写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

エラー

2005年08月01日 | 生活・ニュース
 全国高校野球大会の県予選が終わった。一昨年・昨年と甲子園出場を果たしたわが母校は、今年は準々決勝で敗退した。

 昨日は朝から準決勝の2試合を、テレビで見た。ベスト4ともなると、何れのチームも鍛えられており、見応えのある試合を展開した。

 とは言っても、そこはまだ高校生である。ところどころにプロとは違って、精神的・技術的に発展途上の幼さが見られる。

 第2試合は投手戦で、2対1で9回の裏になった。それまできっちりと投げていたリードしている方の投手が、降る雨の中突然崩れた。

 先頭打者にヒットを許し、2死2・3塁から連続4球で同点とされ、延長戦となった。土壇場で、4球を選んだ攻撃側の選手もさるものである。

 延長11回裏、2死2塁、サヨナラのピンチになった。センター前に抜けそうなゴロを、ショウトが横走りして好捕した。

 しかし、体勢不備のまま1塁に送球したボールは、中途半端なワンバウンドとなり、ファーストが後逸する間に、2塁ランナーがホームインして、試合は終了した。

 エラーをしたショートは、試合終了の挨拶の列に辛うじて並んだが、その後、ベンチの前で泣き崩れていた。

 試合の途中でも、双方ともエラーはあったが、最後のこのエラーで試合は決まった。

 この選手にとっては、生涯忘れることができない痛恨のエラーであろう。しかし、それはいい。どんなに頑張っても、失敗することはある。

 失敗はみんなが経験する。大事なことは、その失敗の対処の仕方・乗り越え方で、その人のその後の人生が決まるということだ。

「若さ」が良いのは、その失敗を取り戻せる時間が充分にあるということかもしれない。がんばれ、球児。頑張れ、若人。先輩より。
   (写真は、高校野球「校旗掲揚」)