温故知新No2

静岡県の牧之原市から、盆栽、野球審判、蕎麦打ち、おやじバンド、その他徒然なるままに、ブログしています。

2016 山もみじの葉刈り

2016-11-29 06:43:33 | 盆栽教室
毎年11月の中旬ごろ、山もみじの葉刈りをするが、今年は若干時期が遅れる。
この山もみじは、5月の盆栽教室生徒展示会、10月末の吉田町文化祭、そして吉田公園盆栽展示会と先週までフル活動してくれた。

もみじは、落葉樹。いつまでも葉を残しているとその分栄養が枯れる葉に供給され、翌年の成長のための力の元となる栄養を余分に使うことになる。
モミジの紅葉を楽しむならいつまでも葉をつけていたいが、モミジの生育にはマイナス。

また、葉刈りのもう一つ大事なこととして、来年の樹形を想定した小枝の剪定をするため、剪定の邪魔になる葉を取り除く。
葉をすっかり取り除いた丸裸(!?)の樹形から、余分な枝などを十分見据えてカットする。

そんな葉刈りを普段は早めに行っていたが、11月の末になってしまった。
ただ、なぜそんなに葉刈りを、枝の選定を急ぐか、時期を大事にするかというと、時期を遅らせるともみじの栄養分である樹液が、カットによって枝から染み出してしまうからである。

山もみじの1年は、春から夏にかけ思う存分成長し、そのうち秋から冬にかけ翌年の成長のための栄養分を幹に、枝に蓄える。
いわゆる、種類によってそれを食用に「メイプルシロップ」として取り出す。

この山もみじも、もみじであることでその性質を持ち、剪定の時期を間違えると、切った枝先から栄養分がにじみ出る。

こうなると来年の成長に影響が出るので、養分をため込まない前に剪定を終えなければならない。

結構盆栽も、単に水をやり、眺め、剪定しだけでは十分育ってくれない、やはり成長する生き物。
気持ちをこめ、愛情を注ぎ、手間暇を惜しまず手を入れる、渾身の作業である。

もちろんそれは趣味の世界。
好きな者でなければその苦労、楽しみがわからない世界。

しかし、日本人には、大自然を限られた自然に凝縮し、またそこから新たな大自然に思いをはせる想像の世界観が心の底に染み込んでいると思うが・・・。


【写真↓:今年1年お世話になった双幹山もみじ】


【写真↓:葉を刈った後は、繊細な小枝が】


【写真↓:ようやく半分を刈る。葉を1枚あるいは2枚ずつ鋏を入れる。ここまでで30分】


【写真↓:刈った葉は、もうすでに大きなフライパン一杯に】


【写真↓:すべて刈った後の上からの写真。よく見ると、幹と繊細な枝バランスが取れている樹形だが、葉を刈った後でわかる、密集、徒長枝、逆方向などの枝がある。これを来年に向け整理する。以上45分。】



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