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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

1970年の北海道旅行 その18 発掘その後

2019年02月16日 | 昔の旅行
1970年の北海道旅行 その18 発掘その後
Trip to Hokkaido in 1970. Part 11. After the digging

Abstract: After the digging, the specimens had been sent to the Kyoto University to clean up and precise study.

 結局、発掘では少なくとも46点の化石骨が見出された。

18-1 発掘平面図(亀井、1970)
Arrangement of bones.

 樹脂で固められた化石は、上側を粘土や石膏で保護してひっくり返し、木箱梱包して大学に送った。

18-2 梱包 1970.7.2
Wooden boxes for fossils.

 大学では、裏庭にあったプレハブの建物を作用場とし、数人で作業を行った。まず木箱から出して上下を反転し、泥炭を取り除いた。次いで発掘時と同じように樹脂の浸潤を行った。暑い時期で樹脂の溶媒としてシンナーを用いたからきつい作業だった。
 これらの作業が終わり、樹脂が固まったところで専門業者にお願いしてプラスチック製のレプリカを作った。実際に姿勢を決定したのは1年後の1971年8月のことだった。

18-3 レプリカによる骨格の復元 1971.8
Restoration of skeleton by plastic casts.

 でき上がった骨格は1971年4月に開館した北海道開拓記念館(現・北海道博物館)の入り口に展示された。私がそれを初めて見たのは1972年だった。

18-4 ナウマンゾウ全身骨格 北海道開拓記念館 1972.9.9
Display of the skeleton in the Museum of Pioneer in Hokkaido.

 私が勤務していた博物館も1980年にこの骨格レプリカを入手して展示した。現在も場所を移動したが展示されているから、長い付き合いである。