なんとも数奇な運命のカップルだ。
夫が死亡した二日後に妻はビルの六階から飛び降り自殺をしている。
しかも妻には自殺願望があったようで、ナイフで心臓を突き刺した絵も描いている!
二人の出会いは1916/12,モンパルナスの喧騒とかけ離れたところで静かな暮らしをおくっていたという。
二人の名前は画家モディリアーニと妻ジャンヌ、この二人の物語を展覧する展覧会がブンカムラで開かれているがすばらしいとしか言いようがない。
カタログにもあるがモディリアーニという人はどうも統合失調症の気配があったようだ。
それは彼の描く人物の周りの世界の完全な欠如として現れる。
ジャンヌもまた絵を描いていた。
モディリアーニは決して静物画は描かないのに、ジャンヌは静物画を得意とした。
言葉を変えれば夫は内なる精神に肉迫し、妻はあるがままの世界を描いた。
やがて二人はニースへと移り女の子を出産する。ニースへはジャンヌの母親もついていってあれこれするうちモディリアーニのことを理解できるようになったという。
特筆すべきはニース時代にモディリアーニが描いた妻の作品三点だ。展示番号
87,88,89だが子供が生まれたこともあり、統合失調症の気配があることを感じさせないほど生き生きとして親しみやすく愛に満ち溢れている!
あのモディリアーニにこんな作品があったとは!
しかし彼の健康状態が急速に悪化する、そして冒頭のようになる。
展示はスケッチやら手紙やら膨大な量で二人の関係を示してくれる。
静かに深く噛み締めたい展覧会だ。
思わずコメントしてしまいました。
はじめまして。
私も絵を描いているのですが、
絵画と病との関係は興味深いですね。
眼球を入れないのもそのせいだったのかも知れませんね・・・。
モディリアーニが統合失調症だとはカタログよるとResteliniという人が言っているようです。
風景を描かないモディリアーリと風景をよく描いたジャンヌ、互いに補い合っている気がします。
さて、図録を購入しなかったので、okiさんの解説になるほど!でした。モディリアーニが背景を描かなかった理由は統合失調症にあるのですねぇ。展示作品に1枚だけ風景画がありましたが、珍しいなぁ、と思ったくらいでした。okiさんのおっしゃる通り、あるがままを描くジャンヌとお互いに補いあっていたのかもしれませんね。
え~っと、私の感想は底が浅くて恥ずかしいのですが、TBさせていただきすね(^^;;;
モディリアーニの絵は様式が決まっているというかこれがこの人の絵だとすぐにわかりますね、そういうところも統合失調症気味かもですね。
しかしそんな彼を女性は捨てなかった、ジャンヌにとって彼はどんな存在だったのだろうと改めて考えますね。