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マツタケは栽培できる(8)

2005年09月24日 | マツタケの生理生態

写真は、人工林に胞子を播種して発生したマツタケ.日本で初めてである.

人工アカマツ林にもマツタケは発生
岩泉町に13、000ha以上、岩手県全体では15万haのアカマツ人工林がある.アカマツ人工林は、そのほとんどがマツタケ発生前の若齢林で、ある林齢までは除間伐作業がなされるが、その後は、放置されているに等しい(有用資源の放置である).
しかし、岩手県林業公社造林の人工アカマツ林にも、マツタケの発生がすでに確認できている.このことは、人工アカマツ林でマツタケ栽培が可能になっていることを示している.

岩泉まつたけ研究所の輝かしい成果の一つであるが、向林試験林の一斜面に人工植栽のアカマツ林がある.1991~1992年にわたってアカマツ林の手入れを実施.そのあとに土壌表層に階段状のステップを作り、マツタケの胞子とアカマツ細根との出会いすなわちマツタケ感染の機会を大きくするための作業を施した.
1997年に、マツタケの自然感染による初シロが二つ形成された.岸町有林(1994、マツタケ胞子の人為散布法でマツタケ発生)についで二度目の成功である.このことは、人工アカマツ林におけるマツタケ栽培法が確立したと考えてよい.実はそれは江戸時代にも見られるマツタケの栽培法であったのである(群馬県太田市金山城).

アカマツ人工林でマツタケを栽培するためには、林齢15年くらいあるいはそれ以下の若齢林にマツタケ発生環境整備作業を行うようにすべきである.現在の材生長の手入れ(=除間伐材の林内放置=土壌の富栄養化を招く=キノコが減少=樹木の衰弱)から、マツタケ栽培の手入れに変換をすべきである.

マツタケ向きの手入れを施しても、材の生長に有意の差はなく、むしろ、樹木の生長に有意な効果をもつ菌根性のキノコの減少を招く現在の林業技術は直ちに変更すべきであろう.

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