まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 906

2014年04月29日 |  マツタケの林地栽培 

皆さん! 心に、体に良いことなさっていますか! 
 山を見渡すと、目に優しい若葉の緑が飛び込んできませんか! この連休をただただ観光地を巡るだけでなく、1日くらい、フィールドに出てみてください! こんなリフレッシュ法もよいもんです。出費は少なく効果は最高!すべて費用対効果で決めるべきではないと思っています。必要なものは必要なのです。資本主義的思考に毒されている悪しき風潮と闘っているのですが・・・・。
 
 前回(4月25日)の活動の様子を紹介します。山には、アカマツの早緑(写真1)と樹肌の赤が美しい。美しいものではありませんがネズの花が満開(2)です。ネズにはマツタケが感染します。マツタケのホストスペクトル(宿主の好み)は、幅広いようです。色々観察が進めばもっといろんな植物に感染することが明らかになるかもしれません。でも、キノコを出すための条件は、感染すると言うこととまた別のことです。
1)  2) 3) 4) 5) 6) 7)

 
 畑は、冬から夏に向けて端境期と言うんでしょうか、なにやら準備がなされています(3)。「果樹園」には、リンゴの花が、これまた満開状態です。ピンクのツボミが可愛いですね(4)。花畑には、園芸品種同定は不得手ですが、アガパンサスかヒメアガパンサスの花が咲いている(5)。

 香川山BCには、、電気も水道もある(批判的意見も承知していますが大変便利です)。ちなみに、電気代と水道代は山主・香川晴男さん、僕の大先輩に全面的に依存している。目下甘えています。BCは少し高台にあるため、水圧を維持するには水道タンクが必要で、タンクに水を一度ため、モーターで圧送しています。その小屋をタンクの掃除などメインテナンスがし易い形にリフォームしています。棟梁は、ご存じ橋本さんです(6)。

 昼食のメインディッシュはチヌの塩焼きでした(7)。食事当番の仲間の作業です。いつもありがとう!感謝です(8,9,10、11)。キンカンを採取して、ほどよい甘さの甘露煮を作ってくれたOBさん(12)。まつたけ山復活させ隊には、陶芸班(世話人は内田正明さん)がありますが、近藤高弘さんの指導の下、ポスト民芸運動に興味を持って、これは難しい課題ですが( http://1000ya.isis.ne.jp/0427.html 参照ください)、作品作りに励んでいます。その作品にお新香が盛られていました(13)。
なかなかの器です。 
8) 9) 10) 11) 12) 13)  写真は、左クリックで拡大します。
 

 5月3日(土;祝日.憲法記念日)は、まつたけ山復活させ隊第437回活動日です.本日は、日頃の食事作りに感謝する意味で、特別シェフ内田 正明さんの料理を戴きます。楽しみです!
気温が高くなって来ました。マダニなど虫刺され、事故に気をつけて、マツタケ山づくりを楽しみましょう!
 
 午前10時に京都市左京区岩倉 村松 香川山(自称:下記の§活動拠点へのアクセスを御参照下さい)にお集まり下さい.本日の活動の様子は、池内 正憲さんが当日の夜に報告します.大阪府茨木市から藤井さん夫妻が見学にお越しになります。
 
 
マツタケ山づくりの話13 
  このシリーズも13回になりました。可能な限り専門的にならずに書き進めてきました。マツタケとはどんなきのこであるのかを知るために、その生理生態、次いでその生息地であるアカマツ林が含まれる里山林の危機と進み、日本ならではの発想「マツタケの生活する里山林」づくりを担う市民の運動を紹介して参りました。
簡単にいえば<マツタケは、人による原生林の破壊によって登場し、人による里山林の破壊によってその生を終わろうとしているように見える> 何とかしたいというわけです。
 
 そこで今回は、(株)トロント刊行(03-3408-1521)の「マツタケ山のつくり方」と大学の講義資料などを参照にしつつ、その実際を書き進めて参ります。 

☆マツタケの栽培適地の失敗のない選び方 
 昭和40年代に始まるマツタケ山づくり作業の反省から、マツタケが1本でも出ているアカマツ林を探すことにいたしましょう!
まず、近くのアカマツ林で、マツタケを探してみよう。とにかく1本のマツタケを見つければ勝ちと考えます。探す時期は、近くでマツタケが採れたと噂が流れた頃から始めましょう。

①山の西から南に位置する斜面(最近では北面も可)を下から上にマツタケを探しながら登る。所によっては平地林でも見つかる。アカマツの樹の一番下の枝(プロは力枝と呼ぶ)が力強く横に張っているアカマツがあるほうが良い(適齢)。上長生長の盛んな若いアカマツは、両手を上に上げたような枝振りであり、マツタケの発生には早過ぎる。

 昔から、アカマツの幹にコブがある、幹がまっすぐでないほうが良い、葉が黄色っぽいほうが良いとか、の言い伝えがあるが、それらの多くは科学的な証明はされていない。でも痩地のアカマツはそんな風になりやすい。とにかく、いま、必要なことは、たった1本のマツタケを発見することである。

 今なら、アカマツの枯損が激しい地域にでも、ましなアカマツ林があれば、1本のマツタケは見つかるものである。ただし秋の発生期の天候に大きく左右されるので数年間は調べます。 また、マツタケの生活できるアカマツ林かどうかを「マツタケに判断させよう」というのである。人間よりは確かである。見つかれば、しめたものだ。弱ったシロを元気にすることは可能といえるからです。

探しましょうー、マツタケを!
②マツタケが見つかった!! それはどこにあった? 尾根筋? 中腹? 山裾? 

③中腹より上にマツタケがある山は、即、第4・5章を見ながら手入れを開始しよう。「マツタケがたくさん生えている山の姿を自分の頭にイメージしながら作業をせよ」 である。

④山裾にだけマツタケが出る山は、もうすぐマツタケの発生が止まったり早急に減ったりする恐れがある山だ(下り山と言われる)。そのような山でも、僕がいた岩泉まつたけ研究所の試験林では、手入れの確実な効果が見られた。アカマツが生長し続けるように手入れして、100年を超える松林で立派なマツタケを採り続けている人は全国にいる。しかし、期待したほど手入れ効果がないこともある。これは、人間に見えない山の土の富栄養化が障害となるケースである。   

⑤マツタケが発見できない場合、ただチャンスに恵まれないだけなので、場所を変えたり来年探して見よう。その時、林の年を見ておくことを忘れずに。普通、平均樹齢30年くらいからマツタケは発生するが、同じ地域でも山によって50年生くらいのアカマツ林となって初めて発生を見ることもある。樹の年を正しく見るのはけっこう面倒なものだが、枝で数えるのが素人向き(枝数に3年を足す)。背が高いと枝数を数えにくいが、出来るだけやってみよう。それによって、アカマツ林が若すぎてマツタケが発生しないのか、古すぎて発生しないのかを知ることができる。

次のようなアカマツ林を持っている人は、金の卵を産む鶏を持っていると考えましょう。
⑥マツタケが発生していない35年より若いアカマツ林を持っている人は、今から手入れを始めて損はない。4・5章を参照しながら作業入りである 。近くにマツタケ発生アカマツ林があれば、あとは発生を「まつだけ」である。

⑦自分のマツタケ山で、最近、マツタケの生産量が落ちているなと感じているなら、第5章の「老齢アカマツ林の若返り」を読んで手入れを続ける。もちろん、このようなアカマツ林においても適切な手入れがなされると増産が見られている。

⑧そんなに発生量が落ちた感じがない林では、即、第4・5章を参照して穏やかに手入れをすれば増産間違いなしである。手入れ作業をやり過ぎないことも必要である。和歌山県富貴まつたけの産地に山を持つ岩田光浩氏は、それを実践されている。一度見学されると、大いに参考になります。

⑨50年より年上の場合は要注意。もし本当にマツタケが生えたことがない場合、マツタケが生活できない林と考えられる。そんな林は手入れでマツタケがで出てくる可能性は低いからである。他のアカマツ林を探して見よう。思い切って、第5章の「老齢アカマツ林の若返り」のとおりに林を再生することも一つの方法であるが、立派なアカマツ林である場合、その材は、建築用の梁の材料として重宝されるはずである(建築関係者に相談すればよい)。まつたけ山復活させ隊は、京都岩倉でアカマツ林の再生に取り組んでいる。

⑩35年より上で50年以下の松林は、手入れをした上で、第5章の「マツタケの人為感染」の項を参照して人為的にマツタケの培養菌糸をアカマツの根に感染させる方法などを実施する。これは専門家に「試み」をゆだねることになります。これは、勧められる状態にはありません。

⑪昔良く生えたんだよなぁーという山は、第5章の「老齢アカマツ林の若返り」の項を参考に皆伐したり帯状に択伐したり、また苗を補植したりして、アカマツ林を若返らせてみよう。このようにして、400年間にわたってマツタケを採り続けた地域がある(今の群馬県太田市)。里山林に人手を積極的に加えることは、自然保護に反してはいない。里山林は大昔からこのようにして守られてきたのである。

☆人工アカマツ林にもマツタケは発生する
⑫アカマツ人工林に手を入れて、岩手県岩泉町では、6年ほど経過してマツタケが初めて発生したケースが増えました。調べてみると、人工アカマツ林でマツタケを採っている人は全国的にたくさんいる。残念ながら 天然性アカマツ林と比べると、量的には、かなり劣ります。

いずれにしても、栽培適地はマツタケが生えている場所である。自分の目で判断したいという方は、このシリーズもしくはマツタケ山のつくり方(トロント版)「マツタケはこんなアカマツ林を好む」の項を読んで試して下さい。

続く!  次には作業方法に入ります。


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ブログ左欄ブックマークのNIKONオンラインギャラリーを左クリックしてギャラりーに入り、活動風景を御覧ください.
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§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山 (京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分) 
 活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.
アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車.
このバスに乗車するには、
ア)JR京都駅七条口から(バス停「C6」番、所要時間約60分)
イ)阪急京都線四条河原町駅から(四条河原町交差点河原町通り北へ上ル東側)40分
ウ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側、約30分)
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル1番)約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、現在、食材費+消耗品費として400円を徴収.登録外参加者・見学者などは要500円(施設利用代などを含む).

§参加や見学希望の方は、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?

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まつたけ山復活させ隊活動

予定日  2014年5月~6月
回  開催日    報告担当者  男厨シェフ

437 5月03日 土  池内      内田    藤井さん夫妻(茨木市) 見学
438 5月09日 金  内田
439 5月17日 土  榎本
440 5月23日 金  三輪
441 5月31日 土  宮崎            京都精華大学 地域環境学(板倉 豊教授担当)受講生25名参加
442 6月06日 金  内田
443 6月14日 土  池内      川崎
444 6月20日 金  榎本
445 6月28日 土  三輪

    11月7日(土)               京都造形芸術大学 環境学受講生 マツタケ山づくり体験 

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§カンパありがとう!  

§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173

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§主 催
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学)
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
090-6227-4305 redpinemushroom@gmail.com

香川理化学研究所
代表 香川 晴男

§共 催
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典

コメント
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