私は、政治家が手にする多少の金銭には目くじらを立てません。国家予算を扱う彼らの目の前では、億単位の金が動いていますから、一般庶民と同じ感覚で語ると判断を誤ります。
・「一寸先は闇」と言われる政界に身を置きながら、国際情勢の荒波から国を守るリーダーとして働いている政治家を、必要以上にマスコミが叩くのは感心しません。
・たかが二、三千万円の個人献金を受けたからと、政界から追放するのはやり過ぎです。
・息子たちだけでなく、「ねこ庭」を訪問される方々も、私の意見に眉を顰められるかも知れませんが、政界と庶民の世界の物差しが違うことを知るのも、大事ではないでしょうか。
この意見は昨年9月の、過去記事から紹介しました。自由民主党を吹き荒れた「パーティー券問題」いわゆる「裏金問題」が突然発覚したのは12月ですから、意見はそれ以前のものです。しかし基本的な「ねこ庭」の考えは、9月も12月も同じです。
家内との二人暮らしで、私の受け取る年金は月々11万2千円です。
「熱中症予防のため、クーラーは忘れずに使いましょう。」とテレビのアナウンサーが警告しても、電気代節約のためなるべく我慢します。風呂は一日目は浴槽に入らず、二日目に入り、残り湯は水道代節約のため、庭の水撒きに使い回しします。
余ったお金があれば、それは別に貯めて孫たちへの贈り物や小遣いに変わります。文字にすると窮屈な暮らしに見えますが、慣れてしまえば実際は、平穏無事な「ねこ庭」の日々です。
国や政府の批判を当たり前のようにしていますが、ちゃんと年金を支給してくれる国に対して、感謝の気持を忘れていません。
少ないお金をやりくりしているのが、国民の大半だと思いますが、こういう私たちから見ますと、百万円、一千万円、まして億単位の金銭は大変な額です。しかし「ねこ庭」が、息子たちと訪問される方々に言いたいのは、政治家と庶民の金を同一視しては間違うのではないかということです。
政治の世界では金の使い方も、金額も、一般庶民とは異なっている事実を知る必要があるのではないでしょうか。
政治家の周りには思想・信条の違う人間がいて、彼らはそれぞれが異なる思想・信条の組織の代表で、国家予算の獲得競争をするのが仕事です。敵対する議員と激しく争ったり、騙したり、時には妥協したりと、気の抜けない毎日が政治活動です。
それに比べると私たち庶民の暮らしは、穏やかです。近所に住む人の中に、議論を吹きかけてきたり、騙したりするような人間はいません。金で問題を解決しなければならないような事態も、ありません。
いや私のところは違う、政治家と同じように気の抜けない連中が近所に住んでいると言う人がいたら、それは例外で、運の悪い話ということになります。
「ねこ庭」の意見が、アメリカの常識から考えても間違っていないと、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に伝えたくなりました。
昨年の7月に「ねこ庭」をかき回していた、伊藤貫氏の「雑談」を思い出してくださると、私の言わんとすることが分かってもらえる気がしてきました。嫌になる程に長いシリーズを書きましたが、こんなところで役に立つとは思いませんでした。
忘れている方が多いと思いますので、「チャンネル桜」の動画で活躍した伊藤貫氏の略歴を再度紹介します。
・東京都出身、昭和28年生まれ、東京大学経済学部卒。参議院議員山谷えりこ氏の実弟
・アメリカ・ワシントンD.C在住、国際政治アナリスト、米国金融アナリスト、政治思想家、日本の評論家
・ワシントンのビジネス・コンサルティング会社とロビイスト事務所で、国際政治・金融アナリストとして勤務
次回は、氏が語る〈 アメリカの「政治と金」の問題 〉の紹介です。伊藤氏の話は長いので、今回で終了の予定が消えました。申し訳ありません。