写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

あぁ、勘違い

2009年09月12日 | 生活・ニュース
 71歳の女性が体に異常を感じて病院へ行き、腹部の超音波検査をすることになった。医者から、服を脱ぎベッドの上に横になっているように言われた。肌着だけは着けて横になっていると、カーテンを開けて入ってきた医者が「全部脱いでください」と言って出て行った。
 不思議な気はしながらも、肌着だけでなく下半身の下着も全部脱ぎ真っ裸で横になって待っていた。再び医者がカーテンを開けて入って来ると、あわてた様子で「脱ぐのは上半身だけでいいですよ」と言って、すぐに出て行ったという。
 「全部」と言う言葉を聞いて、着ているもの全部だと勘違いをしたと笑わせているが、先日これに似た面白い話を聞いた。
 年配の女性の入れ歯が上下とも少し具合が悪くなったので調整してもらおうと思い、かかり付けの歯医者に行った。
 上の入れ歯を外して歯茎との当たりを調整してもらい口に収めたとき、「はい、したを出して下さい」と医者が言った。
 口を大きく開けて言われた通り舌を長く出した。「いやいや、舌ではなく、下の入れ歯を出して下さい」、笑いながら医者が言ったという。
 内科であれば舌を見せることもあるが、歯医者でアカンベーのように舌を出している自分が恥ずかしかったと赤面していたという。
 その時の状況を理解して冷静に考えれば、下着を全部脱いだり舌を出す必要がないなどは分かるのだが、とっさに何か言われての、こんな勘違いはよくある。勘違いをされた方も驚くが、その場を何と言って取り繕ってあげればいいのか、言った相手も困っている。こんな勘違いは、恥ずかしい話であるが面白く楽しい。
 今回の衆院選挙はまさに地滑り的な民主党の大勝ち。「政権交代」の大合唱に、国民の大半が勘違いしたとは思いたくない。新政権、勘違いではなかったという確信を持つため、しっかりと見届けていきましょう。こちらの勘違いは、命取りになりますからね。
(写真は、ワイキキの浜と勘違いしそうな「通津の浜」)