写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

ハチ合わせ

2005年08月08日 | 生活・ニュース
 お盆が近くなってきた。いつ行くかは決めていなかったが、今朝、急遽、妻の実家に墓参りに行くことにした。

 我が家から80kmのところだ。健在な母のいる実家へ行くとなると、妻の心は躍るのだろう。

 持って行くもの、途中で買っていくもの色々あるようだ。急に決めたので持って行くといっても、大したものは家にはない。

 私が着替えをしていると、妻は我が家自慢のブルーベリーを摘んでくると言って、ざるを持って庭に出た。

 これで作ったジャムを、母が好きだということは聞いていた。たくさん熟れていればいいなと思いながら、シャツのボタンを留めていた時のことだった。

「おとーさーん、おとーさーん、たいへ~ん」と、絶叫調の声がした。妻が玄関から走って入ってきた。

「ハチに2箇所、2箇所刺された~」と叫びながら、腕に口をつけて、毒を吸い出している。

 たった1ヶ月前にもハーブの庭でハチに刺されたばかりだ。その時医者からもらった塗り薬が、まだ救急箱に入れてある。

 買い置きの、虫刺されの液体の薬を塗った上に、その塗り薬も塗った。前回は、首筋までも痛くなったと言う。

 そうならないよう、直ぐにまた病院へ行った。しばらくすると、電話があった。点滴をした後、しばらく病院で安静にしてから帰るという。

 せっかく思い立った実家への墓参りも、予定変更になった。奇しくもその日は8月6日。さては、ハチはムサシだったのか。
 
 ひと夏で2度目のハチ合わせ。天敵のようなハチに、点滴で対抗している妻の熱い戦いは、この先まだまだ続きそうだ。
   (写真は、ハチ刺され対応の「塗り薬」)