写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

ナイター観戦

2005年08月25日 | 生活・ニュース
 一年ぶりに阪神・広島戦を見に広島球場に行った。デパ地下で弁当・缶ビール・つまみ・お茶を買い込み、試合開始1時間半前に入場した。

 私は、両チームのファンなので、どちらが勝っても良いという、気楽な観戦であった。昨年は、レフト側の外野指定席であったが、阪神の攻撃の時には観客が総立ちして応援するため、座っていては全然試合を見ることが出来なかった。

 その反省を踏まえ、今年は、3塁側の内野自由席に座った。食事を済ませほろ酔い気分でいると、いよいよ試合開始である。

 目下首位の阪神対最下位の広島戦にもかかわらず、観客の入りは8割くらいであった。阪神が打ちまくり、7対1で勝った試合であっただけに、阪神側の応援は始終気勢があがりっぱなしであった。

 私の前方の通路には、法被を着た3人の中年の男が、レフトスタンド中段に陣取った応援団のリーダーの方を向きっぱなしで、笛・太鼓・手拍子で、スタンドの観客の応援をリードする。

 彼らは頭の向きからして、肝心の試合は全く見ていない。試合開始から終了するまでひたすらリーダーのほうだけを見ている。

 試合を全く見ないで3時間半、汗びっしょりで応援ばかりの彼らの目的は、観戦を楽しむのではなく、身体を動かし汗を流すことが目的だろうか。

 結構年配の男がこれほどまでに没頭できる応援というものは、結構奥が深いものなのかも知れない。

 そういえば観客も、お気に入りの選手のユニホームを着て、メガホンを打ち鳴らし、応援歌を歌い、大声を出して観戦している。

 今や野球観戦は、単に試合を観るだけでなく、観客が一体となって自分が主役のお祭りをやっているのではないかと思えた。

 それにしても、長時間、一時たりとも休みのない笛・太鼓・大合唱の阪神ファンは翌日、ちゃんと仕事は出来ているんだろうか。少しフアンになった。
  (写真は、試合に背を向けた「阪神応援団」)