写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

ひょうたん

2005年08月02日 | 季節・自然・植物
 うだるような暑い日の午後、高校の同級生だった友に誘われて生まれて初めてあるものを見物しに行った。

 あるものとは、「巨大ひょうたん」である。友の住む海辺の町で、定年退職をした人が、昨年からひょうたんを育てている。

 海を見下ろす小高い畑に、がっしりとしたぶどう棚のようなものが組んである。

 その棚から、見たこともない巨大なひょうたんが5個ぶら下がっていた。いや、ぶら下がるといっても棚から吊り下げられたサポート台の上に鎮座している。

 ほぼ成長し終わった形だと言うが、高さは7~80cm、腰周りが1m、もあろうか。重さは20kg、とにかく大きい。

 ひょうたんは、うり科の1年草で、熟すと果皮が固くなり、中をくり抜けば酒などの入れ物に使える。食べられる訳でもないのに、趣味で作る人は結構いるという。

 年に一度、県内での品評会もあるそうだ。美人コンテストと同じく、スタイルを厳しく審査するらしい。

 全体のバランス、ヒップの大きさ・張り具合、くびれの度合い、バストの大きさが問われる。

 木陰で缶コーヒーを頂きながら巨大ひょうたんを眺めていたら、美人コンテストの審査員のような気分になってきて、まゆが下がる。

 「ひょうたんから駒」、冗談で言ったことが思いがけず実現すること。今日が最後のサマージャンボ宝くじを、忘れないように買いにいこう。

 「ひょうたんの川流れ」、あてもなくぶらぶらしていること。今の私のことである。風に吹かれ、ぶらり ひょうたんで生きていこう。

 あっ、岩国には、あのマリリン・モンローが新婚旅行で来たことがあると聞いた。ひょうたんを見ていると、頭の中がこんな所に飛んで行った。
  (写真は、見物した巨大ひょうたん「マリリン」)