写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

リーダー

2005年08月10日 | 生活・ニュース










 

 この夏の我が家の食卓には、今までになくゴーヤチャンプルーが何度も乗った。いや、昨年までゴーヤなど食べたことはなかった。

 5月の連休明けに、裏庭に戯れで植えた3本のゴーやが、所狭しと畑を席巻し、毎日何本もの収穫がある。

 今日もいそいそと取りに行こうとしたその時、庭と畑の境の地面に、月のクレータのようなものを発見した。

 しゃがみ込んで観察をしてみた。細かな砂粒を集めたもので、外径が5~6cm、高さが2cm位あろうか。

 クレーターの真ん中に、ミミズの干物のようなものが横たわっていた。周辺には何匹かのアリが、食べるわけではなく忙しそうに出入りしている。

 クレータが、さながら夏祭りの祭壇のようにも見える。それとも、アリの朝食の食卓なんだろうか。盛り上げた砂は、一体何のためだろう。

 こんなものを作っているところを見たことがない。よく見ると、アリにとっては結構大きな砂粒を盛り上げている。大工事だったに違いない。
 
 これを作る時、一体誰が作ろうと言い出し、誰が設計し、誰が現場工事の指揮を取ったのだろうか。

 小さなアリの社会で、同胞からの造反もなく、一致協力して作り上げたように見える。強力なカリスマリーダーでもいるのだろうか。

 収穫したゴーヤを前に、「郵政解散」というテレビニュースを見て、「こんなこと、アリ?」と驚きながら、日本丸のリーダーに思いを馳せた。

 それにしても、このクレータは何だろう。皆さんは見たことありますか。
  (写真は、アリが作ってくれた「クレーター」)