ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

「ひとりがたり馬渕睦夫」 ( 国連の実態 )

2019-12-20 18:51:17 | 徒然の記
 11月3日付の動画「ひとりがたり馬淵睦夫」を、何週間ぶりかで見ました。アメリカを激しく批判する、ウォルフレン氏の書の後であるだけに、強い印象でした。
 
 馬淵氏は、ウォルフレン氏が酷評するアメリカの、そのアメリカのマスコミから、更に酷評されているトランプ大統領を評価しています。ウォルフレン氏の主張が正しいとすれば、アメリカは世界の鼻つまみ者で、その国の大統領は相手にする価値もありません。それを馬淵氏が高評価するのですから、ウォルフレン氏と馬淵氏とどちらがまともな意見なのか、興味が沸いてきます。
 
 大統領が備えている品位や奥ゆかしさ、そうした一切に無頓着で型破りなトランプ氏は、就任した時から米国内で賛否両論が沸騰する、不思議な人物でした。アメリカがそうなれば、属国の日本でも賛否が騒がしくなります。今日までの傾向は、反日左翼のマスコミが、アメリカのマスコミと歩調を合わせ、トランプ氏を酷評しています。
 
 大統領が安倍総理と個人的に親しいとなれば、日本のマスコミの酷評には熱が入ります。一方保守系の評論家や政治家は、控えめな肯定評価です。反日左翼嫌いの私は、マスコミの酷評がたいてい間違っていると考えています。偏見と言うより、経験が教えます。
 
 氏が動画で取り上げていたのは、トランプ大統領の国連演説です。馬淵氏の説明を、覚えている限り紹介します。
 
 「皆さんは国連がどんな処であるのか、本当に知っておられるでしょうか。」「国際連合などと言われているため、世界の国々が集まった組織だと考えられていると思いますが、これは大きな間違いなんです。」
 
 「国連の前の国際連盟は、確かに世界の国々が集まった組織でしたが、現在の国連は、設立時の経緯が違います。」
 
 氏は、League of Nations ( 国際連盟 ) と、United Nations ( 国連 ) と言う英語の違いから説明します。現在の国連が、かっての国際連盟と同じものなら、英語表記は、同じになるのが普通です。わざわざUnited Nationsとしたところに、氏は注目しています。
 
 「United Nationsというのは、第二次世界大戦の戦勝国の意味なんです。」「後から沢山の国が加盟したため、国際連盟と同じだと多くの人が誤解しています。」「戦勝国とは言うまでもなく、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の五カ国です。」
 
 「国連と訳したのは、外務省ですが、紛らわしい訳語にしたものです。」
 
 戦争に勝利した連合国を意味するのなら、国連の正しい訳語は「戦勝国連盟」と言うことになります。この名称では国民に説明しづらいため、当時の外務省はきっと困ったのでしょう。「国際連合」と言う無難な訳語は、苦肉の策だったのかもしれません。
 
 しかしだからこそ、国連憲章に敵国条項があり、日本やドイツはいまだに敗戦国扱いです。削除を要求しても、「すでに有名無実となっているから、死文と同じだ」と、言い訳をされ残っています。
 
 話が少しそれますが北方領土問題で、ロシアが4島領有の根拠にしているのが、この条項だと聞きます。それだけでなく、中国が日本を歴史問題で責める時も、この条項が根拠だと言いますから、死文どころの話ではありません。
 
 なぜこうなっているのか、息子たちは知っておいて欲しいと思います。それは「戦勝国連盟」を作った、五大国、つまりアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の中の、何カ国かが反対しているからです。国連で何かを変更しようとすれば、五大国が全会一致で賛成しなければ、何一つ変えられません。五大国は、常に利害が相反し対立する強国ですから、国連では「何も決められない」と言うことになります。
 
 それでもドイツは西欧の国ですから、世界にたくさんの理解者がいます。しかし日本は、ハンチントン氏が指摘したように、「世界で孤立した文明国」であるため、理解者や仲間となる強国がいません。これはひねくれ者の思い込みと言うより、おそらく、国際社会での現実でないかと考えます。
 
 諸事情を知る限りでは、国連を公正な国際機関とするウォルフレン氏と、批判的な馬淵氏のどちらが、私たちにとって正しいのか、一目瞭然です。敵国条項に縛られていないオランダ人のウォルフレン氏には、国連がアメリカの独走を牽制する、中立的な平和組織と見えるのかもしれません。
 
 ウォルフレン氏に特別な恨みはありませんが、国連については、過去何度も調べ、歴史問題や人権問題で、日本を攻撃する偏見の組織と嫌悪する気持ちがあります。過去ブログで何度か取り上げたので省略しますが、その代わり、別の面から見た国連の姿を紹介しようと思います。
 
 肝心のトランプ大統領の国連演説が、後回しになってしまいますが、寄り道をし国連の姿を知る方が、馬淵氏の意見のまともさを、息子たちに伝える気がします。
 
 スペースの都合で、続きは次回といたします。
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