ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

日本の危機 - 解決への助走 - 25 - (6) ( アメリカの世界戦略 )

2019-12-03 09:29:30 | 徒然の記
 温故知新の読書で教えられたのは、次の二つでした。
   1.  第二次世界大戦後の、アメリカの対日政策
   2.  第二次世界大戦後の、アメリカのアジア政策
 
 櫻井氏の書評を離れ、自分の考えを述べ始めた初回のブログで、このように言いました。1. については、前回述べましたので、2.の説明に入ります。「 アメリカのアジア政策」と言うより、「世界戦略」と言う方が、手っ取り早いのかもしれません。
 
 これまでの読書で、理解したアメリカの政策は単純です。
 
   1.   アメリカは、常に世界一の大国であり続ける。
   2.   アメリカ以外の強国の存在する地域の安定を、常に乱す。
   3.   世界の安定と平和を目指すのでなく、不安定化を目標とすることが多い。
   4.   世界の海を支配するため、他国に強力な海軍を作らせない。 
   5.   海軍を強化しようとする国に対しては、周辺国との紛争を生じさせる。
 
 日本人の多くは、「平和憲法」をもたらしたアメリカを、「自由」「平等」「人権尊重」の国として、好感を抱いています。しかし「温故知新」の読書が教えてくれたのは、思いもよらない「アメリカの姿」でした。
 
 信じるとか、信じないと言う次元の話でなく、「一つの事実」であると認識しています。従って、北朝鮮問題に関して言えば、アメリカは自ら北朝鮮に接近しますが、日本が独自に国交回復することには、賛成しません。
 
 トランプ大統領の言葉を借りて言えば、常に「アメリカ・ファースト」です。アメリカの支配層の考えは、「アメリカが世界一であるためには、アメリカ以外の地域を、不安定にすれば良い。」と言うことです。
 
 彼らは、東アジアで日本が中国や韓国・北朝鮮と和解し、友好国関係になることを望みません。一つになり、アメリカに挑まれると困るからです。露骨な干渉はしませんが、日本に敵対する中国や、韓国・北朝鮮の言動に知らぬふりをしたり、そっと応援したりします。米国のこうした態度は、中国、韓国・北朝鮮には、「容認」として受け止められ、日本への敵対行動が持続します。いわば、アメリカの思惑通りに、隣国が動いていることになります。
 
 ベネディクト氏の『菊と刀』は、敵国である日本を分析した書物で、第二次世界大戦に役立ちました。昭和54年に出版された、ヴォーゲル氏の『ジャパン・アズ・ナンバーワン』は、経済大国として台頭する日本を、分析する本でした。出版は、大平内閣の時でしたが、それ以後の、伊東、鈴木、中曽根内閣に至るまで、米国は執拗な経済戦争を仕掛けてきました。
 
 ヴォーゲル氏が称賛した日本の体制を、ことごとく破壊するため、構造改革、規制撤廃を要求し、今では、日本は経済大国でなくなりました。
 
 ハンチントン氏の「文明の衝突」は、平成10年で、橋本内閣の時です。この時は民主党の大統領だったクリントン 氏が、露骨な内政干渉をし、橋本首相を追い詰めました。バブル経済が崩壊し、銀行と証券、保険会社の大型倒産が続きました。ハンチントン氏の言葉通り、米国は日本を、「孤立した文明の国」「仲間のいない文明国」として、国際社会での位置づけに成功しました。
 
 ベネディクト、ヴォーゲル、ハンチントン各氏の著作を、日本称賛の書であるかのように誤解している人がいますが、私の考えは違います。彼らの書は、アメリカのため、対抗する(敵国)日本を、研究・分析したものに過ぎません。
 
 長く続けたシリーズも、今夜で終わりといたします。拉致問題も、朝銀への不正融資、慰安婦問題、徴用工問題、南京事件、靖国問題など、全て一つの根っ子でつながっていると、予測しましたが、その根っ子は、アメリカの世界戦略でした。
 
 敗戦後の日本には、アメリカに忖度し、アメリカの意を汲み、日本の弱体化に協力する人間が、育成されました。彼らは、政界、官界、経済界、学界、マスコミ界で、指導的地位を占めています。アメリカによる間接管理体制、これが私の結論です。
 
 だがもう一つ、大切なことが残っています。息子たちが、私のブログを読んで、「アメリカこそが日本の敵だ。」「アメリカが、諸悪の根源だ。」と、単純な誤解をしないようにする必要があります。
 
 国際社会で大国となった国は、全て同じ思考をすると言う事実を、忘れてはなりません。大東亜戦争時の日本は、大国の仲間でしたから、似たような思考をしていました。ハンチントン氏の分析通り、孤立した文明国だったため、世界を敵に回し、世界から反撃されました。
 
 これからの日本は、大国を目指すことなく、大国に卑屈に従うこともせず、それこそ我が道を行くのでなくてはなりません。天皇の政治利用と言われるのは、不本意ですが、昭和天皇は私たちのため、大切な言葉を残しておられます。
 
 「国が独立するためには、国を守る軍隊が必要である。」
 
 日本が我が道を行くためには、国を守る軍隊が必要なのです。陛下は、独走する軍を嫌らわれましたが、国防のための軍は肯定されました。だから私の結論は、いつも通りの、二つです。
 
  1.   国を守る軍を持つため、憲法改正をすること。
  2.  皇室を護持すること。(女性宮家、女系天皇を認めてはならない。)
 
  長い間我慢してついて来てくれた息子たちと、「ねこ庭」を訪問された方々に感謝いたします。
コメント (6)
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