まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1109

2016年05月17日 |  マツタケの林地栽培 


                                図. 京都市岩倉 香川山の地温 (縦軸は温度5℃刻み、横軸は測定時刻、2016年3月4日から5月13日)

 
京都市左京区岩倉香川山(活動拠点)の気象データを回収・図化しましたので、香川山アカマツ林地表下10cmの地温の推移をご覧下さい.3月4日12時から5月13日11時までの連続的変化(60分ごと)です.大変見にくく申し訳ありません.
 
このデータをマツタケの生活と合わせると土の中のアカマツとマツタケの様子が目に浮かびます.アカマツの根は、この辺りでは通常2月から伸び始める.暖冬で今はもっと早いだろう.生物は5℃以下で休眠、5℃を越えると代謝が活発になる.地温が5℃になるとアカマツの根もマツタケの菌糸も伸び始める.接触すると感染、菌根を形成する.7℃にもなると菌糸の伸びもよくなる.15℃以上では、観察次第で菌糸の伸長も目に見えるほどだ.どんどん菌根形成がすすむ.
 
 概要は、3月の平均地温は、最低5.4℃、最高は11.4℃で、月を通して9℃前後である.4月になると平均地温は、上旬で12.6℃、中旬で13.1℃、下旬では14.7℃になっている.5月上旬では15.8℃を記録した.降水量(京都気象台データ)は、3月は下旬に少なく計69mm、4月は上旬に高く100mmを越え、トータル180.5mmである.マツタケとアカマツの菌根形成は目下順調と思える.

 しかし、この冬も暖冬気味で諸害虫の低温ショックが期待されない状態であったことが気になる.これは虫食いマツタケに影響する.それに夏にはラニーニャが発生するという.猛暑予想だ.前回のラニーニャ発生は2010年である.全国のマツタケ生産量は140t.久々の豊作であった.

 もちろんアカマツ林の状態、温度・降水量にその降り方、山の土壌の質など考慮せずに捕らぬ狸の皮算用では、ラニーニャ発生時は、その4割はマツタケ発生量がよろしいようだ.はっきりと悪い年は1割となっている.

 榎本班活動エリアにツガの苗が育っている(1).10年過ぎるとめざましい生長を見せるという.共生する菌根菌が交代するのではなかろうか.ザイセンチュウに犯されない樹でマツタケが感染・発生することをねらっている.三品班作業地に播種したアカマツが1本であるが発芽していた(2).

1.昨年鞍馬で集めたツガの実生が元気である.

2.三品班作業地で発芽した香川山のアカマツ
 

3.岩倉の山もシイ林(常緑林)に侵蝕されている

里山林は泣いている.写真3をご覧下さい.ここ香川山から見る岩倉の山にもシイ林(スダジイやツブラジイが混交しその彷徨変異は連続的で区別が素人では難しい.)が席捲するのも時間の問題である.やがて京の紅葉が見られなくなる日が来るだろうと心配される.中国雲南省ではシイ林でマツタケが採れます.日本では無理でしょう!

 アカマツの2年葉の先端が黄化している(4).なぜでしょう?

  でも、アカマツの雌花が小さく赤くて美しい(5).
 

5月21日(土)はまつたけ山復活させ隊第538回活動日です.午前10時に京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称)にお集まり下さい.活動報告は宮崎 昭さんです.当日夜、ブログで是非ご覧ください.

【まつたけ山復活させ隊の心得・7箇条】悔いの残らないようにするには!
  
私たちは、マツタケの生活する里山再生・保全のため集うものである【最近、この原則を踏まえない人の参加が多い.そのうち心得違いの交通整理が必要かな!】
 
1.あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!
2.チェーンソーで立木を伐る作業は、取り扱いを習熟するまで厳禁です.事故が起こったら自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.
3.掛かり木の処理で死亡者が続出だそうです.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生.作業は慎重に!
4.急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.切り株を残さないように地際から伐りましょう!
5.マダニ対策の徹底を!
  イノシシやニホンジカの行動エリアが非常に増え、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性脳炎症も日本に存在する.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.
7.熱中症にも気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう. 
   
【お知らせ】問い合わせや興味ある方は、吉村までメールあるいは電話下さい.
1)南丹市園部町大河内生産森林組合 20年生 アカマツ林診断
  日時:5月23日(月)9:44JR二条駅発 10:21JR園部駅着
  老齢化した3haのマツタケ発生アカマツ林を20年前に皆伐、現在きれいなアカマツ林に再生されている.近辺に50-60年生のマツタケ発生アカマツ林があるとのことで、将来マツタケのシロを20年生アカマツ林に誘導できるロケーションにあるか、また手入れ方法の決定のため調査を行ないます.

2)大石 高典君 歓送会
  まつたけ山復活させ隊メンバーの大石 高典さんが、東京外国語大学世界言語社会教育センターに教員として転出されました.氏は、カメルーンの森に生きる農耕民と狩猟採集民たちを民族境界にある人々と位置づけ、そこによこたう様々の事象を歴史生態学の立場で13年の長きに渡って研究されていました.また、京都大学マツタケ研究会を主催しその功績大なるものがあります.彼の京都脱出は、大変残念な思いがありますが、若手研究者がさらなる展開を見せるまたとない機会と言えましょう.みんなで祝いたく存じます.
日時、場所が決まればお知らせします.ふるってご参加を願い上げます.
  
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【まつたけ山復活させ隊とは!】
マツタケの生活する里山再生・保全のため集うものである
 我々の仲間には、山づくりをする人、運ぶ人・軽トラを貸してくれる人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、食事を作る人、道具類を整備する人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人、多機能窯を守る人、山を提供する人などがいる.すべての参加者は、運動の目的を実現するために互いに対等で支え合い助け合うことを必要とする.

活動には、目的はあっても参加者の行為を縛る規約らしいものはない.個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるようにと願ってのことである.しかし何をしても良いわけでは断じてない.


§活動場所:
京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山 (自称:京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分)
活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」終点が便利です.バスに乗車するには、

ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.登録外参加者・見学者などは500円(施設利用代などを含む).

§参加や見学希望の方は、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.また、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?

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まつたけ山復活させ隊活動日

2016年5-6月
回 開催日    報告担当者  男厨シェフ

538 05月21日(土) 宮崎
539 05月27日(金) 内田
540 06月04日(土) 吉村           内田・榎本班
541 06月10日(金) 榎本
542 06月18日(土) 三輪
543 06月24日(金) 宮崎

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§カンパありがとう!
 Hさん!ありがとうございます.
  
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173

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§主 催
まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forest
代表 吉村 文彦(微生物生態学)
京都市
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com

香川理化学研究所(香川山オーナー)
代表 香川 晴男
京都市

コメント
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