3. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回前半 )」 ・・国家の存立を左右する国際政治学の6つのパラダイム ( 概念 )
氏の雑談を紹介します。
「伊藤貫です。今回は国際政治の6つの学派を、説明します。日本がこの6つのどれを選ぶかによって、国際社会で生存できるのかが決まる重要なものです。」
説明の前提条件として、氏は持論である日本の置かれた状況を述べます。
・日本は現在、4つの核武装国に包囲されてている。このうちロシア、中国、北朝鮮は、どんどん新しい核ミサイルを増やしている。
・しかしこの3ヶ国は、アメリカが日本に強引に買わせようとしている核ミサイル防衛システムを無効にするミサイルシステムを既に持っている。
・だから日本は、アメリカが勧める非常に高額な核ミサイル防衛システムを買っても、対抗できないのだ。アメリカ政府はそれを百も承知で、日本に無理やり押しつけている。
・しかもアメリカはこの3ヶ国が、いかに日本をターゲットとして核ミサイルを増やそうと、日本人にだけは核抑止力を持たせないと言う方針を持っている。
・こう言う状態が10年も続くと、日本は身動きできなくなる。というより、日本は既に身動きできない状態になっている。
・北朝鮮と中国、ロシアは、アメリカ本土に届く高性能のミサイルをどんどん増やしているから、アメリカはこの3国と本気で戦争をする気は全くない。
・だから日米同盟の効力がどんどん落ちていき、今から10年15年後の日本は絶望的な状態に追い込まれていく。
・日本が、6つの国際政治学の中から間違った政策を選んでしまうと、どうすれば良いのかが分からなくなり、既に分からなくなっている日本は間違った選択をしている。
一気に紹介して来ましたが、これは「雑談」の範疇を超えた「真剣」な意見です。氏がアメリカとの関係をどのように見ているのか、むしろ質問したいところでしたから、しばらくは黙って読みます。
・過去75年間の日本の対米従属策は、キチンとした国際政治学のパラダイムに基づいた政策ではなく、単に戦争に負けてアメリカに叩きのめされ占領され、しかも日米安保条約を押しつけられ、占領軍憲法を押しつけられた結果のものである。
・占領軍憲法で軍隊を無くされ、日米安保条約で米軍が永久に占領するとなったのだから、日本は永久に独立国となれない。
・日本が独立国となれなくても、ある程度の金儲けだけはさせても良いと言うのが、アメリカの対日政策だった。
・これでは本当の日本の外交政策、国防政策、軍事政策の作れようはずがない。それなのに日本は、何と76年間もそのままやって来た。気がついてみたら身動きできないし、10年後のことを考えるとますます酷くなる状況に置かれている。
・日本人は日本が、国際政治学の6つのパターンの中のどれを選択しているのかを、ハッキリ知るべきである。それを認識しないと、日本の国家戦略を明確に設定できない。
・国家戦略が明確に設定できないと、ますますアメリカと中国に弄ばれるだけとなる。
今回の氏は用意したハンカチで口を拭い、白い唾を視聴者に見せません。楽しそうな笑顔だけが気になりますが、話の内容にはうなづかせられます。「日本国憲法」を「占領軍憲法」と呼び、「占領軍憲法」と「日米安保条約」が、日本を永久にアメリカの従属国にしたと説明します。
言いたい放題の悪口を言わないので、素直に聞ける状況が生じています。
・こういうことを言うと何だが、英語、ドイツ語、フランス語と言う西欧言語では、ものごとを考える時の段階を三つに分けて表現する。
次の3つはよく知られた表現だそうですが、私は初めて聞きます。1.2.3.と、レベルの高い順に並んでいます。
1. 哲学的思考段階 ・・一番抽象度が高い思考
2. パラダイム思考レベル ・・国際政治学の6つのパターンでの思考
3. ポリシー思考レベル ・・国や個人の主義主張によるもので、一番身近な思考
・自分たちがどのレベルの思考をしているかをハッキリ認識していないと、質が高く、安定性と一貫性のある議論ができない。
今回は日本の悪口が出ないと安心していましたが、やはりこの辺りから普段の氏に戻るようです。先を読んでいませんが、アメリカ人やイギリス人、あるいはドイツ人、フランス人と比較して、日本人は一番レベルの低い思考しかできないと、そんなふうに言いそうな気配です。
国際政治学の6つのパラダイム ( 概念 ) を説明するのかと思っていましたら、「3段階の思考レベル」が先行します。意見を言うたびに幾つかの要件に分解し、何度も繰り返してややこしくするのが、氏の雑談方式のようです。記憶力の弱い人間はメモでも取らないと、氏が何を話しているのか、どの部分を喋っているのか分からなくなります。
本題の続きは次回からにするとして、いつものように5人の視聴者のコメントを紹介します。「黒猫でも白猫でも、ネズミを捕る猫は良い猫だ。」・・鄧小平氏の言葉を、首を傾げながら思い出します。
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