温故知新No2

静岡県の牧之原市から、盆栽、野球審判、蕎麦打ち、おやじバンド、その他徒然なるままに、ブログしています。

牧之原市議会決議「浜岡原発永久停止」No2

2011-10-03 21:14:19 | 日記・エッセイ・コラム

そんなことを考えると、今現在のこの家に対する考え、この地への執着が新たな視点から考えなければならなくなる。
今、私の家の親父たちが建てた部分は、結構痛み始めている。
また、そのあと建てた私の居住部分も、ぼちぼち手直ししたいところが出てきている。
しかし、今これらに大金を注ぎこんで改修する気にはなれない。

改修して気持ちよく住み始めた矢先に、津波、原発災害で元も子もなくなることも考えられなくはない。

だから、なるべくこの家、土地には金をかけず、その分資金を貯めてこの地から離れた原発の影響のない安全な場所に転居する考えも頭の片隅で、くすぶり始めている。
津波だけなら、この牧之原の周辺の、より高い場所に移転することで被災は免れる。

 

なかなかこの周辺の高台は、優良農地が多く、たやすく住宅用地を見つけることはできないが、仮に思い切って移転を考えるとしたら、不可能ではない。
実際、私の回りの今後家を建てたいと考えている連中のなかには、今の平地を離れ高いところを考える者も少なくはない。

 

老後の夢があんなに鮮明に見えて、心うきうきしていたものが、今は霧の中で、輪郭すらも見えなくなっている。
それ以上に今いる場所、生活の基盤は、このままでいいのかとの疑問を抱く日々である。

 

最近牧之原市民に対して行った原発に関するアンケートで、6割の人が、原発の停止に賛成した。
おそらく、こんな釈然としない気持ちは私ばかりではなく、この地域に住む住民の心に何らかの変化が出てきているのだろう。

 

また、この当たりの土地の価格は、3.11以降に大きな変化が出始めている。
新聞報道などで見る限りでは、もともと土地の価格は、バブル崩壊後全国一様に下落傾向にあるのだが、今年になって特に海岸地域での価格の下落は著しいようだ。
それを裏付けるように、土地の売買も、海岸地域では取引が鈍い。また、アパートの入居希望も、海岸地域は敬遠され、より高い場所のアパートへの入居を希望するようだ。
当然である。
そして、原発の周辺はというと、土地の取引がまったくないとのこと。価格にも影響が出ているようだ。

 

今、東北の震災を見て、確実に来ることがはっきりした東海地震。
この東海地震により必ず発生する大津波は、またこれも福島原発で原発安全神話が残念にも崩れ去り、浜岡原発に災害をもたらすことを否定できなくなった。
しかも、絶対安全という科学的根拠が崩壊した今、浜岡は今後どんな対策を行っても、確証、実証は示すことができない。
中部電力は、今後原発の周りに巨大な壁を建設し、津波対策を講じることとしている。
しかし、この壁がはたして万全の対策となるのか。

 

この大津波に巨大壁が効果を発揮するのかどうかは、東海地震が起こったときでしか検証できない。その時に対応できたかできなかったかが初めてわかる。もちろんここで、やっぱり駄目でしたは許されないことである。

人間は、自然の猛威に立ち向かって、その知恵を積み重ねた科学で、生活水準を今にまで高めてきた。

しかしそうはいっても、全ての自然に対し、科学が、技術が万能を発揮し、コントロールできるかといえば、否。

むしろコントロールできないことの方が多いのではないか。

だから、巨大な壁に囲まれた原発を、安全だと信じ、その時が来るまでだまって見られるのか。
いつ来るともわからない地震と津波と原発災害におびえながら、これから私たちは生活していかなければならないのか。
今の現実、浜岡原発は、我々に突き付けられたダモクレスの剣となっている。

 

浜岡原発は、40年前に建設が始まり、昭和51年に1号機が稼働した。
この当時、この地域の活性、社会基盤の整備、生活水準の向上をかかげ、危険な原子力発電所をここに誘致した方々がいる。
その当時は大英断で、その後のこの地域の興隆がそれまでと比べ飛躍的に変化した。
したがって、これはこれで正しい判断であったと思う。

 

ただし、40年前に誘致に心血を注いだ方々の中に、簡単に永久停止などというな、40年間の苦労がわからないのかと憤る方々がいるようだ。
しかし、この方々も、万一の場合、命を、土地を捨ててもいいとの判断で誘致していたわけではない。
原発が万一の事故も起こらない安全な施設であるという国の保証、中部電力の説明を信じて地元はようやく承知したのだ。

 

しかし、稼働後30年を経過したにもかかわらず、建設した原発は、今でもトラブルを日常的に起こし、常に危なっかしい運転を続けている。
ただし、30年前は、いつかはトラブルを皆無にするそれ以上の技術が開発されるだろうと思っていただろう。
だが、いまだかつてトラブルを根絶したとは聞いていない。

 

あるいは、今原発の使用済み燃料の処理で、その方法、安全に保管する技術が確立されていない。ただ水に浸けてあるだけの未処理の状態である。
おそらく、30年前は30年後には処理できる技術が、施設ができているだろうという見切り発車で、運転し始めたのではないのか。
しかし、今現在効率的な処理方法を開発していない。

 

つづく・・・。

コメント
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