まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 902

2014年04月15日 |  マツタケの林地栽培 

春らしい天気が続いています。でも、気温が秋のようにも思えます。皆さんにアウトドア-「活動」をお勧めいたします。心と体に良いことだと思われます。

 里山に立てば、生物多様性、生態系、共生という言葉が実体となって私たちに優しく語りかけ、また厳しく問いかけてくる。心が揺さぶられるが、共に歩を進める明るくて楽しい仲間たちも呼んくれる。そして勇気と元気、力と知恵を引き出してくれる。私たちは運動を通し、それを実感している(下記、マツタケ山づくりの話11から)。
 里山にいると、心に響く発見や人間の本質とか、自分自身に迫るような気づきがあるのだと思う(Wilhelm Stölb:座して森と同化せよ)。もちろん、オジさんに限ったことではない。仲間たちと一緒に汗をかきながら山の作業をして、あまりの山の荒廃ぶりに心底情けなくなると同時に、それでもなお山の命が私たちの心身を癒してくれるのを感じる。

前回(4月11日)の活動の様子です。香川山の境界線を確かめる仲間(写真1)。昼食づくりを担当する仲間たち(2,3,4)。ヤマガラ班の作業地は、尾根向こうのエリアとつながった(5,6,7)。三品班では倒した太い木を運び出しを考えて玉切りしている(8)。ニホンミツバチの蜂蜜を戴く(9)。ハチはいなかった。モミジガサも葉を展開しています(10)。東北と違って生長が悪い。味も使い方もほうれん草に似るが癖になる旨さである。栽培品種の味はかなり劣る。

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 4月19日(土)は、まつたけ山復活させ隊第435回活動日です.当日は、雨はないが曇りの予報です。日焼けを気にする方!安心です。

午前10時に京都市左京区岩倉 村松 香川山(自称:下記の§活動拠点へのアクセスを御参照下さい)にお集まり下さい.本日の活動の様子は、宮崎 昭さんが当日夜報告します.
 
 
マツタケ山づくりの話11
 
  前回までに、マツタケ発生量の減少の様子とマツタケの宿主であるアカマツ、それが含まれる里山林の危機的状況などをレポートしてきました。里山林を守るためには、訴えているような諸問題を解決せねばなりません。
 
 今回も、高文研出版の「まつたけやま復活させ隊の仲間たち」を引用しながら、いろんな解決の切り口がある中で「マツタケの生える里山づくり」に取り組む必要性などについて書き進めます。


今なぜ、まつたけ山を復活させ隊か――生物多様性の危機は人の危機

 まつたけ山復活させ隊(旧まつたけ十字軍)活動を市民運動として呼びかけたのは、「激減している国産マツタケを増産したい」という強い思いが根底にありますが、ただそれにとどまるものではありません。
 その活動は、マツタケの生息地破壊に歯止めをかけることにつながり、縄文時代から人の心を育み醸成してきた里山の荒廃は、今の時代を生きる僕たちに投影され、その結果、人の心も病んできているのではないかという命題に、かならず深く関わってくると思っているからです。
            
★生物多様性に依存する一方で破壊に突き進むニンゲン
 
 地球規模での環境破壊が叫ばれて久しい。そのなかで、止まらない気候変動や人為的に生じている熱帯雨林など森林の減少や水・空気の汚染(黄砂、PM2.5 )などは、目にしたり耳にする機会が多い。しかしそれらの改善の兆しもない状態だが、私たちのすぐ身近で、しかも静かに急速に進行している深刻な「生物多様性の危機」への理解はあるのかないのか、また、その改善への取り組みは鈍い。
 
 分かりやすい例を挙げると生活を脅かされている生物(絶滅危惧・危急種)のことである。なにしろ、世界中で年に4万種もの生物が絶滅している。さらに、生態系での食物連鎖や共生関係など考えると1種の絶滅は、その周囲にいる10~20種もの生物の生活に影響をもたらすといわれている。むろん、日本と私たちがその圏外にいられるわけではないのに(ホットスポット)、関心の低さ、いや、無関心とさえいえる状況が続いている。生物は必ず絶滅するが、この仮定に近い値が事実なれば、その絶滅のスピードが自然の業を越えていると思われる。

 「生物多様性や環境に無関心であってはならない」などと説教めいたことを言うつもりはさらさらありません。しかし、農林水産業をはじめ、医薬品の開発、安全な水の確保や汚水の浄化など衣食住から健康、文化まで日々の生活のほとんどあらゆる面で私たち人間は、生物多様性と、それによって支えられている様々な生態系からの「サービス」(働き・機能)に依存し、恩恵を受けて生きている。

 これは誰も否定できない事実だ。山に元気な森林がなければ海で豊かで美味しい魚介類は育たない。有機物を分解する土壌微生物がいるから良い作物が採れる土ができる。自然界には天敵がいるから量のバランスが取れ、害虫や害獣が増えすぎない、といったことである。
 
 もっと身近な例では、人間の腸内には1000種類もの細菌、微生物が共存していて、その微妙なバランスによって私たちの健康は保たれている。この均衡が破られ悪玉菌が増えたり、逆に善玉菌が減れば、私たちは体調を崩したり病気になってしまう。肉や牛乳を提供してくれるウシの4つの胃には膨大な種類と数の微生物がいて、それなしにはウシは生きられない。サンゴ虫と褐虫藻、地衣類(子嚢菌類とシアノバクタ-、緑藻)、昆虫と植物など枚挙にいとまがないというところでしょう。

 なのに今、この人間にとってとても大切な、というよりなくてはならない生態系が、常に生産性を追求するという人間活動によって危機に直面し、その必要性・価値を十分に理解されないまま事態は深刻さを増している。

 人は生物多様な生態系を利用し活用する一方で、逆に壊したり減らしたり、あるいは積極的に介入してバランスを崩すことで生産性や利益を過剰に上げようとしてきた。たとえば、農薬や除草剤による作物の害虫や雑草の駆除、排除、最近では遺伝子組み換えによる種子を作らない作物の作成によって通常の農家の存在も認めないことになってきている(バイオパイラシー)などである。複雑で扱い難く生産性の低い自然界の機能を制御し、支配する手段を次々手に入れて人間は繁栄してきたのである。

 しかし私たち人間は、自分たちも生態系の一員として「つながっている」「共生・共存している」ことを忘れている。増え続け膨張し続ける人口と欲望がはき出す「ゴミ」は地球の持っている循環システムの限界を越えている。そんなことを十分理解しないまま今日を迎えている。

 そのために絶滅した動植物が多いことはニホンオオカミを挙げるまでもない。開発によって生息地を破壊もしくは分断され、いま、四国のツキノワグマは絶滅の恐れに面している。スギの植林(使われることなく放置された)という人の活動が花粉症の発生をもたらし、同様に経済活動、とりわけ人の活動範囲が拡大するとともに新たなウイルス病が人類を脅かしている状況(パンデミック)は、その「つながり」をしっかりと理解することなしには対応が難しい問題なのではないだろうか。

 そして多様性と生態系の危機は、私たち人間の心と体にも危機をもたらしているのではないかと思える。親が子を殺し子が親を殺すという事件が多いがその現れではないだろうか。
 
 他に、街路樹のサクラの木の洞にニホンミツバチが巣を作っているのを見つけて、すぐに入り口をふさいで殺してしまう人と、それを止めずにただ見ている人の話。「地域ネコ」が気に入らないと、足蹴にする親とそれを見て真似る子ども。若い先生のお化粧に対して「そんなに化粧してもモテナイぞ」と嫌がらせをするベテラン教師と、ただそれを黙認する仲間であるはずの教師たち。全員黒ずくめの「就活スーツ」姿に違和感を持たずに、「みんな同じだと安心ですから」とにこやかに答える学生たちと、そんなスーツ姿を積極的に義務づける企業もあるといった話、などなど目白押しである。

 そこにあるのは、まさに駆除、排除、制御、支配、画一化、さらには無関心・分断の固定であり、自然界の多様性、共生・共存関係、つながりが持つ、あるいはそこから生まれる謙虚さや寛容さや優しさ、また個性の輝きは見当たらない。人間が人間に対して犯してきた迫害や差別の歴史に似てはいないだろうか。前田 勲さんがいうように「自然のしっぺ返し」がすでに始まっているのである。この人間の心と体の危機を克服するためにこそ、生物多様性を失ってはならないと強く信じている。

 人類は今、地球の仲間たちの将来を左右するような「綱引き」の場に臨んでいるのではないだろうか。厳しい現実と問題に直面し、解決を担うべき私たち人間が試されているのだ。歴史が教えてくれているように、現場、現地は「問題解決の鍵の宝庫」である。その原点に立って目を凝らし耳をそばだて、五感を研ぎ澄まして謙虚に聴き、感じ、考え、行動することが求められている。

 里山に立てば、生物多様性、生態系、共生という言葉が実体となって私たちに優しく語りかけ、また厳しく問いかけてくる。心を揺さぶられるが、共に歩を進める明るくて楽しい仲間たちも呼んでくれる。そして勇気と元気、力と知恵を引き出してくれる。私たちは運動をしていて、それを実感している。 続く

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ブログ左欄ブックマークのNIKONオンラインギャラリーを左クリックしてギャラりーに入り、活動風景を御覧ください.
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§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山 (京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分) 
 活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.
アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車.
このバスに乗車するには、
ア)JR京都駅七条口から(バス停「C6」番、所要時間約60分)
イ)阪急京都線四条河原町駅から(四条河原町交差点河原町通り北へ上ル東側)40分
ウ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側、約30分)
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル1番)約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、現在、食材費+消耗品費として400円を徴収.登録外参加者・見学者などは要500円(施設利用代などを含む).

§参加や見学希望の方は、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?

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まつたけ山復活させ隊活動

予定日  2014年4月~6月
回  開催日  報告担当者  男厨シェフ
435 4月19日 土 宮崎
436 4月25日 金 三輪
437 5月03日 土 池内   内田
438 5月09日 金 内田
439 5月17日 土 榎本
440 5月23日 金 三輪
441 5月31日 土 宮崎    京都精華大学 地域環境論(板倉 豊先生担当)受講生25名参加       
442 6月06日 金 内田
443 6月14日 土 池内   川崎
444 6月20日 金 榎本
445 6月28日 土 三輪

   11月7日(土)  京都造形芸術大学 環境学受講生 マツタケ山づくり体験 

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§カンパありがとう!  

§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173

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§主 催
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学)
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
090-6227-4305 redpinemushroom@gmail.com

香川理化学研究所
代表 香川 晴男

§共 催
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典

 

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