写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

CD発売余話

2014年09月08日 | 岩国検定

 岩国検定の実施に先立ち、9月1日より「いわくに通になろう」というテキストブックを本ではなく、CD版で発売することを、新聞や市報を通して発表してもらった。その反響が事務局である我が家に電話で入り始めている。相手は殆んどが60歳を超えた悠々自適の男女だけあって、ちょっと面白い会話を楽しんでいる。

 その1.「CDが欲しいのですが」「パソコンはお持ちなんでしょうね」「パソコンはありませんが、DVDを見るプレーヤーではだめですか」「たぶん無理でしょう」と答えた。CDとDVDとの違いが分からない人からの申し込みがある。説明不足であったことを反省する。

 その2.「代金はどのようにして払えばいいのですか」「郵便振替でお願いします。振替番号を言いますのでメモして下さい。●×#%&……」「あんたのいい方は早すぎる。年寄りじゃけえゆっくり言って下さい」「あっ、ごめんなさい。いいですか。●・×・#・%・& ……にお願いします」「振替ってどこでやるんですか」「郵便局です。よろしくお願いします」で一件落着。年配者への対応は難しい。

 その3.「CDが欲しいんですが、どうしたらいいでしょうか」「お近くの方なら振替料も送料もかかりませんのでお持ちしますが」「いや、来てもらわなくていいです。家が散らかっていますんで…私がそこへもらいに行きます」と、自宅への配送を固く拒む人が数人いた。個人情報の流出を嫌がる人かも。

 その4.川崎市から9枚分の郵便振替があった。確認することがあって電話をかけてみた。「CD版なのでパソコンで見るのですがパソコンはお持ちですか」「私は86歳になるが、パソコンは使える」「9枚もどうされるのですか」「友達に配るつもりだ」「立ち入ったことをお聞きしますが、お宅は岩国とどういったかかわりがある方なのですか」「親父が岩国の帝人に勤めていて、私は小学校を卒業するまで岩国に住んでいた。岩国のことを知りたくてCDを買うことにした」と言った。幼いころの思い出を辿りたいのか。

 その5.「CDを買いたいのですが……」「近くの方なのでお届けします」「朝8時から夕方5時の間なら家にいるから、いつ来てもいいよ」。はてさて、この人は夜のお勤めの方か? と思って行ってみると、商店であった。店を閉めたあとは別な場所にある自宅に帰るのだろう。ちょっとした誤解であった。