だらだら日記goo編

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意味と無意味の間で

2005-03-29 23:21:17 | アート・文化
母の夕食をみたあと、森美術館へ行く。今日から始まった展覧会「秘すれば花」と「ストーリーテラーズ」だ。
どちらかというと前者は遊び心、後者はまじめという感があった。
前者は東アジアの現代美術だが、会場も「風水」の思想を取り入れたという。
ねっころがって天井のオブジェを見たり、作品の中に入ったりもでき、鑑賞者それぞれ楽しめる。
日本からはご存知奈良美智の作品もある。
ちょうど「アーティストトーク」が行われており、結構混雑していた。
遊び感覚ついでにケイタイで写真を撮るお客さんもいてこれはいただけない。
しかし僕は後者の展覧会のほうが楽しめた。
「ストーリーテラーズ」はStories Behind Picturesということだ。
絵や写真、ビデオの背後にある製作者の意図を読み解こう、という試みだ。
ほとんどが知られていない作家であり、無意味ともいえる作品でもあり大方の人は素通りしていた。
しかし無意味の中にどんな意味が隠されているのかを探るのはアート好きにはたまらない。
おおよそ、その「意味」の見当がついたのは僕には日本のイケムラレイコの作品だけだった。
カタログを買い、もう一度場内へ入る。
南アフリカのアパルトヘイトの闘争とかやジェンダーの問題が背後にあるとカタログを繰りつつ妙に納得した。
その意味でこの展示はこの前の森美術館の現代建築の展示の延長線上にあるといえる。
帰りに滋賀県の近代美術館で開かれた「コピーの時代」のカタログも買う。
しかしながら現代美術はオリジナル/コピーという二項対立を超えて自己増殖しているように思える。
帰ると世田谷美術館で開催されている展覧会のカタログが届いたようで、不在連絡表が入っている。
瀧口修造の展覧会で、これまた意味と無意味のすれすれのところの展示だった。
現代美術はどこへ行くかーそれを知りたい。
ゴッホは僕の年齢で自殺したが、僕は自殺するには煩悩がありすぎるようだ。