ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

LGBT法成立後の日本 - 14 ( 日本学術会議の『提言』 )

2023-12-07 20:54:07 | 徒然の記

 『  社会と教育におけるLGBTI の権利保障  』 ( 日本学術会議・権利保障分科会提言 )

  今回は、公開された上記『提言』の内容を紹介します。ただし非常に長文なので、「ねこ庭」のシリーズのため必要な部分だけを割愛しての紹介です。つまり、LGBTの動きと国連の関連について述べた部分だけ、ということになります。

  ・今日、国連でも日本でも、「 LGBT / LGBTI 」の権利保障が重要な課題となっている。

    L・・レズビアン ( Lesbian )

    G・・ゲイ ( Gay )

    B・・バ イセクシュアル ( Bisexual )

    T・・トランスジェンダー ( Transgender )

            I・・インターセックス ( Intersex )

  ・「ダイバーシティ」 や「包摂と共生」を目指す21世紀社会では、

     「性的指向 ( Sexual Orientation )」( 性愛の対象がどの性別に向かうか )

     「性自認/性同一性 ( Gender Identity )」( 性別に関する自己認識 )

     「身体的性に関わる特徴」      のゆえに人を差別することは許されない。

  ・2020年には東京オリンピックが予定さ れているが、オリンピック憲章もまた「性的指向」による差別を禁じている。

 平成29年 ( 2017年 ) 9月は第3次安倍内閣の時ですから、『提言』は安倍内閣に対して公開されたことになります。

  ダイバーシティとは、「多様性」を意味する言葉で、人種・年齢・性別・能力・価値観などさまざまな違いを持った人々が、組織や社会に存在する状況を指すのだそうです。 ダイバーシティにしても「 LGBT / LGBTI 」にしても、もともと日本にある言葉でなく、欧米諸国のものです。概念も説明されると分かりますが、私たちの日常生活に馴染んでいるものではありません。

 私が『提言』の中で注目したのは、次の言葉です。

  「今日、国連でも日本でも、「 LGBT / LGBTI 」の権利保障が重要な課題となっている。」

 国連はそうだったのかもしれませんが、日本も平成29年代に「 LGBT / LGBTI 」の権利保障が重要な課題となっていたのでしょうか。国連の動きに合わせて、日本学術会議が日本での「重要課題」にしたかったのではないか ? と、そんな気がしてなりません。

 念の為に平成28年と平成29年の主な出来事を、ネットの情報から探しましたので紹介します。確認するには根気が入りますが、

 「今日、国連でも日本でも、「 LGBT / LGBTI 」の権利保障が重要な課題となっている。」

 という状況が見えるでしょうか。

2016 ( 平成28 )年の主な出来事

  • 軽井沢スキーバス転落事故が発生。
  • 熊本地震発生。震度7を2回観測。死者267人、避難者数は183,882人にのぼった。
  • 今上天皇(当時)が象徴としての天皇の務めなどについて自ら心情を表明。生前譲位(退位)の議論が活発化。
  • 民主党と維新の党などが合流して民進党が発足。
  • 東京都知事の舛添要一が自身の政治資金問題などで辞職。都知事選で小池百合子(衆議院議員)が当選。
  • 日銀がマイナス金利政策を導入したことにより、長期金利が過去最低を更新した。
  • オートファジーの仕組みの解明で、大隅良典がノーベル生理学・医学賞受賞。
  • 理化学研究所による新元素ニホニウムの名称決定。
  • 北海道新幹線が開業。ブルートレインは終了。
  • 電通の新人女性社員が前年に過労自殺した問題で、東京労働局は電通を強制捜査。
  • 19人が殺害され戦後最悪の死者数となった相模原障害者施設殺傷事件が発生。
  • リオ五輪開催。
  • 『シン・ゴジラ』と『君の名は。』などの邦画が大ヒット。
  • 位置情報ゲーム「ポケモンGO」がヒット。
  • SMAPが騒動の末に解散。
  • 長寿漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の連載終了。
  • バラク・オバマ大統領の広島訪問。
  • イギリスの国民投票でEU離脱派が勝利。
  • アメリカ大統領選でドラルド・トランプが勝利。

2017( 平成28 )年の主な出来事

  • 前年から続く築地市場の豊洲移転問題で、移転が決定した。
  • プレミアムフライデー初実施
  • 森友学園問題、加計学園問題が国会で追及される。
  • 東芝が経営危機に陥る。
  • 千葉県我孫子市で女児の遺体が発見され、PTA会長の男を逮捕。
  • 複合商業施設「GINZA SIX」開業
  • 乳がんを告白し闘病生活を続けていたフリーアナウンサー小林麻央が永眠。
  • 前年の2016年に生まれた子供の数が97万人余りと判明、100万人割れは統計の残る1899年以来初。
  • 東京都知事小池百合子の「都民ファーストの会」が都議選で躍進。その後、希望の党を立ち上げる。
  • 民進党は希望の党への合流を決定。事実上の解党。
  • 第48回衆議院議員総選挙。自民圧勝、立憲民主党が健闘、希望の党は失速。
  • エアバッグの欠陥問題でタカタが経営破たん。負債は1兆円を超える見通し。
  • 中学生プロ棋士の藤井聡太が公式戦新記録となる29連勝。
  • 製造業大手の不祥事が多発。
    • 日産自動車で完成検査を無資格者が行っていたことが発覚。SUBARUでも同様の問題が発覚。
    • 神戸製鋼所が品質データを改ざんし出荷していたことが発覚。 三菱マテリアルの子会社、東レの子会社でも同様の問題が発覚。
  • 日系英国人のカズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞。
  • 安室奈美恵が2018年での引退を表明。アルバム「Finally」は150万枚を突破。
  • 任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」が人気で品薄に。
  • 陸上の桐生祥秀が日本人選手初の公認記録100m走9秒台を達成。
  • 神奈川県座間市のアパートの一室で9人分の遺体が発見される。27歳の男性を逮捕。
  • トランプ米大統領の初訪日。
  • 日経平均株価が25年10ヶ月ぶりの高値2万2937.60円をつける。
  • 米ダウ平均は史上最高値の更新を続けた。
  • 仮想通貨ビットコインが高騰を続ける。
  • 横綱・日馬富士が暴行事件の責任を取って引退
  • 将棋棋士の羽生善治が史上初の永世七冠を達成
  • 北朝鮮がミサイル発射実験を繰り返し、2017年だけで9発(7回)が日本の排他的経済水域内に落下。
  • 北朝鮮最高指導者金正恩の異母兄となる金正男が、滞在先のマレーシア・クアラルンプール国際空港で殺害された。
  • 韓国で朴槿恵が大統領職を罷免され、文在寅が大統領に就任。
  • シリア民主軍、ISILが首都とするラッカの解放を宣言。
  • スペイン、カタルーニャ州が独立宣言。
  • ミャンマーでロヒンギャ族への迫害問題が発生。
  • ジンバブエでクーデター発生。独裁者ムガベ大統領が辞意を表明。

 国連が何時から「 LGBT問題 」関わるようになったのかは、以前として不明のため、「国際連合広報センター」と「内閣府・男女共同参画委員会」のホームページ等から探すことにしました。

 深い森の小道に入りますので、「忙中閑あり、師走の散歩」と洒落込んで、おつき合いできる方があればご一緒ください。

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LGBT法成立後の日本 - 13 ( 国連と日本学術会議 )

2023-12-07 08:51:54 | 徒然の記

  シリーズの4回目で、LGBT法の推進に協力する九州大学大学院・芸術工学研究院  伊原久裕教授を紹介しましたが、さらに協力している大学教授を、ネットで知りました。

 谷口洋幸教授がその人で、LGBTに関する著作が多数あるだけでなく、氏の意見が朝日新聞、毎日新聞、琉球新報、京都弁護士会会報等で取り上げられていることも分かりました。

 若手研究者として最近活躍している学者の一人と思いますので、氏の略歴を紹介いたします。

・青山学院大学 法学部ヒューマンライツ学科 教授

     ・専門分野  ・・ 国際人権法   国際法   ジェンダー法

      ・所属学会等・・ GID ( 性同一性障害 ) 学会理事  国際人権法学会理事

                日本学術会議連絡会員      ジェンダー法学会理事
                  国際女性の地位協会理事
 
 LGBTに関する多くの論文も見つけましたが、簡単に紹介できる長さでないため諦めました。しかし現在のLGBTの動きの原点について、二つのことを教えられました。
 
   ・現在の世界的な動きの中心に、国連 ( 国連人権委員会  ) が存在していること
   ・これに連動する日本の中心の一つに、「日本学術会議」が存在していること
 
 国連については過去に何度か「ねこ庭」で取り上げていますので、今回は「日本学術会議」の資料を先に探すことにしました。平成29年 ( 2017年 ) 9月29日 に、日本学術会議の権利保障分科会が公表した『提言を』見つけましたので、紹介いたします。

 『   社会と教育におけるLGBTIの権利保障  』

  この提言は、日本学術会議法学委員会社会と教育における LGBTI の権利保障分科会の審議結果を取りまとめ、公表するものである。

 提言に参加した委員の名前が書かれているので、紹介します。( ここでも谷口洋幸氏が、最後に名前を連ねています。)

  委員長    三成 美保       奈良女子大学副学長、研究院生活環境科学系教授

  副委員長   二宮 周平       立命館大学法学部教授

  幹 事     長志珠絵       神戸大学大学院国際文化学研究科教授

                          伊藤 公雄       京都大学大学院文学研究科教授

                          隠岐さや香   名古屋大学大学院経済学研究科教授

                          戒能 民江       お茶の水女子大学名誉教授

                          紙谷 雅子      学習院大学法学部教授

                          國分 典子       名古屋大学大学院法学研究科教授

                          榊原富士子     弁護士(東京弁護士会)

                          島岡 まな         大阪大学大学院高等司法研究科教授

                          髙橋 裕子         津田塾大学学長

                          棚村 政行         早稲田大学法学学術院教授・早稲田大学大学院法 学研究科長

                          名古 道功         金沢大学人間社会学域法学類教授 高岡法科大学法学部教授

                          谷口 洋幸         青山学院大学 法学部ヒューマンライツ学科 教授   ( 学術会議連絡会員 )

 スペースがなくなりましたので、『提言』の内容は次回に紹介いたします。
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