ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

憲法に関する世論調査 - 10 ( 改憲に関する全党の意見 )

2024-05-19 21:29:32 | 徒然の記

 今回は6面の最後です。下記見出しなので「両論併記」と思いましたが、違っていました。

  「立民 期限切らず冷静に 」   「自民 連休明けに改憲原案」

  ・憲法記念日の3日、与野党はNHK番組で討論した。

 この書き出しの後、自由民主党と立憲民主党だけでなく全党の意見が紹介されています。

 加藤勝信氏・・自民党・憲法改正実現本部事務総長

   ・大型連休明けに具体的な改正原案の作成に入り、これをベースにして議論を深めたい

 逢坂誠二氏・・立憲民主党・憲法審査会長

   ・期限を切る首相の誘導に乗らず、冷静に議論したい

 加藤勝信氏

   ・緊急事態への対応は喫緊の課題だ。国政選挙が困難な場合の、国会機能維持が中心テーマになる

 逢坂誠二氏

   ・あまりにも急ぎすぎではないか。現行憲法が規定する、参院の「緊急集会」の機能強化を優先すべきだ

 音喜多俊氏・・日本維新の会・政調会長

   ・首相の公約のためには、遅くとも7月末までの国会発議が必要だ。

   ・原案を作成する「起草委員会」の早期発足を求める

 北側一雄氏・・公明党副代表

   ・緊急時の国会機能維持の議論は相当煮つまっている

   ・叩き台を作り、緻密な議論をする方が生産的だ

 山添拓氏・・共産党・政策委員長

   ・首相の、改憲をアピールして求心力を確保したいとの意図が、見え隠れする。

   ・政権延命のための政治利用だ

 玉木雄一郎氏・・国民民主党代表

   ・緊急時の国会機能維持は、急いで改憲すべき項目の一つだ

 大石晃子氏・・れいわ新選組・共同代表

   ・現行憲法を守るべきだ

 前原誠司氏・・教育無償化を実現する会代表

   ・本丸は9条だ

 福島瑞穂氏・・社民党党首

   ・憲法改悪させない

 神谷宗幣氏・・参政党代表

   ・早期に改憲すべき

 前原氏の意見は前後の説明がないため理解できませんが、ここまで書かれていると読者には各政党の意見が掴めます。時間稼ぎで邪魔をしている党があるとしても、議論を尽くした後は民主主義社会の「多数決」の原則が守られます。

 次回は、5月3日16面の記事の紹介です。今度は「両論併記」を止め、何時もの共同通信社の記事になっています。つまり普段の「情報操作記事」です。

 社の方針が揺れているのか、それとも「風見鶏」を決めたのか、不思議な同社の記事です。

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憲法に関する世論調査 - 9 ( 聖徳太子の「第十七条憲法」)

2024-05-19 13:35:57 | 徒然の記

 一息入れている間に6面の記事を全部読み、もう一つ新しい発見をしました。反日・反政府一辺倒だった共同通信社が、「両論併記」をしていました。

 「情報操作失敗記念日」に即「両論併記」の実行ですから、二つ合わせると大きな記念日になります。名前を何とつけるのか咄嗟に浮かびませんが、まず実例を紹介します。

 〈 「政治改革と併せ真摯に」「党派超えて連携」 〉

   この見出しで書かれた3段組みの記事は、全部岸田首相の言葉を批判なしで伝えています。

  ・岸田首相はビデオメッセージで、「現行憲法は施行から77年間、一度も改正されていない」と述べ改正の必要性を訴えた。

  ・自民派閥の裏金問題を改めて陳謝した上で、次を強調した。

     ・「信頼回復のためにも政治改革と合わせ、憲法改正に取り組む」

     ・「党派を超えて連携しながら、真摯に議論を行う」

  ・9月までの総裁任期中の改憲を掲げる首相は次のように述べ、慎重な議論を求める立憲民主党を牽制した。

     ・いたずらに議論を引き延ばし、選択肢の提示すら行わないと言うことになれば、責任の放棄と言われてもやむを得ない。

  ・衆参両院の憲法審査会の開催頻度が高まっているとして、

     ・特に緊急事態条項は論点整理が進み、与野党の枠を超えて活発に議論してきた

     ・全国各地での対話集会などを通じ、具体的な条文案など分かりやすい資料も活用しながら、国民と共に議論し理解を深めたい。

 次は保守・革新の憲法学者二人の意見を、下記見出しをつけ「両論併記」しています。 

 〈 「緊急事態条項で改正発議を」「平和主義、なし崩し」 〉

  松浦一夫・防衛大教授 ( 憲法学  )

   ・憲法改正をめぐっては、賛成、反対で長い間意見がかみ合っていないが、大災害などに対応する緊急事態条項は、ある程度の党派で意見が一致してきたと思う。

   ・まずはこの一点に限り、改正を発議すべきだ。

   ・国民の議論が不十分との指摘もあるが、国会がリーダーシップを取って手続きを進め議論を喚起しなければ、国民の関心も薄れてしまいかねない。

   ・政府は憲法の平和主義に基づき専守防衛を掲げ、自衛のための最小限度の防衛力を認めている。

   ・憲法は自衛隊の地位を明記すると同時に、民主的にコントロールできることを盛り込むことも大切だ。

  松原幸恵・山口大教授 ( 憲法学  )

   ・厳しさを増す国際情勢を背景に、自民党が掲げる9条改正の議論に世論が流されやすくなっていると感じる。

   ・岸田政権はさらに、国会で十分な議論をしないまま、安全保障の大方針である安保関連3文書を閣議決定し、反撃能力 ( 敵基地攻撃能力 ) 保有を明記するに至った。

   ・このままでは、憲法のうたう平和主義、立憲主義がなし崩し的に揺らいでしまう。

   ・本来憲法は、権力を縛り、国民の自由を守るためにある。

   ・権力側が手を入れようとする動きに、国民はもっと敏感であるべきで、本当に改憲が必要なのか議論を尽くさなくてならない。

 保守と左系の教授の意見を並べられると、読者に考えるきっかけも与えられます。息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々はどう受け止められるのか。参考のため、「ねこ庭」からの印象を先に紹介します。

  〈 松浦一夫・防衛大教授 の意見について 〉

   ・緊急事態条項一点に限り改正を発議すべきと限定しながら、自衛隊の地位の明記と、民主的なコントロールを盛り込むことが大切と言うのでは意味が伝わらない。

   ・緊急事態条項のみの改正を目指しているのか、それとも他の条項も同時に「発議」しようとしているのか、肝心の点が曖昧である。

   ・国民の関心が薄れている原因は国民の側にあるのでなく、リーダーシップのない政治家の方にある。認識が逆ではないのか。

  〈 松原幸恵・山口大教授 の意見について 〉

   ・「憲法は、権力を縛るものである」と言う前提が間違っている。

   ・共産党と「日本学術会議」所属の左系学者の定説となっているが、この認識が国民を惑わせる間違った解釈である。

   ・憲法は権力や国民を「縛る」ものでなく、国民と国家 ( 政府を含む ) が互いに守るべき権利と義務を定めた最高の法規である、と言う解釈が正しい。

   ・国民と国家は敵対したり対立するものでなく、共に和する共同体である。

   ・対立するものとして考えるのは西洋の歴史からくる考え方であり、日本の歴史からくる考え方と混同してはならない。

   ・日本の古来からの考え方は、聖徳太子の「第十七条憲法」にある。最後の第十七条で「独断をせず、必ず多くの人と議論をしなさい」とみんなで話し合う大切さを強調している。

 政府も反対する党も、「和をもって尊しとなす」という日本古来の憲法の精神に戻る必要があります。無知な国民を啓蒙するのだと、与野党の議員と学者は考えているふうに見えますが、国民を低く見ては間違います。

 長くなりましたが、「ねこ庭」の印象です。次回は残りの記事を紹介します。

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